WRC 第9戦ラリー・フィンランド デイ1 TGR-WRTにとってのホームイベントがユバスキュラでスタート
ロバンペラが総合3位に、エバンスが総合5位につける

2023.8.4(金)- 5:55配信

8月3日(木)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦「ラリー・フィンランド」が開幕。オープニングステージとしてユバスキュラの市街地でスーパーSSが1本行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が総合3位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合5位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合7位に、今回は久々に選手としてスポット出場するヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン組(97号車)が総合9位につけ、チームの全車が初日を走り切りました。

69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

2023年のWRCはシーズン後半戦に突入し、前戦のラリー・エストニア、そして今回のラリー・フィンランドと、北欧エリアで超高速グラベル(未舗装路)ラリーが2戦連続で行われます。ラリーの中心となるフィンランドのユバスキュラはしばらく天気が安定せず、雨が降ったり止んだりの日々が続きました。ラリーは前日2日(水)の晩にユバスキュラの湖畔でセレモニアルスタートが行われ、3日は午前中にユバスキュラ近郊でシェイクダウンが行なわれました。天気は曇り時々晴れで降雨こそありませんでしたが、全長4.48kmのグラベルステージは全体的に湿り気を帯び、非常に滑りやすいコンディションに。多くの選手がクルマのセットアップを微調整しながら走行を重ね、TGR-WRTは前戦エストニアを制しドライバー選手権首位を守ったロバンペラが、4回目の走行でベストタイムを記録。ドライバー選手権2位のエバンスは2番手タイム、前戦エストニアに続きTGR-WRTのマニュファクチャラー登録ドライバーとして出場する勝田は5番手タイムでした。

その後、夜7時過ぎからユバスキュラの市街地でオープニングステージとして「ハルユ1」がスタート。市街地のターマック(舗装路)と、公園内のグラベルの両路面がミックスされた3.48kmのショートステージで、ロバンペラが、ベストタイムで首位に立ったオィット・タナック(Mスポーツ・フォード)と僅か0.7秒差の3番手タイムを記録。エバンス、勝田も確実な走りで初日を終えました。また、今回久々にドライバーとしてラリー・フィンランドに出場し、WRCで初めてGR YARIS Rally1 HYBRIDのステアリングを握ったチーム代表のラトバラは、9番手タイムを記録しました。

<<豊田 章男 (TGR-WRT会長)>>
ラリー・フィンランドは私たちのチームが始まった街で開催される、チームにとって特別なラリーです。今夜も街の中心でSS1があり、ラリーが幕を開けました。
チームにはフィンランド出身の世界チャンピオンであるカッレがいますし、特に今回は、同じく地元の道を走る、ドライバーとしてのヤリマティもいます。全ての観客の皆さんが彼らを応援してくれていると思いますし、彼らのチームメイトにも熱い声援を送ってくれるはずです。エルフィンは2年前のラリー・フィンランドで優勝していますし、貴元はこのラリーを2番目のホームラリーとして大切にしています。フィンランドのラリーファンの皆さんはとても温かく、声援をくださり、たくさんのエネルギーを与えてくれます。今週末の私の役割はドライバーたちをリラックスさせてあげることだと思っています。彼らは全員素晴らしいドライバーなので、彼らが最大限のパフォーマンスが出せるようにサポートしたいと思います。

<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
忙しい日々でしたが、自分のホームタウンの中心部で行われるハルユのステージで、ラリー・フィンランドがスタートしたのは本当に素晴らしいことです。毎年信じられないくらい多くの人が来てくれますし、雰囲気も最高なので、このステージを走る時はいつも興奮しますし、クルマの中まで声援が聞こえてきました。今朝のシェイクダウンは出走順がトップだったため路面はとても滑りやすい状態でしたが、最初から全開で走ることができて良かったです。かなり滑りやすく感じたので、それに対処するためのセットアップをいくつか試しました。明日は出走順がトップなので、とてもトリッキーな一日になりそうです。もう少し雨が降り、自分たちの助けになってくれることを願っています。

<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
ラリー・フィンランドはとても素晴らしいイベントなので、始まるのがいつも楽しみです。このオープニングステージは、市街地でのスーパーSSによくあるトリッキーなものですが、お客さんの数がとても多く、雰囲気も素晴らしいのでラリーのスタートとしては相応しいと思います。シェイクダウンのステージは、一晩中雨が降っていたのでグリップが低く、かなり難しいコンディションでした。しかし、セットアップを調整したことでフィーリングは結構良くなりました。この後も変わりやすい天気が続きそうなので、明日2番手でスタートする我々には助けになりそうですが、できれば酷い天候にはならず、フィンランドの道を楽しんで走れることを期待しています。

<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)>>
定番ともいえるユヴァスキュラのオープニングステージでラリー・フィンランドをスタートするのは素晴らしいことですし、ここはとても好きなステージです。雨が降ると路面はかなりトリッキーになるので、降らなくて良かったです。今朝のシェイクダウンではクルマにいくつか小さな調整を施したのですが、最終的にクルマはよく走るようになりましたし、とてもいいフィーリングを得ることができました。明日は雨が多く降る可能性があり、コンディションが少し変わるかもしれないので、どうなるのか分かりません。このラリーは好きなラリーのひとつですが、スピード、そして覚悟を決めて走るという点で最も難しいラリーのひとつでもあるので、できるだけ早く走りのリズムを掴みたいと思います。

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 97号車)>>
ドライバーとして再びラリー・フィンランドをスタートすることができて嬉しく思います。多くの人が応援してくれるのを見るのは素晴らしいことです。私にとってこのラリーはWRCの中で最もいい雰囲気を感じることができるラリーなので、非常に特別なシチュエーションですし、ホームグラウンドでRally1カーの走りを経験できる素晴らしい機会です。また、ハルユのステージでこのラリーをスタートするのも特別なことです。いくつかトリッキーなセクションがあり、そこでは少し注意する必要がありましたが、このイベントの伝統的なステージのひとつですし、楽しんで走ることができました。月曜日に行なったテストでも、今朝のシェイクダウンでも、走るたびにフィーリングが良くなっていったので、明日に臨む準備は整っています。

<<ラリー・フィンランド デイ1の結果>>
1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード Puma Rally1 HYBRID) 2m39.0s
2 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +0.6s
3 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +0.7s
4 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1.8s
5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1.9s
6 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード Puma Rally1 HYBRID) +2.2s
7 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +3.1s
8 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +4.6s
9 ヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +8.1s
10 ヤリ・フットゥネン/アンティ・ハーパラ (シュコダ Fabia RS Rally2) +8.3s
(現地時間8月3日21時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<明日のステージ情報>>
競技2日目となる8月4日(金)のデイ2は、いよいよ森林地帯での本格的なグラベルステージがスタート。サービスパークの北東エリアで「ラウカー」「ランカマー」「ミヒンパー」「ハルトゥーラ」という4本の伝統的なステージを各2回走行します。そのうち、ラウカーとランカマーは前回大会から大幅にモディファイされ、多くの激しいアップダウンと連続ジャンプで知られる名ステージのミヒンパーは2015年以来、ハルトゥーラは1995年以来のWRCステージ復帰となります。さらに、一日の最後にはハルユのステージが再び行われます。SSの数は全部で9本で、その合計距離は104.76km。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は513.66kmとなります。

カッレ・ロバンペラ
カッレ・ロバンペラ
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
97号車(ヤリ-マティ・ラトバラ、ユホ・ハンニネン)
97号車(ヤリ-マティ・ラトバラ、ユホ・ハンニネン)

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