4月26日(日)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦ラリー・イスラス・カナリアスの最終日デイ4が、スペインのカナリア諸島グラン・カナリア島で行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 1号車)が優勝。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合2位で、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)が総合3位で、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合4位でフィニッシュし、TGR-WRTはラリー・イスラス・カナリアスで2年連続となる1-2-3-4フィニッシュを達成しました。なお、総合2位につけていたオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)は、リタイアとなりました。
ラリー・イスラス・カナリアスの最終日デイ4は、島の東側エリアで2本のステージを、ミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。4本のステージの合計距離は78.4kmでした。ステージの路面は全体的にはドライコンディションでしたが、朝のステージは前日までの降雨や霧などにより、湿っていたり濡れているセクションもありました。また、最終日は早朝サービスを出発する際に選んだタイヤのみで4本のステージを走り切らなくてはならず、タイヤマネジメントも重要な要素となりました。
前日のデイ3が終了した時点で、首位オジエと総合2位ソルベルグの差は3.8秒。ソルベルグと総合3位エバンスの差は18.1秒と、トップ3は接戦状態で最終日を迎えました。デイ4オープニングのSS1ではソルベルグがベストタイムを、0.6秒差でオジエが2番手タイムを、1.3秒差でエバンスが3番手タイムを記録。オジエとソルベルグの差は3.2秒に縮まりました。続くSS16でもソルベルグはベストタイムを刻み、エバンスは0.2秒差の2番手タイム、オジエは1秒差の3番手タイム。その結果、オジエとソルベルグの差は2.2秒とさらに縮まりました。しかし、リピートステージの1本目となるSS17で、ソルベルグはクレストを飛び越えた際の着地でコーナリングラインが僅かに脹らみガードレールに接触。ドライバー、コ・ドライバーともに無事でしたが、クルマの左フロントにダメージを負いリタイアとなってしまいました。このステージではオジエがベストタイムを記録し、2番手タイムで総合2位に順位を上げたエバンスとの差は24.3秒に。図らずも大きなリードを得たオジエは最終のパワーステージ、SS18を3番手タイムで走り切り、今シーズン最初の優勝を飾りました。また、オジエはパワーステージでの3番手タイムと、日曜日のみの合計ステージタイムで争われる「スーパーサンデー」2位により、合計7ポイントのボーナスも獲得。オジエと19.9秒差の総合2位でラリーを終えたエバンスは、パワーステージ1番手タイムと、スーパーサンデー1位により、合計10ポイントのボーナスを獲得しました。その結果、エバンスはドライバー選手権で勝田を抜き首位に復帰しました。総合3位に入り、第2戦から4戦連続で表彰台を獲得したパヤリは、パワーステージ4番手タイムと、スーパーサンデー3位により、合計5ポイントのボーナスを獲得。ドライバー選手権では、ソルベルグを抜き3位に順位を上げました。パヤリと10.4秒差の総合4位でフィニッシュした勝田は、パワーステージ2番手タイム、スーパーサンデー4位によりボーナスも獲得しましたが、ドライバー選手権では2位に後退。それでも、首位エバンスと2ポイント差につけています。
ラリー・イスラス・カナリアスでのGR YARIS Rally1は、木曜日のオープニングステージから日曜日の最終ステージにかけて、キャンセルされた1本を除く全ステージでベストタイムを記録。TGR-WRTは、1戦で獲得可能な最大マニュファクチャラーズポイントである60ポイントのうち、59ポイントを獲得し、マニュファクチャラー選手権におけるリードを98ポイントに拡げました。また、チームにとっては今年ここまで5戦を戦ってきた中で3回目のポディウム独占となり、トヨタとしての通算ポディウム獲得回数は302回となりました。
サポート選手権のWRC2では、トヨタ・スペインからエントリーし、MSiレーシングチームが用意したGR Yaris Rally2で出場のアレハンドロ・カチョン(スペイン)が2位でフィニッシュ。総合でも10位に入りました。また、TGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀はコ・ドライバーのジェームス・フルトンと共に良い走りを続け、デイ3では8位に順位を上げていました。しかし、一日の最後のSS14でコーナーイン側のガードレールに接触してタイヤにダメージを負い、交換作業により2分以上を失い15位に後退。それでも、最終日はSS18で7番手タイムを記録するなど競争力を発揮し、クラス15位でラリーを走破しました。
<<豊田 章男 (TGR-WRT会長)>>
セブ、ヴァンサン、今季初勝利おめでとう!
