WRC 第8戦 ラリー・ラトビア デイ2 ラトビア北部で本格的な戦いがスタート
ロバンペラが首位を守り、オジエは総合3位につける

2024.7.20(土)- 5:30配信

7月19日(金)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦「ラリー・ラトビア」の競技2日目デイ2が、ラトビアの首都リガ郊外のラリークロスサーキットを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が首位に立ち、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合3位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合4位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合7位につけました。

69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

前日、首都リガで開幕し、その後ラリークロスサーキットでのスーパーSSで競技がスタートしたラリー・ラトビアは、19日(金)から本格的な戦いがスタート。リガの西側エリアで、4日間で最長となる7本合計120.92kmのステージが行なわれました。7本のステージのうち3本は一度しか走行せず、SS4とSS7に関してはステージの一部が重なるなど複雑な構成の一日でした。金曜日は朝から概ね好天に恵まれ、路面はほぼドライコンディションでした。

前夜のスーパーSSでベストタイムを記録し、2番手タイムを分け合ったオジエとティエリー・ヌービル(ヒョンデ)に2.4秒差をつけたロバンペラは、デイ2オープニングのSS2でもベストタイムを記録。単独2位となったオジエとの差を3.7秒に拡げました。続くSS3とSS4では地元ラトビアの新星マルティンシュ・セスクス(Mスポーツ・フォード)が連続ベストタイムでオジエを抜き、総合2位に浮上。首位ロバンペラとセスクスの差は一時3.2秒まで縮まりました。しかし、その後ロバンペラはSS6からSS8にかけて3ステージ連続でベストタイムを記録。2位セスクスとの差を15.7秒に拡げ、首位で一日を走り終えました。

SS3で総合2位の座をセスクスに明け渡したオジエは、SS5でベストタイムを記録。順位を挽回することはできませんでしたが、その後も上位タイムを刻み続け、セスクスと5.9秒差の総合3位でデイ2を終えました。また、前戦ラリー・ポーランドでやや苦戦を強いられた勝田は、今回のラトビアでは前日のシェイクダウンから好調を維持。デイ2でも高い競争力を発揮し、特に午後のステージはSS5ではオジエに次ぐ、SS8ではロバンペラに次ぐ2番手タイムを記録し、総合4位に順位をあげました。なお、不利な出走順2番手でデイ2に臨んだエバンスは、滑りやすいコンディションで健闘。ルースグラベルの影響によるタイムロスを少なく抑え、ドライバー選手権を争うライバルよりも2つ上の総合7位で一日を終えました。

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
とても良い一日でした。このようなハイスピードなイベントは、通常、我々のクルマとドライバーに合っていることは分かっていましたが、競争が非常に厳しくなる可能性もあると思っていたので、我々が発揮したパフォーマンスのレベルには、いい意味で驚いています。カッレはもちろん速かったですが、セスクスのドライビングも素晴らしかったので、彼にも称賛を贈りたいと思います。また、セブも素晴らしい走りを見せてくれました。最初のステージから速さがありましたし、最近はハイスピードなラリーにそれほど多く出場していなかったですし、ポーランドも欠場したので、活躍する姿を見ることができて良かったです。貴元はポーランド後、しっかりと前に進んでいることを示してきましたし、今日は一日を通してどんどん良くなり、最終的には4位に順位を上げました。エルフィンについては、出走順を考えると難しい戦いになる可能性が高いと考えていましたが、彼はここまで良い仕事をしてくれていますし、もしティエリーよりも前につけることができたならば、それは彼にとってポジティブなことです。総じて、土曜に向けて良いポジションにつけていますが、競争は激しくなると思いますし、明日の夜は誰もがいい順位を目指してプッシュしてくるはずです。

<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
今日はかなり良い一日でした。フィーリングは完璧ではありませんでしたが、ミスは犯さなかったですし、良い仕事をできたと思います。朝はクルマにあまり自信が持てず、路面も非常に滑りやすいコンディションでした。また、日中はタイヤフィティングゾーンしか設定されず、本格的なサービスを受けられない状況だったので、クルマに大幅な変更を加えることは難しかったですが、それでも改善に努め、午後のステージではさらにプッシュしました。その結果、クルマのフィーリングは少しずつ良くなって行きました。クリーンな走りを心がけ、フィーリングがあまり良くないときは無理をしなかったのですが、それでも良いタイムを出すことができました。また、タイヤ戦略も非常に上手くいきました。明日に向けて、良いフィーリングをより安定して得るために、何か解決策を見つけ出す必要がありますが、それ以外はとても順調です。

<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
今日は、まあまあの一日でした。路面は前戦ポーランド以上に多くのルースグラベルに覆われていて、クルマが1台走るごとに確実に良くなって行きました。そのため、自分たちよりも後方からスタートするドライバーたちと戦うのは大変でした。自分たちにできることはあまりなかったので、ベストを尽くし、明日の出走順を良くすることに集中しました。クルマのフィーリングは良く、ドライビングも悪くなかったので、これ以上のタイムアップは望めなかったと思います。明日は出走順が少し良くなるでしょうし、それはプラスに作用するはずなので、何ができるのか見たいと思います。

<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)>>
とても楽しい一日でした。このようなハイスピードなラリーにはしばらく出場していなかったので、まずクルマに乗ること自体がとても楽しかったですし、自分たちのパフォーマンスにも満足しています。今日のステージは出走順の違いによる路面のクリーニングの影響が大きく、出走順はワーストではなかったのですが、自分たちよりも前から出走するクルマは3台だけだったので、道は非常に滑りやすいところもありました。クルマのフィーリングは良かったですし、ペースノートも良い出来でした。今晩の順位は自分たちにとってポジティブなものですし、チームにとっても良い一日でした。カッレとは本当の意味で戦っているわけではありませんが、2位争いは面白くなっているので。明日もこの調子で頑張りたいと思います。

<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)>>
今日は上手くいきました。ラトビアのステージは素晴らしく、とても楽しんでいます。どの道も似ていて覚えにくいので、ペースノートに集中する必要がありましたが、上手くいったと思います。走っていて本当に楽しかったですし、良い気分でした。午前中はステージとステージの間に小さな変更を試したところ、ポジティブなステップを踏むことができたので、あとは自分のドライビングに自信を持ち、走りに専念する必要がありました。午後は、長いループでタイヤをマネージメントすることがかなり難しかったですが、それでも最後のステージではプッシュして順位を上げることができたので良かったです。ここまでのところ、ポーランドよりもずっといい走りができているので、この調子を最後まで保ち続けたいと思っています。

<<ラリー・ラトビア デイ2の結果>>
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 1h08m44.5s
2 マールティンシュ・セスクス/レナールス・フランシス (フォード Puma Rally1 HYBRID) +15.7s
3 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +21.6s
4 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +33.2s
5 アドリアン・フォルモ−/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +38.5s
6 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +38.8s
7 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +52.7s
8 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +1m10.2s
9 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m23.3s
10 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m27.4s
(現地時間7月19日20時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<明日のステージ情報>>
競技3日目となる7月20日(土)のデイ3は、サービスパークを中心に、リエパーヤから比較的近い東側のエリアを中心に8本のステージを走行。日中にはミッドデイサービスも設定されます。8本のステージのうち6本は一度しか走行しないため、出走順が早い選手たちにとっては、デイ2に引き続き不利な走行条件となることが予想されます。8本のステージの合計距離は104.00km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は528.50kmとなります。

カッレ・ロバンペラ
カッレ・ロバンペラ
17号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
17号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)

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