8月1日(木)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦ラリー・フィンランドが開幕。ユバスキュラの市街地で1本のスーパーSSが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)が総合2位に、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合4位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)が総合5位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合8位に、サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン(5号車)が総合9位につけました。
フィンランド中央スオミ県の都市、ユバスキュラを中心に開催されるラリー・フィンランドは、7月31日(水)の夕方に、ユバスキュラのサービスパークのすぐ近くでセレモニアルスタートが行われ、大勢の観客が見守る中、華やかに開幕しました。そして、一夜開けた8月1日(木)は午前中に、クラシックステージである「ルイヒマキ」の一部区間を逆走する、短縮ルートでシェイクダンが行われました。やや湿り気を帯びた全長4.12kmのステージでは、ラリー・ポーランド、ラリー・ラトビアという超高速グラベルイベントを2戦連続で制したロバンペラが2番手タイムを、昨年のラリー・フィンランドで3位表彰台を獲得した勝田が3番手タイムを、2021年以来のフィンランド出場となるオジエが4番手タイムを記録。エバンスは6番手タイムで、パヤリは9番手タイムでシェイクダウンを終えました。
その後、夜7時過ぎからユバスキュラの市街地で伝統ある「ハルユ」のスーパーSSがスタート。ターマック(舗装路)とグラベル(未舗装路)がミックスした3.48kmのショートステージでは、ユバスキュラに生活拠点を置きながらラリードライバーとして成長してきた勝田が2番手タイムを記録。「第2の地元」で好スタートを切りました。また、オジエとロバンペラは、彼らが監修したGRヤリス特別仕様車のカラーリングにインスパイアされた特別なカラーリングの車両で今大会に臨み、初日はそれぞれ総合4位、総合5位でした。また、去年を含む過去2回このラリーで優勝しているエバンスは総合8位で、今回がRally1デビューとなるパヤリは総合9位でデイ1を走り終えました。
今年もラリー・ドライバーとして地元のラリー・フィンランドに出場する、TGR-WRTチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは、今回レッドのカラーリングが施されたGR Yaris Rally2をドライブ。TGR-WRTの一員としてWRC2に挑み、スーパーSSではWRC2カテゴリー3番手タイムを記録しました。
<<カイ・リンドストローム (スポーティング・ディレクター)>>
チームのホームイベントとしてラリー・フィンランドをスタートすることは、私たちを常にポジティブな気持ちにしてくれます。 ラリーはいつも通り素晴らしい雰囲気ですが、ここユバスキュラでの最初のステージは特にそう感じます。 このようなスーパーSSで最も重要なのは、我々の全てのクルマが問題なくステージを走り切ることだったので、明日からの本格的な戦いに向けて準備は整ったと思います。もちろん、私たちにとってこのラリーは重要ですし、目標は優勝ですが、他のチームとの接戦になることは覚悟しています。シェイクダウンと最初のステージを終えて、ドライバーたちは皆、自分のクルマに満足していますし、明日の朝から全力でプッシュする準備はできていると思います。
<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
ラリー・フィンランドのスタートは常にエキサイティングです。今朝のシェイクダウンでも既に多くのファンの姿が見えましたが、ハルユは常に信じられないほど多くの人々が集まり、本当に素晴らしい雰囲気です。このような湿った路面ではただ走り切ることだけに集中したので、明日からが本当の楽しみの始まりです。実際にラリーで走行するステージの路面は全体的に路面がかなりハードで、自分たちのテストコースのコンディションとはかなり異なるため、シェイクダウンではグリップとクルマへの信頼感を見出すことが重要でした。もしこのまま雨が降り続けば、出走順の違いによる影響はほぼないはずなので、タイム差は非常に小さくなり、ここまでの数戦よりも多くのクルマが上位争いに加わると思います。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
ラリー・フィンランドは雰囲気がいつも素晴らしく、全てにおいてラリーの国という感じがします。TGR-WRTのドライバーとして私たちは大きな応援を受けていますし、このような環境でラリーに出場できるのは本当に嬉しいことです。シーズンを戦う上では重要な局面ですが、最大の目標はイベントを心から楽しみ、全力を尽くすことです。今週降った雨のおかげで、これまでの数戦と比べて路面のクリーニングはそれほど大きな問題にならないはずなので、均一化されたグリップレベルの路面で、よりシンプルな戦いができることを楽しみにしています。このラリーで最も重要なのは自信を持つことですが、私たちは良い準備をしてきましたし、シェイクダウンではラリーに向けて最後のセットアップオプションをいくつか試し、上々のフィーリングを得ることができました。そして、最初のステージも悪くなかったので、明日からの本格的な戦いに向けて準備は整いました。
<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)>>
ユバスキュラに戻り、久しぶりにラリー・フィンランドをスタートできることを嬉しく思います。この場所にはいつも多くのファンが集まりますし、ここにチームの本拠地があるTGR-WRTのドライバーである私たちにとっては、特別な場所です。月曜日にここで行ったテストは上手くいきましたし、シェイクダウンは他のステージとはやや異なるものでしたが、クルマが全力で走れる状態にあることは確認できました。そして最初のステージでもいい走りができました。予報によると週末はどうやら雨が降りそうですが、あまり天気が悪くならないことを願っています。トヨタのクルマができるだけ多く表彰台フィニッシュを飾れるように、とにかくベストを尽くして戦います。
<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)>>
今夜、既に多くのファンがハルユに集まっているのを見て、とても嬉しいです。この最初のステージは自宅から数百メートルしか離れていないので、自分にとっては常に不思議な感じがします。しかし、常に心地よく感じますし、地元のファンの皆さんから大きな応援を受けていると思えるので、プッシュするモチベーションが高まります。今朝のシェイクダウンの時点で既に、この超ハイスピードな道と大きなジャンプに戻ってくることができて嬉しく思いました。少し調整を加えただけでクルマのフィーリングは良くなりましたので、今週末はフラットアウトで走り、ラリーを楽しみたいと思います。
<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 HYBRID 5号車)>>
自分にとって本当に特別な瞬間です。 ホームラリーで初めてトップカテゴリーに挑むなんて、夢が実現したような気分です。 ハルユのステージはいつも素晴らしい雰囲気ですが、ウェットコンディションを500馬力のクルマで走るなど、経験も少ないので決して簡単ではありませんでした。 とにかくクリーンに、安全に走るようにしましたが、明日からの戦いが本当に楽しみです。このような機会を与えてくれたチームにとても感謝しています。また、十分な準備期間を設けてくれたことにも感謝しています。テスト走行を終えて、かなり良いフィーリングを得ることができたので、今はリラックスすることだけを心がけ、結果についてはあまり考えず、ただ走ることを楽しみたいと思います。
<<ラリー・フィンランド デイ1の結果>>
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 2m46.1s
2 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1.1s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1.3s
4 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1.4s
5 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1.7s
6 アドリアン・フォルモ−/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +3.0s
7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +3.1s
8 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +3.2s
9 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +4.6s
10 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +8.2s
(現地時間8月1日21時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
競技2日目となる8月2日(金)のデイ2は、いよいよ森林地帯での一日を通しての戦いがスタート。サービスパークの北東に展開する「ラウカー」、「ミヒンパー」、「ルイヒマキ」というクラシックなステージに、新設の「サーリカス」を加えた4本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その後、夜8時過ぎからハルユの2回目のスーパーSSを走行し、一日が終わります。9本のステージの合計距離は116.33km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は554.91kmとなります。
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