11月7日(金)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦「ラリージャパン」の競技2日目デイ2が、愛知県豊田市の豊田スタジアムを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 17号車)が首位に立ち、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車) は総合3位に、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)は総合5位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は総合17位につけました。
前日、愛知県豊田市鞍ケ池公園でのスーパーSSでスタートしたラリージャパンは、7日(金)の朝から山岳地帯での本格的な戦いがスタート。デイ2として愛知県内で「イナブ/シタラ」、「シンシロ」、「イセガミズ・トンネル」という3本のステージを各2回走行し、その合計距離は108.30kmでした。デイ2は朝から青空が広がり、路面は全体的にはドライコンディション。しかし、森の中のセクションでは路面がかなり湿っている場所もありました。
デイ1で総合4位につけたオジエは、デイ2オープニングのSS2「イナブ/シタラ1」でベストタイムを記録し、一気に首位に立ちました。続くSS3「シンシロ1」では、前ステージで2番手タイムを刻み総合2位に順位をあげていた勝田がベストタイムをマーク。オジエに0.5秒差をつけて首位に立ちました。そして、午前中最後のSS4「イセガミズ・トンネル1」ではエバンスがベストタイム、オジエが2番手タイム、勝田が3番手タイム。その結果オジエは首位に復帰し、1秒差でエバンスが総合2位に。勝田はエバンスと0.7秒差の総合3位に後退しました。
豊田スタジアムでのミッドデイサービスを挟んで始まった午後の再走ステージでは、SS5「イセガミズ・トンネル2」、SS6「イナブ/シタラ2」と、2ステージ連続でオジエがベストタイムを記録。SS5で2番手タイム刻み総合2位に順位を上げた勝田に対し、8.1秒のリードを築きました。そして、一日の最後のSS7「シンシロ2」ではエバンスがベストタイムを刻むもトップ3の順位は変わらず。このステージ4番手タイムのオジエが、総合2位勝田に7.9秒、総合3位エバンスに10.2秒の差をつけてフルデイ初日を締めくくりました。また、ラリージャパンをRally1車両で走行するのは今回が初となるパヤリは、4〜5番手の安定したタイムを刻み続け、SS6では勝田と3番手タイムをシェア。総合4位のアドリアン・フォルモー(ヒョンデ)と0.3秒差の、総合5位につけています。
一方、デイ1で首位に立ったロバンペラは、SS2で5番手タイムとなり総合5位に後退。挽回を期して続くSS3に臨みましたが、コーナーで走行ラインがワイドに脹らみガードレールに接触。左リヤサスペンションにダメージを負ってしまいました。ロバンペラは何とかステージを走り切った後、リエゾン区間で応急処置を行い続くSS3も走行。その後ミッドデイサービスにクルマを運びましたが、その時点で5分以上の大きな遅れを喫してしまいました。午後はサービスで修理されたクルマで走行するも、タイトルを競うひとりである首位オジエとのタイム差はさらに広がり、総合17位で一日を終えました。
なお、GR Yaris Rally2で出場の、2025年WRC2王者オリバー・ソルベルグ(スウェーデン/プリントスポーツ)は、Rally2クラストップ、総合でも9位につけています。また、同じくGR Yaris Rally2で出場のアレハンドロ・カチョン(スペイン/トヨタ・スペイン テオ・マルティン・モータースポーツ)はソルベルグに次ぐRally2クラス2番手につけ、サポート選手権のWRC2では2位に12.1秒差をつけて首位に立っています。
<<ユハ・カンクネン (チーム代表代行)>>
今日は我々のほとんどのドライバーにとって非常に良い一日となり、上位3台によるエキサイティングな接戦が繰り広げられました。残念ながらカッレは、今朝僅かにラインがワイドに脹らんだことにより上位争いから脱落してしまいました。このラリーではほんの少しのミスがトラブルを招くのです。現時点で彼にとって最大のチャンスは、日曜日にポイントを獲得して最終戦まで戦いを続けることになるでしょう。貴元はとてもいいラリーを戦っており、母国ラリーでの優勝を目指していますし、セブとエルフィンはチャンピオンシップを争っているため、彼らはかなりのハイペースです。サミもここまでのところ素晴らしい走りを見せており、トップ3からそれほど離れていません。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
今朝はまずまずのスタートでした。予想通りコンディションは変わりやすく、接戦状態が続きましたがフィーリングは良好でした。しかし午後のループは、特にオープニングステージで、いくつかのセクションで少しタイムを失ってしまったようで、私たちにとってはあまり良い午後ではありませんでした。それ以外は、それほど大きく遅れをとっていませんでしたが、今夜の結果は完全に満足できるものではありません。とはいえラリーはまだまだ先が長いので、あらゆることを試し続けます。
<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)>>
