TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、9月11日(木)14日(日)にかけて、南米チリ中南部のビオビオ州で開催される、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦「ラリー・チリ・ビオビオ」に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)に、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)を加えた、合計5台のGR YARIS Rally1で参戦。今シーズン10勝目と選手権のリード拡大を目指します。

WRC初開催となった第10戦「ラリー・デル・パラグアイ」では、オジエが今シーズン4勝目を獲得し、総合2位でフィニッシュしたエバンスがドライバー選手権首位の座を守りました。その結果、TGR-WRTはマニュファクチャラー選手権におけるリードを100ポイント差に拡大することに成功しました。それから約1週間のインターバルを経て、戦いの舞台は同じ南米ながら、太平洋に面したチリへと移動。ビオビオ州の州都「コンセプシオン」を中心に行われるラリー・チリ・ビオビオは、今年で4回目のWRC開催となります。
チリは、パラグアイに続きグラベル(未舗装路)ラリーとなり、パラグアイでドライバー選手権首位の座を守ったエバンスは、再び金曜日のステージに出走順トップで臨みます。そのため、ドライコンディションとなった場合、エバンスにとっては不利な路面コンディションとなり得ますが、同様の条件だったにも関わらずエバンスはパラグアイで速さを示し、ドライバー選手権2位ロバンペラとのポイント差を7に拡げました。昨年、このラリーで表彰台の最上段に立ったロバンペラと、ドライバー選手権3位のオジエの差は僅か2ポイント。ドライバーズタイトルを争うTGR-WRTの3人のドライバーには、マニュファクチャラーズポイントの獲得も期待されています。なお、オジエは今回のチリで通算200回目となるWRC出場を祝うことになります。昨年このラリーを欠場した勝田は、パラグアイに続き4台目のGR YARIS Rally1をドライブ。一方、昨年のチリでキャリア2回目となるRally1カーによる出場を果たしたパヤリは、TGR-WRT2からのエントリーとなります。
パラグアイとチリは、レギュレーションにより「リンクド・ラリー」として定義され、ギヤボックスやディファレンシャルなどのトランスミッションパーツは、封印された状態で両大会で使われなくてはなりません。パラグアイを戦い抜いた5台のGR YARIS Rally1は、エンカルナシオンのサービスで月曜日から3日間にわたりリビルドおよび整備作業を行った後、約2500km離れた、次なる戦いの地であるコンセプシオンに陸送されました。
2025年のラリー・チリは、過去3大会と変わらずコンセプシオンにサービスパークが置かれます。コースは森林地帯の中高速ステージが大部分を占め、北ヨーロッパのグラベルラリーのようなフラットな路面と流れるようなコーナーが連続します。しかし、一部にはテクニカルなセクションや荒れた路面もあるため、幅の広いセッティングとドライビングが求められます。
ラリーのルートは昨年大会と変わらず、まず11日(木)の午前中にシェイクダウンが、夜7時からコンセプシオンでセレモニアルスタートが行われます。競技は12日(金)の朝からスタートし、デイ1としてサービスパークの南東エリアで3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行します。13日(土)のデイ2と14日(日)のデイ3は、サービスパークの南、ビオビオ川の西側エリアが戦いの舞台に。デイ2は、3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その合計距離は139.20kmと、3日間で最長の一日となります。ラリー最終日のデイ3は、一日を通してサービスが設定されず、2本のステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は54.80kmと短く、最終のSS16「ビオビオ2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。16本のステージの合計距離は306.76km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1239.07kmとなります。