1・2・3・4フィニッシュをしてくれたチームのみんなにも感謝します。オリバーも最終日まで、数秒差でセブを脅かす走りを見せてくれました。
クルマだけでもドライバーだけでも成し得ない“チーム全員の総合力”があってこそのラリーだったと思います。チームのみんな、ありがとう!
ベテランのセブと若手のオリバーの拮抗した優勝争いは熱いものがありました。話を聞くと、わずか数秒にオリバーが迫る中でも、セブはいつものようにオリバーにアドバイスを送ってくれていたそうです。
そうしたセブの温かい伝承が本当にチームの力に繋がっていると思います。そして、ラリーという競技自体のレベルアップや、魅力の向上にもつながっていると思います。セブ、ありがとう。
今回のセブとのトップ争いとリタイアが、オリバーの更なる成長に繋がることも期待しています。
今年に入り、オリバーが勝ち、エルフィンが勝って、貴元が2連勝、そして今回、セブが勝ってくれました。サミもWRC初勝利を目指してがんばれ!
<<ユハ・カンクネン (チーム代表代行)>>
我々にとって素晴らしいラリーとなり、最終的に非常に良い結果を残すことができました。昨年と同じように1-2-3-4フィニッシュを達成することを夢見ていましたが、実現することができました。オリバーに今日起きてしまったことは残念です。彼は素晴らしい走りを見せていましたし、セブと非常にエキサイティングなバトルを繰り広げていました。しかし、今回のように、優勝のチャンスが訪れた時には、このようなことも起こり得るのです。セブは経験豊富で、打ち負かすのは非常に難しい相手です。エルフィンとサミも表彰台に立つなど、素晴らしい仕事をしてくれました。このチームを率いることができて私は本当に光栄です。チームの雰囲気は最高ですし、全員が100%の力を出し切っているからこそ、このような結果を残すことができるのです。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
最終日はなかなか良い戦いをすることができましたし、結果的に多くのポイントを獲得できたので、堅実な週末になりました。金曜日は少し出遅れ、優勝争いから大きく後れを取ってしまいましたが、最終的にはうまく立て直すことができました。今日も私たちとセブ、オリバーの間ではかなりの接戦でした。オリバーのアクシデントは残念でしたが、セブにはおめでとうと言いたいです。この週末、彼は優勝に相応しい素晴らしい走りを見せていました。
<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)>>
まず何よりも、本当に楽しいラリーでした。チームは今回も素晴らしいクルマを用意してくれたので、運転していてとても楽しかったです。週末を通してチームメイト、特にオリバーとは本当に接戦でした。彼とエリオットは今回も力強いパフォーマンスを発揮していたので、本当に気の毒に思います。私たち自身は今週末の結果に満足していますし、誇りに思っています。またひとつ、私の戦績に新たなラリーでの勝利を加えることができて嬉しく思います。チームによって素晴らしいパフォーマンスを発揮することができたので、改めて全員の努力に敬意を表します。
<<オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)>>
今日の出来事は非常に残念でした。週末を通してセブとエルフィンと素晴らしいバトルを繰り広げてきましたし、クルマのフィーリングも良かったので、いつものリズムで走ろうとしていました。しかし残念ながら、ジャンプのある右コーナーで小さなミスをしてしまいました。1回目に走った時は雨の影響でかなり通過速度が低かったのですが、ドライコンディションとなった2回目は読みが少し甘く、ジャンプで少し遠くまで飛びすぎて、左側のガードレールに当たってしまいました。チームには申し訳ない気持ちでいっぱいです。今年はここまで大きな学びの連続でしたが、ポジティブな面を再び引き出し、次のラリーに向けて頑張りたいと思います。
<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
自分にとっては非常に厳しい金曜日からスタートした今回のラリーでしたが、土曜日にはかなり良くなり、クルマも運転しやすく感じられるようになりました。タイヤの性能を最大限引き出すことにまだ少し苦労していましたが、最終日の今日は少しドライビングスタイルを変えたところ、それが上手くいきポイントを稼ぐことができました。まだ改善すべき点は残っていますが、少なくとも正しい方向には向かっていますし、ターマックでのドライビングを改善するための良いアイデアも得られました。これは、間近に迫るラリージャパンに向けて大きな意味を持つことだと思います。
<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
表彰台に立つのはいつだってポジティブなことですが、特にキャリアのこの段階で4戦連続で表彰台に立つことができたのは、自分たちにとって素晴らしいことです。とはいえ、今週末はもう少し力を出し切れたはずだとも感じています。良いステージやセクションがあった一方で、今後に向けて改善すべき点もいくつかありました。表彰台に立てたことは嬉しいですが、常にさらなる高みを目指したいものです。それでも今回の結果と、チーム全体の素晴らしいパフォーマンスには満足しています。
