TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、6月27日(木)から30日(日)にかけて、ポーランドで開催される2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦「ラリー・ポーランド」に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)の3台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦。7年ぶりに開催される超高速ラリーで、今シーズン4勝目を目指します。
全13戦で競われる2024年のWRCは、第7戦ラリー・ポーランドでシーズンの折り返しを迎えます。TGR-WRTは今シーズンここまで3勝を記録していますが、ラリー・ポーランド、ラリー・ラトビア、ラリー・フィンランドという6月から8月にかけて行われるハイスピード・グラベル(未舗装路)3連戦は、勝利数をさらに増やす好機です。ラリー・ポーランドがWRCの一戦として開催されるのは2017年以来であり、その時ドライバーとしてヤリスWRCのステアリングを握ったヤリ-マティ・ラトバラは、今回TGR-WRTのチーム代表としてポーランドの地を踏むことになります。
1921年に初めて開催されたラリー・ポーランドは、非常に長い歴史を持つラリーであり、1973年のWRC初年度にシリーズの一戦として組み込まれました。その後2009年、2014年から2017年にかけての4年間と、これまで6回WRCとして開催されてきましたが、今回は7年ぶりのWRC復帰となります。ラリーの中心となるサービスパークは、以前と変わらずポーランド北東部の「ミコワイキ」に置かれます。マズールイ湖水地方のリゾートタウンであるミコワイキは美しい自然に囲まれ、周辺の森林地帯や丘陵地帯にグラベルステージが設定されます。ステージは全体的に非常にハイスピードで、そのキャラクターはフィンランドに似ています。ただし、フィンランドの路面が全体的に硬質であるのに対し、ポーランドの路面は砂状で軟らかいところが多く、道幅が狭いセクションも少なくありません。
今シーズン、ここまで4戦に出場してクロアチア、ポルトガルで優勝し、開幕戦モンテカルロと前戦のサルディニア(イタリア)では2位を獲得したオジエは、過去このラリーで2回の優勝経験があります。また、トップと18ポイント差でドライバー選手権2位の座をライバルとシェアしているエバンスは、ポーランドに過去4回出場しています。一方、勝田にとっては初めて出場するラリーとなります。
ラリーは27日(木)の夕方にセレモニアルスタートが行われ、19時過ぎから競技がスタート。サービスパークのすぐ近くでスーパーSSが1本行われます。本格的な戦いは28日(金)の朝から始まり、デイ2として3本のステージを「タイヤフィッティングゾーン」でのタイヤ交換および簡易的な整備作業を挟んで各2回走行。一日の最後にはSS1と同じコースでスーパーSSが行われます。29日(土)のデイ3は、3本のステージをミコワイキでのスーパーSSおよびミッドデイサービスを挟んで各2回走行。7本のステージの合計距離は124.10kmと、4日間で最長の一日になります。最終日のデイ4は、2本のステージを各2回走行。そのうち、SS17の再走ステージとなるSS19「ミコワイキ2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。19本のステージの合計距離は303.16km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1375.64kmが予定されています。
なお、ポルトガルとサルディニアでWRC2を制したGR Yaris Rally2は、今大会ではサミ・パヤリ(プリントスポーツ)、ローペ・コルホネン(ラウティオ・モータースポーツ)、ゲオルグ・リンナマエ(レッドグレイ)の3名に加え、新たにエストニア人ドライバーのグレゴワール・ジーツ(レッドグレイ)がステアリングを握り、WRC2に挑みます。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
2017年に私たちのチームがWRCに初めて挑んだ時、私はドライバーとしてこのラリーに出場しましたが、興味深いことに今回はその時以来のWRCポーランド戦となります。フィンランドに近いハイスピードなラリーですが、柔らかく砂も多いなど路面やキャラクターは少々異なります。そのため、同じステージを2回目に走行する際は深い轍ができることも多く、その轍を楽に走ることができないと、ハードにプッシュすることはできません。今回のイベントから始まる高速ラリー連戦は自分たちのドライバーに合っていると思うので、楽しみです。また、ポーランドのようなラリーではエアロダイナミクスが非常に重要ですが、過去我々のクルマは高速ラリーで強さを示してきました。ただし、クルマのセッティング以上に、ドライバーのフィーリングが重要だと私は思っています。高いスピードに素早く慣れ、自信を持ってアタックできるようになることが大事なので、我々チームとしてもドライバーに自信を持ってもらえるように努力します。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
自分たちにとって厳しいラリーが続いたので、これから数戦続くハイスピードなラリーでは、より良い結果を残したいと思っています。どれも似たようなキャラクターのラリーですが、それぞれに独自の難しさがあります。過去のラリー・ポーランドで強く印象に残っているのは、かなり高速なラリーだということで、前回のサルディニアとは明らかにペースが大きく異なります。また、路面のコンディションが著しく悪化しやすいラリーでもあるので、ステージの2回目の走行は大きなチャレンジになるかもしれません。過去に走ったことのあるセクションもありますが、自分たちが持っているペースノートはかなり古いものです。そのため、新しいラリーに出るような感覚ですし、新しいノートを作ることになるためレッキはかなり忙しくなるでしょう。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
ラリー・ポーランドに戻ることが楽しみです。このラリーは、過去に楽しむことができていたラリーですし、良い思い出もあります。道幅がそれほど広いわけではないのに、非常にハイスピードなラリーです。また、柔らかい砂地の路面もあり、ステージを2回目に走行する際は予想外のことが起こることもあります。7年ぶりということで、きっと新しいラリーのように感じるでしょうし、私はいつだってそのような感覚が好きです。ルートはいくつか大きな変更があり、これまで走ったことがないセクションもあるため、非常に興味深いラリーになると思います。ここ数シーズン、ハイスピードなラリーにはあまり出場してこなかったことは確かです。しかし、現在はクルマにいいフィーリングを感じているので、目標はここ数戦と同じように優勝争いをすることです。
勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
初めてのラリー・ポーランド出場を、とても楽しみにしています。先週の事前テストで初めてポーランドのグラベルロードを走りましたが、すべて順調でした。ステージはエストニアと少し似ていて、非常にハイスピードで、路面は部分的に少し柔らかく感じました。きっと大きなチャレンジになると思いますが、自分はこのようなハイスピードなラリーが好きなので、とても楽しみです。もちろん過去のペースノートは持っていませんが、過去数年分のオンボード映像を見るなどして準備は進めています。前回、ポーランドがWRCのカレンダーに組み込まれていたときに出場していたドライバーたちは、きっとアドバンテージを持っていると思いますが、自分としてはベストを尽くすのみです。良いフィーリングを得て確実に結果を残し、より高い目標を設定するつもりでいるラトビアとフィンランドで、プッシュできるように準備をするつもりです。
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第7戦 ラリー・ポーランド
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