1月27日(土)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロの競技3日目デイ3が、フランス南部ギャップのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 17号車)が総合2位を守り、前日首位のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合3位に後退。勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は総合7位まで順位を挽回しました。
ラリー・モンテカルロのデイ3は、ギャップのサービスパークの西側エリアで、3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は120.40kmと、4日間で最長の一日でした。前日に続き天気は良く路面は基本的にドライコンディションでした。しかし湿っているセクションも多く、早朝は霜やアイスに覆われた路面もあるなど、引き続きトリッキーなコンディションでの戦いになりました。
前日のデイ2で総合2位に順位を上げたオジエは、デイ3オープニングのSS9で遅れをとり総合3位に後退しました。しかし、続くSS10ではベストタイムを記録。午後の再走ステージ1本目となるSS12でもベストタイムを刻み、総合2位に復帰しました。さらに、続くSS13も制したオジエは0.8秒差ながらティエリー・ヌービル(ヒョンデ)を抑えて首位に。オジエにとっては記念すべき700回目のステージ優勝となりました。しかし、デイ2最終のSS14でヌービルがベストタイムを刻みトップに復帰したため、3.3秒差の総合2位で一日を終えました。
一方、デイ2まで首位の座を保ち続けてきたエバンスは、SS10でハイブリッドシステムのブーストを得ることができず、タイムを失いヌービルに次ぐ総合2位に後退。SS12では総合3位に順位を下げました。午後の再走ステージではシーズン全体を考えて確実にポイントを獲得することに集中し、首位と34.9秒差の総合3位でデイ3を走りきりました。また、デイ2最初のステージでのコースオフにより5分程度タイムを失い、総合19位まで順位を下げた勝田は、その後総合12位まで挽回しました。デイ3ではペースがさらに向上し3、4番手のタイムを5回記録。他の選手の脱落もあり、総合7位まで順位を上げました。
なお、今シーズンよりポイント獲得システムが大きく変わり、土曜日終了時点での上位10位までの選手およびマニュファクチャラーは、総合1位から順に18-15-13-10-8-6-4-3-2-1ポイントを得ることができます。ただし、そのためにはラリーを日曜日の最後まで走りきりフィニッシュする必要があります。また、土曜日までのポイントとは別に、日曜日の順位に対しては上位7位までに7-6-5-4-3-2-1ポイントが与えられます。さらに、昨年と変わらず日曜日のパワーステージでは、最大5ポイントを獲得することが可能です。
<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
首位争いが白熱し、全体的にはとても面白い一日でした。しかし、残念ながらトップで一日を終えることはできませんでした。セブは午後、素晴らしいアタックで首位に立ちましたが、最後のステージではティエリーがわずかに勝っていました。エルフィンは今日の午後、大きなリスクを冒すよりもチャンピオンシップポイントの獲得に集中すると決めましたが、それは正しい判断だと思います。明日の日曜日は、さらなるポイントを獲得可能な新しいフォーマットで初めて戦う一日になります。私自身としては勝利こそが本当に求めているものですし、それはセブがこのラリーで強く望んでいることでもあるので、達成できたらそれは素晴らしいことです。エルフィンは、できるだけ多くのポイントを獲得したいと思っているはずです。あまり慎重になり過ぎるのも良くないですが、日曜日を最後まで走りきることも重要です。貴元は今日も素晴らしいペースを示してくれたので、明日さらに多くのポイントを獲得できることを願っています。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
今日はベストな一日ではありませんでした。午前中の一本目はブラックアイスが多くあり、見極めが難しいステージでした。2本目はハイブリッドパワーを得ることができず、理想的とは言い難い状況でした。そして午後は、どういうわけかペースが上がらなかったので、その原因を探る必要があります。それまでのような良いフィーリングを得られなかったのですが、実際のタイムほどは悪くありませんでした。とにかく、明日は新しいフォーマットで行われる新しい一日のようなものなので、上手く対処して再び戦いに加われるように準備したいと思います。
<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)>>
誰にとってもエキサイティングな一日だったと思いますが、それはクルマに乗っている自分たちも同様で、本当に楽しむことができました。唯一良くなかったのは朝の最初のステージで、慎重になり過ぎてかなりタイムを失ってしまいました。しかしその後はいい一日になり、まずまずのペースで走ることができました。優勝争いに復帰しようと全力でプッシュしましたし、戦いはまだ続いています。トップとの差は僅か3秒なので、明日もエキサイティングな展開になると思います。特に朝最初のステージは3回目の走行となるので、大きなチャレンジになるでしょう。とても楽しみですし、完璧な一日になるように頑張ります。
<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)>>
今日はクルマのフィーリングが非常に良かったので、昨日よりもプッシュすることができ、なかなか良いタイムを出すことができました。午後は路面に砂利や泥が多く出ていて、そのようなコンディションはあまり得意ではないので、自分が望んでいたようなペースでは走れなかったように思います。しかし、そのおかげで明日朝の最初のステージで何をするべきか理解することができました。今日は総合7位まで順位を挽回できたので、このまま行けばポイントを獲得することができそうですし、いいフィーリングと自信を明日に繋げて、さらに多くのポイントを獲得できるようにプッシュしたいと思います。
<<ラリー・モンテカルロ デイ3の結果>>
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 2h37m58.5s
2 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +3.3s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +34.9s
4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m46.9s
5 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +2m54.0s
6 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +4m21.2s
7 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +7m34.0s
8 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シトロエン C3 Rally2) +8m55.7s
9 ペペ・ロペス/ダビド・バスケス (シュコダ Fabia RS Rally2) +8m55.9s
10 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (シトロエン C3 Rally2) +9m02.6s
(現地時間1月27日20時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
ラリー最終日となる1月28日(日)のデイ4は、早朝ギャップのサービスパークを出発した後、SS15として今大会三度目となる「ラ・ブレオル/セロネ」のステージを走行。続いてクラシックステージのSS16「ディーニュ=レ=バン/ショドン=ノラント」、有名なチュリニ峠を含むSS17「ラ・ボレーヌ=ベジュビー/コル・デ・チュリニ」という3本のステージを走行した後、モナコでフィニッシュを迎えます。なお、最終のSS17はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。3本のSSの合計距離は52.12km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は320.86kmとなります。
最新情報はこちら
TOYOTA GAZOO Racing WRTのSNSアカウント
∇Facebook: https://www.facebook.com/TOYOTAGAZOORacingWRC
∇X: https://x.com/TGR_WRC (@TGR_WRC)
∇Instagram: https://www.instagram.com/tgr_wrc/ (@TGR_WRC)
∇YouTube: https://www.youtube.com/@TOYOTAGAZOORacingJPchannel
第1戦 ラリー・モンテカルロ
TOYOTA GAZOO Racing WRC 2024年 オフィシャルスポンサー一覧