WRC 第10戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ2 荒れたグラベル路面での本格的な戦いがスタート
オジエ、ロバンペラ、エバンスが総合2-3-4位につける

2023.9.9(土)- 4:00配信

9月8日(金)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦「アクロポリス・ラリー・ギリシャ」の競技2日目デイ2が、ギリシャのルートラキを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)が総合2位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)が総合3位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合4位につけました。また、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、総合6位につけています。

17号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
17号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)

前日の夜に首都アテネで行なわれたスーパーSSで開幕した伝統のアクロポリス・ラリーは、8日(金)の朝からグラベル(未舗装路)ステージでの本格的な戦いがスタート。ビーチリゾートのルートラキを起点に5本合計101.98kmのステージが予定されていましたが、路面コンディションの悪化等によりSS2/4「ルートラキ」は18.10kmから10.37kmに短縮され、一日の合計ステージ距離は86.52kmとなりました。

ルートラキ周辺で週の前半に降り続いた強い雨は過ぎ去りましたが、その影響で路面コンディションは大幅に悪化。雨で砂が流されたところでは大きな石が露出し、深い轍も刻まれました。また、路面はぬかるんでいるところもあれば、乾き始めているところもあり、ドライバーたちは様々な路面コンディションに対峙することに。その結果タイヤ選択も難しくなり、通常であれば暑くドライなコンディションでハードタイヤが主役を担うところでしたが、雨により状況が大きく変化。供給本数が少ない、オプション扱いのソフトタイヤがマッチする路面も少なくなく、ラリー全体を考えての運用も重要な要素となりました。

デイ1で総合6位につけたオジエは、デイ2オープニングのSS2で2番手タイムを記録し総合3位に順位を上げました。続くSS3では初日首位のロバンペラがベストタイムを刻み、総合2位に。SS4ではオジエがベストタイムを記録し、ロバンペラを抜かして総合2位にポジションを上げました。午後のステージでは、選択したタイヤによりステージごとに優劣が変化。オジエはSS5で3番手タイムとなり、首位のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)との差は2.4秒から7.4秒へと拡がりましたが、デイ2最終SS6での2番手タイムにより、ヌービルとの差を2.8秒まで挽回してデイ2を終えました。一方、ロバンペラは路面が濡れているステージでは出走順トップのハンデがそれほど大きく影響せず好タイムを記録しましたが、路面が乾いてきた 午後のステージではルーズグラベルによりタイムを失うことに。それでも、オジエと22.7秒差の総合3位でデイ2を走破しました。

デイ1で総合12位とやや遅れをとったエバンスは、確実性の高い走りを続けていましたが、デイ2最終のSS6で3番手タイムを記録し、ロバンペラと5.5秒差の総合4位まで順位を上げました。また、勝田は午後のステージでペースを上げ、総合5位のエサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)と9.6秒差の総合6位につけています。

<<カイ・リンドストローム (スポーティングディレクター)>>
難しいコンディションのステージが続きましたが、全体的にとても上手く行きました。セブとティエリーによるトップ争いは拮抗していて、彼らがお互い少し違う戦略を取っていたことは興味深く、このような戦いは明日も続くと思います。彼らの後方では、我々のドライバーたちが接戦状態にあるので、明日は重要かつタフな一日になるでしょう。明日のステージは、レッキ時はまともに走ることができないようなコンディションでしたが、オーガナイザーが素晴らしいサポートをしてくれて、今日彼らがステージを走った時に撮影した映像を受け取ったので、今晩それをチェックすることで明日どのような路面を走行するのか予想し、理解を深めることができると思います。

<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
大きなチャレンジの一日でした。ステージの路面は予想していた以上に乾いていたので、路面をクリーニングしながら走るのは大変でした。路面が少し湿っていたりぬかるんでいた時は、午前中のSS3のようにいいタイムを出すことができました。しかし、午後は出走順がトップであることにより、滑りやすいグラベルに苦しみましたし、最後のステージではタイムをかなり失ってしまいました。少なくともこれで明日の出走順は良くなりますが、それでも多くの雨が降ったことで、驚くようなコンディションに遭遇するかもしれません。

<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
今日はかなり厳しいコンディションでしたが、それでも全体的には予想していたよりもずっと良かったと言えます。午後には太陽も顔を出し、路面の泥はかなり乾いていきました。一日の大半は少し慎重になりすぎていたかもしれませんが、最後のステージは少し良くなり、何とかリーダーボードに戻ってくることができました。今日はバランスを取るのがとても難しく、いくつかのステージでは路面をクリーニングしながら走ることになりました。明日以降もまだまだ難しいコンディションで走らなくてはならないので、頭を使う必要があります。

<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)>>
いいスタートを切ることができました。100%の状態で走るまでに数キロを要しましたが、それでもレーシングスピードを取り戻すことができてハッピーです。いくつか難しいセクションがありましたが、幸運なことに太陽が出て路面がすぐに乾いてくれたので、それが自分たちにとっては助けになりました。優勝争いに加わり、望んでいたようにトップにかなり近づくことができて良かったです。とはいえ、明日はロングステージと荒れたコンディションが我々を待ち受け、このラリー最大の山場となるので、引き続き頑張らなくてはなりません。

<<アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ2の結果>>
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 55m10.4s
2 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2.8s
3 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +25.5s
4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +31.0s
5 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +32.1s
6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +41.7s
7 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +48.6s
8 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia RS Rally2)+3m16.7s
9 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPUMA Rally1 HYBRID) +3m34.5s
10 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (シトロエン C3 Rally2)+3m46.3s
(現地時間9月8日18時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<明日のステージ情報>>
競技3日目となる9月9日(土)のデイ3は、ラミアのサービスパークを中心に、南側のエリアで3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうちSS8/11「カロウテス」は、昨年の「ボーキサイツ」のステージを延長して進行方向を逆にしたダウンヒルコースとなり、その全長は28.49kmと今大会最長のステージとなります。デイ3の6本のステージの合計距離は141.52kmに達し、4日間で最長の一日になります。

69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
セバスチャン・オジエ
セバスチャン・オジエ

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