WRC 第3戦 サファリ・ラリー・ケニア デイ3 鋭い牙を剥いたアフリカの大地で多くのドライバーが脱落する中、
勝田が首位に立ち、パヤリは総合3位に順位を上げる

2026.3.15(日)- 05:00配信

3月14日(土)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦「サファリ・ラリー・ケニア」の競技3日目デイ3が、ケニアのナイバシャを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(GR YARIS Rally1 18号車)が首位に立ち、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)が総合3位に順位を上げました。なお、首位争いをしていたオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)はデイリタイアとなりました。

18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)

サファリ・ラリーのデイ3は、エレメンタイタ湖の周辺で「ソイサンブ」「エレメンタイタ」「スリーピング・ウォリアー」という3ステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行する合計6本、122.72kmの競技区間が予定されていました。しかし、路面コンディションの悪化による安全上の理由から、スリーピング・ウォリアーの2本目はキャンセルされ、当初の予定よりも短い距離での戦いになりました。デイ3は朝から比較的天気が良く、路面は概ねドライコンディションながら、泥に覆われた非常に滑りやすい区間も少なくなく、大きな石や岩が転がっている非常に荒れた路面も多くありました。

デイ2でも首位の座を守ったソルベルグを、1秒差で追う形でステージをスタートした総合2位オジエは、オープニングのSS11ソイサンブ1でタイヤにダメージを負い、交換作業のためストップ。約2分を失い総合5位へと後退しました。その結果、総合3位につけていたエバンスが2番手タイムで総合2位に順位を上げ、ベストタイムを記録した首位ソルベルグを、23.6秒差で追う展開となりました。また、前日のダブルパンクチャーもあって総合7位につけていた勝田は、総合6位に順位を上げました。続くSS12エレメンタイタ1では、ソルベルグがタイヤの空気を失いながらも、同じ問題を抱えたエバンスと22.6秒差で首位を堅持。ベストタイムを記録したオジエは総合3位に順位を上げました。一方、総合3位につけていたパヤリはタイヤに大きなダメージを負い、5分以上を失い総合8位へと後退。勝田は5番手タイムでステージをフィニッシュし、総合5位に順位を上げました。午前中最後のSS13スリーピング・ウォリアー1でもソルベルグは首位を守りましたが、エバンスは右リヤのサスペンションを破損してストップ。2024年のアクロポリス・ラリー・ギリシャ以来となるデイリタイアを喫しました。その結果、ベストタイムを記録したオジエが総合2位に順位を上げ、首位ソルベルグとの差は42.6秒に。3番手タイムの勝田が総合3位にポジションを上げ、TGR-WRTは1-2-3体制で午前の3ステージを走り切りました。

ところが、SS13を走り終えサービスに戻ろうとしていたソルベルグとオジエが、共にリエゾン(移動区間=ロードセクション)でストップ。ステージ上の粘り気の強い泥が多くのRally1車両に技術的な問題をもたらすことになり、ソルベルグとオジエの2台もオルタネーター内に泥が入り込み、その結果バッテリーへの充電が止まってしまいました。さらに、ソルベルグ車はトランスミッションにもダメージを抱えていました。チームはデイリタイアした3台をサービスで修理し、明日日曜日のデイ4に再出走させる予定です。

チームメイト二人が後退した結果、勝田が首位に立ち、パヤリもポジションアップ。ナイバシャでのミッドデイサービスを経て始まった午後のループ1本目、SS14ソイサンブ2で勝田は2番手タイムを記録。ベストタイムで総合2位に順位を上げたアドリアン・フォルモー(ヒョンデ)との差は1分7.5秒となりました。また、パヤリはライバルがタイヤのダメージで後退したことにより、総合4位に。パヤリは続くSS15エレメンタイタ2でベストタイムを記録し、総合3位に順位を上げました。勝田は2番手タイムとなり、総合2位フォルモーとの差を1分25.5秒に拡大。最終のSS16スリーピング・ウォリアー2がキャンセルされたことで、勝田は大きなリードを保ち、首位で波乱のデイ3を走破しました。

<<ユハ・カンクネン (チーム代表代行)>>
今朝は信じられないほど波乱に満ちた展開でしたが、残念ながら我々にとっては良いことではありませんでした。ループの最後のステージは非常にぬかるんでおり、その泥がオリバーとセブのクルマのオルタネーター内に入り込んでしまったようです。また、そのステージではエルフィンもリタイアとなってしまいました。泥の中にあった岩が見えず、リヤを破損してしまったのです。しかし、ここはサファリ・ラリーですから、このようなことは起こり得ます。私は何度もここに来ているので、このような事態には驚きません。今年のコンディションは非常に厳しく、現代のサファリ史上最も過酷なものとなっています。クルマは大きな負荷に耐えられるよう作られていますが、泥はあらゆる場所に付着し、最もシンプルな部品にまで影響を及ぼすので厄介ですし、ライバルたちも同じように苦しんでいる様子を目にしました。クルマを修理して、明日は3台とも素晴らしいスピードを発揮してくれるはずです。一方、貴元は今日本当に良い走りを見せてくれました。彼は過去にここで3回表彰台に立っているので、自分が何をすべきか分かっています。また、サミが今夜ポディウム圏内に戻ってきたのも喜ばしいことです。好調な走りを見せていたにも関わらず、今朝は不運にも多くのタイムを失ってしまっていたからです。

