WRC 第10戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ2 オジエが3本のベストタイムを記録し
総合3位に順位を上げる

2024.9.8(日)- 8:00配信

9月7日(土)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦「アクロポリス・ラリー・ギリシャ」の競技2日目デイ2が、中央ギリシャのラミアを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)が総合3位に順位を上げ、前日のデイリタイアを経て再出走した勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は総合40位につけました。なお、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は、クルマにダメージを負いデイリタイアとなりました。

17号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
17号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)

アクロポリス・ラリー・ギリシャのデイ2は、サービスパークを起点に、ラミアの南から南東にかけての非常に広いエリアで6本合計116.23kmのステージを走行。そのうち同じステージを2回走行したのはSS9/11のみとなり、残る4本のステージは1回しか走らないという構成でした。また、一日の最後には、高速道路の一部とサービスエリアを封鎖して設けられた、全長1.97kmのターマック(舗装路)ステージが、SS12として行なわれました。土曜日は、早朝サービスパークのパルクフェルメを出発し、夜戻るまで約16時間という長丁場のマラソン・デイとなり、さらに、サービスが設定されず、タイヤ交換と簡易的な整備作業のみ許される「タイヤフィッティングゾーン」だけで6本のステージを走り切らなくてはならないという、非常にタフな一日でした。

デイ1に続きデイ2も好天に恵まれ、日中の最高気温は34度前後まで上昇。非常に暑い一日となり、乾いたグラベル路面での戦いとなりました。デイ1で3本のベストタイムを記録して首位に立ちながらも、ターボ関連のトラブルで2分程度のタイムを失い総合4位まで順位を下げたオジエは、修理されたクルマで再び本来のスピードを発揮。オープニングのSS7で2番手タイムを刻み、デイ1終了時点で首位につけていたオィット・タナック(ヒョンデ)が2回のパンクにより後退したことで、総合3位に順位を上げました。その後、オジエはSS8、SS9、SS11と3本のベストタイムを記録。総合2位のダニ・ソルド(ヒョンデ)との差を27.2秒まで縮めてデイ2を締めくくりました。

デイ1でパンクとターボ関連のトラブルにより9分程度タイムを失い、総合20位に順位を落としたエバンスは、デイ2の最後から3本目のSS10が終了した時点で総合13位まで順位を挽回していました。しかし、続くSS11のヘアピンコーナーでエバンスはスロースピードで横転。最後までステージを走り切り、その段階では総合14位につけていましたが、クルマのフロント部分のダメージが大きかったためチームと協議の上デイリタイアを選択しました。チームは明日のデイ3でエバンスを再出走させるべく、4時間という限られたサービスタイムでクルマを修理する予定です。

デイ1で序盤総合2位につけながらも、クルマの右リヤにダメージを負ってデイリタイアとなった勝田は、TGR-WRTのメカニックたちによって修理されたクルマで再出走。一日を通して、グラベルラリーでは不利な出走順トップでステージに臨みましたが、安定した走りでデイ2を走破。前日の総合63位から、総合40位まで順位を挽回しました。

なお、GR Yaris Rally2で出場のサミ・パヤリ/エンニ・マルコネン組(プリントスポーツ)は、WRC2カテゴリーでトップに立ち、2位のライバルに対して27.7秒のリードを築いています。また、パヤリは総合でも5位につけています。

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
予想通り、今日もまた波乱の一日となりました。昨日のデイ1を経て、今日は我々にとって期待を持てる一日でした。セブが総合3位につけているので、少なくともいくらかポイントを獲得できるはずです。残念ながら、エルフィンは一日の終盤に低い速度で横転してしまいましたが、それほど大きな影響はなく、明日までにクルマを完全に修理できるだろうと期待しています。明日は、スーパーサンデーの勝利とパワーステージの戦いに期待が持てそうですし、それと同時に総合順位を巡る戦いもまだ終わったわけではありません。多くのドライバーが追加ポイントを狙って戦うと思いますが、リスクレベルは非常に高いので、荒れたコンディションの中でハードにプッシュしながらも、限界を超えないようにしなければならないなど、彼らにとっては難しいチャレンジとなるでしょう。

<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
昨日の困難な状況の後、限界までプッシュするのは簡単ではありませんでした。それでも、このようなコンディションでクルマのセットアップをいくつか試すという意味ではいい機会でしたし、少なくとも答えをいくつか見つけることはできました。しかし、午後最後のグラベルステージのタイトなヘアピンコーナーで、轍にはまってしまいました。クルマはゆっくりと横転したのですが、ダメージを負ったのは明らかでした。何とか修理して走り続けようと試みましたが、明日に向けて全てを万全に整えることが重要だとチームが判断したため、デイリタイアすることを決めました。

<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)>>
今日は良い一日だったと思います。これ以上、自分たちにできることはありませんでした。難しい一日になることは分かっていたので、トラブルなく過ごせたことを喜ぶべきでしょう。タイム差がかなり大きかったので、自分たちのことに集中し、仕事をこなすことに専念しました。この週末は誰にとっても難しく、あともう一日あるので、戦いはまだ終わってはいません。明日は両選手権にとって非常に重要な一日になりますが、2回走る方のステージは、レッキを行なった時に最も荒れているように見えたので、何かが起こるかもしれません。

<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)>>
今日、再び走ることができて嬉しかったですし、クルマを直してくれたチームに感謝します。今日は信じられないくらい暑い一日で、しかも路面には予想していた以上のルースグラベルがありました。そのため、他のドライバーとペースを比較することは難しく、自分がすべき仕事をして、自分にできることに集中しようとしました。明日に向けては良いフィーリングを得ることに努め、ベストを尽くして戦います。明日のステージも非常に荒れていますが、頑張って走ります。

<<アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ2の結果>>
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 3h01m05.3s
2 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +53.7s
3 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m20.9s
4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +3m19.2s
5 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (トヨタ GR Yaris Rally2) +5m06.1s
6 ロバート・ヴィルベス/アレクス・レスク (シュコダ Fabia RS Rally2) +5m33.8s
7 ヨアン・ロッセル/フローリアン・バラール (シトロエン C3 Rally2) +6m00.3s
8 カイエタン・カイエタノビッチ/マチェイ・シュチェパニャク (シュコダ Fabia RS Rally2) +6m58.1s
9 ゲオルク・リンナマエ/ジェームズ・モルガン (トヨタ GR Yaris Rally2) +8m33.9s
10 ファブリツィオ・ザルディヴァー/マルセロ・デル・オハネシアン (シュコダ Fabia RS Rally2) +9m23.2s
25 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +24m45.8s
40 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +40m59.0s
(現地時間9月8日00時20分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<明日のステージ情報>>
ラリー最終日のデイ3は、サービスパークの南側のエリアで3本のステージを走行。そのうち、SS14のステージを、ラミアでの15分間のサービスを挟んで再走する最終のSS15は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。3本のステージの合計距離は54.05km、リエゾンも含めた総走行距離は208.96kmが予定されています。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
セバスチャン・オジエ
セバスチャン・オジエ
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)

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