10月18日(金)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦「セントラル・ヨーロピアン・ラリー」の競技2日目デイ2が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合4位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合5位に、サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン組(5号車)が総合6位につけました。
セントラル・ヨーロピアン・ラリーのデイ2は、前日2本のステージが行なわれたチェコを起点に、チェコ国内で6本合計110.64kmのステージを走行。そのうちSS3とSS6は、デイ1のSS2「クラトヴィー」のリピートステージでした。デイ2は一日の最後に設けられたドイツでのサービス以外にフルサービスの設定がなく、限られた機材と人員による朝昼2回のリモートサービスのみで一日を走行。ステージは早朝気温がかなり下がり、霧や朝露により路面の一部は湿った状態に。その後、断続的な降雨もあり、一日を通して濡れた路面と乾いた路面が混在する、非常にトリッキーなコンディションでの戦いになりました。
デイ1で首位に立ったオジエは、オープニングのSS3でベストタイムを記録。デイ1総合4位の勝田が2番手タイムで続き、総合2位ティエリー・ヌービル(ヒョンデ)に0.3秒差と迫りました。続くSS4では、湿った区間も多いトリッキーな路面でエバンスがベストタイムを刻み、勝田を抜き総合3位にポジションを上げました。SS5はコーナーのインカット区間が多かったこともあり、グラベルが掻き出されて路面に散乱。また大量の落ち葉も広がるなど、出走順が遅くなればなるほど汚れた路面を走行することに。その結果、このステージに出走順3番手で臨んだオジエは3番手タイムとなり、総合2位に後退。また、出走順4番手のエバンスは総合4位に、出走順6番手の勝田は総合5位に順位を下げました。
クラトヴィーのステージ3回目の走行となったSS6では、勝田が今大会初のベストタイムを記録。一日の最後のSS8ではオジエがベストタイムを刻みましたが上位の順位は変わらず、オジエは首位ヌービルと6.4秒差の総合2位でデイ2を終えました。また、エバンスはSS7で2番手タイムを記録するも午後は全体的にペースが上がらず、首位と15.1秒差の総合4位に。勝田は遅めの出走順だったこともあり、コンディションが悪化したステージでは確実性を最優先して走行。エバンスと23.5秒差の総合5位でデイ2を終えました。
今回がGR YARIS Rally1 HYBRIDでのターマックラリー初戦となるパヤリは、SS3の途中までベストタイムのオジエに迫るペースで走行。しかし、その後ハイブリッドブーストを失い、不利な状況で一日を戦うことになりました。それでも非常にクレバーかつ安定した走りでステージを重ね、総合6位でデイ2を走破。難易度の高いチェコの舗装路で貴重な経験を積みました。
<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
全体的には満足できる一日でした。金曜日の戦いに勝つことはできませんでしたが、ポイントを獲得できる土曜日と日曜日に、優勝や上位入賞を狙える位置につけている必要があります。セブがトップと7秒差以内にいるのは良いことですし、エルフィンも最後のステージ前まではいいドライビングを続け好調だったので、少しばかり慎重になり過ぎただけだと思います。貴元はいいパフォーマンスを発揮しながらも、うまくマネージメントできていますし、ここでの我々の期待通りの走りをしています。最後に、サミは一日のほとんどをハイブリッドなしで走らなければなりませんでした。それでも、リスクを冒していなかったにもかかわらず、良いスプリットタイムで走れていました。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
概ねまずまずの一日でした。ステージによって非常に良いところもあれば、そこそこなところもあるなど、少々アップダウンがありました。今朝はグリップが変わりやすく、2本の長いステージは路面がかなり湿っていて、他のクルマが走ったことで少し汚れていた区間もありました。午後のリモートサービス後のステージは非常にうまく行きましたが、最後のステージでは、特に路面が汚れたセクションでかなりタイムを失ってしまったようなので、少し不満が残ります。明日は路面が少しクリーンになり、ステージの特徴も少し変わるので、それに適応することに集中するつもりです。
<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)>>
フルデイ初日の今日は、我々にとってポジティブな一日だったと思います。スタート順が早くないとコンディションが難しくなることは分かっていましたが、主催者はインカットを防止するためのデバイスを設置するなどいい仕事をしてくれました。おかげで、ここまでトップのクルマ同士でいい戦いができています。朝は2回ほどオーバーシュートしてしまい、数秒を失いました。SS5では路面にダートが多く出ていて、落ち葉もたくさんあったのでタイムロスを覚悟していました。午後はSS7の終盤で数秒を失いフラストレーションが溜まりましたが、最後のステージではリスクを冒して走り、トップに近い位置を維持することができました。優勝争いに残っていますので、明日も全力を尽くします。
<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)>>
全体的にはとても上手くいった一日でした。難しいコンディションのステージもありましたが、クルマの調子は良く、自信を持って走ることができました。コンディションが安定しているときはプッシュし、そうでないときは少しペースを抑えるなど、ラリー前に立てたプラン通りに走ることに専念しました。もちろん、その分タイムをロスすることにはなりましたが、なかなかクレバーな走りができたのではないかと思います。あとは、このポジションをラリーの最後までキープするだけです。明日はもっとクリーンな道を走れることを期待していますが、それでも依然トリッキーであることはまず間違いないので、とにかく集中してベストを尽くすだけです。
<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 HYBRID 5号車)>>
今日は予想していた以上に楽しむことができました。朝、最初のステージでハイブリッドブーストを失ってしまったのは少し残念でしたが、今週末は結果には重点を置いていないので、結果というよりも、他のドライバーと自分のタイムを比較して自分の位置を知ることができなかったことを残念に思います。それでもクルマのフィーリングはとても良かったですし、クリーンに走ることができました。明日は出走順が良くなり、ステージももっとクリーンになるはずなので楽しみです。良い流れに乗り、ステージを楽しみたいと思います。
<<セントラル・ヨーロピアン・ラリー デイ2の結果>>
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 1h04m40.0s
2 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +6.4s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +7.8s
4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +15.1s
5 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +38.6s
6 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m28.2s
7 アドリアン・フォルモ−/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +1m33.4s
8 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +2m27.4s
9 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シトロエン C3 Rally2) +3m53.3s
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +3m56.4s
(現地時間10月18日19時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
競技3日目となる10月19日(土)のデイ3は、戦いの舞台がドイツおよびオーストリアに移動。ドイツ南東部、バイエルン州カルプフハムのサービスパークを中心に3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。ステージは前日までのチェコよりも流れるようなコーナーが多く、路面も全体的にクリーンです。また、新ステージのSS10/13「ビヨンド・ボーダーズ」は、ステージ名が示すようにドイツをスタートして、オーストリアでフィニッシュする国境を越えるステージです。6本のステージの合計距離は、123.46kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は509.94kmとなります。
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