なお、サポート選手権であるWRC2には、パラグアイで今シーズン4勝目を飾ったオリバー・ソルベルグ(スウェーデン/プリントスポーツ)が引き続きGR Yaris Rally2で出場。チリで5勝目を飾った場合、タイトルが決定する可能性もあります。ソルベルグ以外にもヤン・ソランス(スペイン/テオ・マルティン・モータースポーツ)、ディエゴ・ドミンゲス(パラグアイ/テオ・マルティン・モータースポーツ)、カイエタン・カイエタノヴィッチ(ポーランド/ラリーラブ・テクノロジー)、マルコ・ブラチア(ボリビア/デルタ・ラリー)、TOYOTA GAZOO Racingパラグアイのアレハンドロ・ガランティ(パラグアイ)と、計6台のGR Yaris Rally2がチリに挑みます。
ユハ・カンクネン (チーム代表代行)
パラグアイは簡単ではないラリーでしたが、最終的なリザルトはチームにとって非常に良いものになりました。マニュファクチャラー選手権で100ポイントのリードを築くことができたのは素晴らしいことですが、これはラリーという戦いですし、まだ4戦残っているので、何も決まってはいません。ドライバー選手権も非常に接戦であり、我々チームとしては3人のチャンピオン候補者全員に最高のチャンスを与えたいと思っています。ラリー・チリは皆にとってはるかに馴染み深く、ルートは昨年と全く同じなので、どのようなラリーになるのかは予想がつきます。ドライバーたちはチリの道を楽しみにしていますし、昨年は我々にとって良いラリーになったので、今回もその再現を願っています。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
タフなラリーとなったパラグアイの最終日、私たちはいくつか改善点を見いだし、最終的なリザルトも悪くありませんでした。その結果、私たちは選手権のリードを守り、チリでも再び出走順トップでグラベルの道を走ることになります。もし路面がドライならば、金曜日は例年通り難しい一日になりますが、雨が降るとウェールズのように泥で滑りやすい路面となり、その場合先頭スタートはそれほど悪くはないので、すべては天候次第です。いずれにせよ、チリの道は本当に楽しめるものです。金曜は多くのクレスト(丘越え)がある、フィンランドにも似たテクニカルなステージです。一方、他のステージはより道幅が広く見通しも良いので、とても楽しみです。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
パラグアイでは期待していたような結果を残すことができませんでしたが、日曜日には多くのポイントを獲得しましたし、ドライバー選手権は依然かなりの接戦状態です。パラグアイとは違い、チリがどのようなラリーなのかは知っています。フィンランドのように高速で流れるような道が続きますが、路面はよりベースが硬く、かなり違います。昨年は金曜日のステージをあまり快適に走ることができませんでしたが、その後雨と霧によってコンディションが変わると良い戦いができるようになり、勝利を手にすることができました。今年も全力を尽くし、多くのポイントを獲得したいと思っています。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 17号車)
パラグアイで優勝し、表彰台の頂点に立てたのは素晴らしいことだったので、チリでも良い流れを保ちたいと思います。今年はここまでのところ表彰台を逃していないので、この状態を維持しチャンピオンシップ争いを続けることが目標です。昨年は私にとって2019年大会以来のチリ復帰戦となり、かなりの速さがありながらも、週末を通してクリーンな走りを続けることができず、結果に結びつきませんでした。ですので、今年は必ずその点を修正したいと考えています。チリの道は走っていて楽しく、南米では常にそうであるように、ラリーの雰囲気も素晴らしいので、楽しみです。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
パラグアイは結果こそ望んでいたものではありませんでしたが、本当に楽しいラリーでした。そして今は、チリに戻ることが本当に楽しみです。昨年は出場しなかったので、初めて走るステージも何本かありますが、過去の映像を見てできる限りの準備を進めています。チリの路面はパラグアイとは異なるため、パラグアイでの経験をどれだけ活かせるかは未知数です。しかしステージはとても素晴らしいですし、自分たちが良いパフォーマンスを発揮できると確信しています。

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
ラリー・チリが楽しみです。ラリー・フィンランド同様、昨年既にRally1カーで参戦したイベントの一つですし、とても楽しむことができました。初日はトップに近い位置につけていましたが、その後はコンディションがトリッキーになったので、学ぶことが主眼となりました。チリは運転を楽しめる道が多く、場所によってはフィンランドに似ています。ここ数戦、クルマから得られているフィーリングとパフォーマンスは非常に良いので、チリでもそれを継続することが自分たちのプランです。

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