今朝の最初のステージはツイスティな道だったため、ある程度予想していたように、あまり良いフィーリングが得られませんでした。しかし、次のステージではかなり良いフィーリングを掴み始めていました。残念ながらあるコーナーでペースノートが楽観的すぎたのか、進入速度を少し上げすぎてしまい、外側のガードレールに接触してサスペンションを破損してしまいました。サービスパークに戻るために応急処置を施し、その後チームは適切に修理をしてくれました。午後はいくつかセットアップを試したところ、フィーリングは良くなっていったので、明日もプッシュし続けどれだけ挽回できるか見ていくつもりです。
<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 17号車)>>
今夜の結果には満足していますし、我々にとって良い一日でした。午前中はまずまずのリズムを保つことができていましたが、上位のドライバー間で差はほとんどありませんでした。午後は再走ステージに向けてペースノートとグリップコンディションへの確信が深まり、さらにプッシュすることができました。それほど大きなタイム差ではありませんが、この順位にいる方が常に有利なので、この小さな差を築けたのは良かったです。まだ長い道のりが残っていますが、ここまでのところ、望んでいたようなラリーのスタートを切ることができました。
<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
金曜日が終わった時点で総合2位につけているのは良いことです。ただし、フィーリング的には少し波があり、いくつかのステージではクルマにかなり満足できていましたが、いくつかの理由により苦戦したステージもあったので、今夜チームとその原因を見つけるつもりです。また、イセガミズ・トンネルの2回目の走行では、トリッキーな区間であまりリスクを取らなかったのですが、セブはそこで良いタイムを出しました。とはいえ週末はまだ長いので、できる限りプッシュし続け、明日何ができるか様子を見たいと思います。
<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
全体的にはとても良い一日だったと思います。このラリーをRally1車両で走るのは今回が初めてで、チームメイトのペースは非常に速かったですが、自分たちもそれほど離されていませんし、特に何本かのステージタイムは彼らにかなり近づくことができました。もちろん、ややタイムロスが大きすぎたセクションもありましたが、フィーリングは悪くなかったので、明日はそのエリアに関して改善を図りたいと思います。
<<ラリージャパン デイ2の結果>>
1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) 1h11m48.2s
2 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +7.9s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +10.2s
4 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +24.0s
5 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +24.3s
6 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m12.3s
7 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m33.5s
8 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1) +2m35.9s
9 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR Yaris Rally2) +3m22.3s
10 アレハンドロ・カチョン/ボルハ・ロサダ (トヨタ GR Yaris Rally2) +3m45.5s
17 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) 5m42.2s
(現地時間11月7日19時20分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
競技3日目となる8日(土)のデイ3は、愛知県と岐阜県が戦いの舞台に。午前中は、今年新たに豊田市の小原エリアに設けられたSS8「オバラ1」(愛知県)、SS9「エナ1」(岐阜県)、昨年初めて笠置山の周辺に設けられたSS10「マウント・カサギ1」(岐阜県)の3ステージを走ります。その後、岐阜県中津川市の恵那峡ワンダーランドでのTFZ(タイヤフィッティングゾーン)で、簡易的なサービスが行われます。午後はSS11「マウント・カサギ2」、SS12「エナ2」、SS13「オバラ2」という順で3本のステージを再走します。さらに、昨年まで行われていた豊田スタジアム内でのスーパーSSに替わり、新たに豊田スタジアムのすぐ横を流れる矢作川の周辺に設けられた、全長3.05kmのSS14「トヨタ・シティSSS」を走行。一日の最後には豊田スタジアムで45分間のフルサービスが行われます。7本のステージの合計距離は121.91kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は319.92kmとなります。
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