<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
朝は良いスタートを切り、2本目のステージも順調に進んでいたのですが、残念ながらステージ終盤のレイアウトに翻弄され、岩に当たってダブルパンクチャーを喫してしまいました。その衝撃でさらにダメージが広がったようで、次のステージの最初のブレーキングポイントでリヤの何かが破損し、残念ながらラリーを続けることができなくなってしまいました。これまで長い間リタイアすることなくイベントを戦ってきただけに、もちろん非常にがっかりしていますが、こういうこともありますし、前を向いて進むしかありません。明日は再びラリーに復帰し、ポイント獲得を目指して戦いたいと思います。

<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)>>
波乱万丈の午前中でしたが、ループの最後のステージを良いタイムで走り切り、2位に順位を戻すことができました。残念ながら泥のせいでオルタネーターが破損したようで、ロードセクションであらゆる手を尽くしたのですが、サービスに戻る前にバッテリーが切れてしまいました。ここ数年で最も過酷なサファリ・ラリーでした。私たちのチームは最強のクルマを擁していることで知られていますが、今日の結果が、今年のラリーがいかに過酷であるかを如実に物語っています。明日は私たちを含む多くのドライバーがスーパーサンデーとパワーステージのポイント獲得を目指して争うことになるので、頑張りたいと思います。

<<オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)>>
朝は本当に良いスタートを切ることができました。クリーンな走りを心がけつつも、スピードを維持することができていました。クルマのフィーリングも良くリードを広げることができましたが、泥だらけの3本目のステージを走り終えた後、トラブルが発生しロードセクションでストップせざるを得ませんでした。自分たちのチームのクルマは最強かつ最も信頼性が高いことで知られていますが、残念ながら今日はたまたまトラブルに見舞われる日になってしまいました。ラリーをリードしていながらも、サービスに戻るロードセクションでクルマがストップしてしまうのは本当に辛いことですが、明日は全力で巻き返します。

<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
今日が非常に過酷で、波乱に満ちた展開になるであろうことは誰もが分かっていました。もちろん、チームメイトたちにこのような困難が降りかかることを望んでいたわけではありません。午前中はトラブルを避けるという自分の戦略に従い、午後は状況を上手くコントロールし、全ての岩を避けることに全力を注ぎました。ある意味コンマ1秒を争う方が楽な面もありますし、生き残ることが最優先で、あまり楽しいとは思えない状況でしたが、それでもタイムはまずまずでした。明日も長い一日が待っています。集中力を保ち、クルマをフィニッシュまで運ぶために全力を尽くします。

<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
ファンの皆さんにとっては、何が起こるか全く予想がつかないエキサイティングな一日だったと思います。今朝トラブルに見舞われたのは私たちだけではありませんでしたし、ダメージを抱えながらもサービスに戻れたのは幸運だったと思います。幸いにもチームがクルマを修理してくれたので、午後は順位を上げてステージ優勝も果たすなど、自分たちにとっては非常にポジティブな展開になりました。今日リタイアしたドライバーたちは、明日何も失うものがないような状況ですが、自分としてはクリーンに一日を過ごし、完走さえできれば十分です。

<<サファリ・ラリー・ケニア デイ3の結果>>
1 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) 2h41m00.2s
2 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m25.5s
3 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +5m29.1s
4 エサペッカ・ラッピ/エンニ・マルコネン (ヒョンデ i20 N Rally1) +6m18.5s
5 ロバート・ヴィルヴェス/ヤッコ・ヴィッロ (シュコダ Fabia RS Rally2) +9m42.1s
6 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (トヨタ GR Yaris Rally2) +10m37.4s
7 ファブリツィオ・ザルディヴァー/マルセロ・デル・オハネシアン (シュコダ Fabia RS Rally2) +10m43.8s
8 アンドレアス・ミケルセン/ヨルン・リストゥルード (シュコダ Fabia RS Rally2) +11m24.4s
9 ディエゴ・ドミンゲス/ロヘリオ・ペナーテ (トヨタ GR Yaris Rally2) +11m57.8s
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) +18m21.0s
11 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) +19m03.6s
13 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +27m39.9s
(現地時間3月14日20時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<明日のステージ情報>>
競技最終日となる3月15日(日)のデイ4は、ナイバシャ湖の南側エリアで「オセレンゴニ」と「ヘルズゲート」という2本の定番ステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。最終ステージとなるヘルズゲートの2本目、SS20はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のステージの合計距離は57.40km、リエゾンも含めた総走行距離は285.45kmが予定されています。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
1号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
1号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
99号車(オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン)
99号車(オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン)
勝田 貴元
勝田 貴元
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)
5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)

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