<<山本雄紀 (WRCチャレンジプログラム GEN2)>>
土曜日の最後のステージで起きたことは残念でした。そこまでは順位を上げてきていましたし、接戦を楽しんでいたのですが、残念ながらタイヤがガードレールのエッジ部分に接触し、パンクをしてしまいました。そのためクルマを停めてタイヤ交換をしなくてはならず、大きくタイムを失ってしまいました。少し不運だったとは思いますが、自分のミスですし、今回の経験から学べると思っています。それ以外は良いペースを見せることができたと思いますし、改善すべき点も分かっているので、次のターマックイベントであるラリージャパンでは、もっと良い走りができると思います。
<<ラリー・イスラス・カナリアスの結果>>
1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) 2h43m18.9s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +19.9s
3 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m40.8s
4 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m51.2s
5 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +3m29.5s
6 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +3m41.0s
7 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1) +3m57.7s
8 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +5m45.4s
9 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (ランチアYpsilon Rally2 HF Integrale) +7m24.3s
10 アレハンドロ・カチョン/ボルハ・ロサダ (トヨタ GR Yaris Rally2) +7m49.4s
R オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1)
(現地時間4月26日14時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<WRC2クラスの結果>>
1 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (ランチアYpsilon Rally2 HF Integrale) 2h50m43.2s
2 アレハンドロ・カチョン/ボルハ・ロサダ (トヨタ GR Yaris Rally2) +25.1s
3 エリック・カミリ/ティボー・デ・ラ・エ (シュコダ Fabia RS Rally2) +51.2s
4 ロベルト・ダプラ/ルカ・ググリエルメッティ (シュコダ Fabia RS Rally2) +1m00.6s
5 レオ・ロッセル/ギヨーム・メルコレ (シトロエン C3 Rally2) +1m02.3s
6 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (ランチアYpsilon Rally2 HF Integrale) +1m09.5s
15 山本 雄紀/ジェームス・フルトン (トヨタ GR Yaris Rally2) +4m41.3s
<<第5戦終了時点でのドライバー選手権順位>>
1 エルフィン・エバンス 101ポイント
2 勝田 貴元 99ポイント
3 サミ・パヤリ 72ポイント
4 オリバー・ソルベルグ 68ポイント
5 アドリアン・フォルモー 59ポイント
6 セバスチャン・オジエ 58ポイント
7 ティエリー・ヌービル 35ポイント
8 エサペッカ・ラッピ 21ポイント
9 ヨアン・ロッセル 20ポイント
10 レオ・ロッセル 18ポイント
<<第5戦終了時点でのマニュファクチャラー選手権順位>>
1 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team 265ポイント
2 Hyundai Shell Mobis World Rally Team 167ポイント
3 TOYOTA GAZOO Racing WRT2 75ポイント
4 M-Sport Ford World Rally Team 63ポイント
<<次回のイベント情報>>
WRC次戦は、5月7日(木)から10日(日)にかけて、ポルトガル北部のポルト近郊、マトジニョスを中心に開催される第6戦「ラリー・ポルトガル」です。今シーズンもまた、ラリー・ポルトガルはヨーロッパ大陸で行われる最初のグラベル(未舗装路)イベントとなります。ポルトガルのステージは全体的に滑りやすい砂利や砂(ルースグラベル)に覆われている路面が多いため、ステージを1回目に走行する際は、出走順が早いドライバーはルースグラベルを掃き飛ばす作業を強いられ、タイムを失いやすくなります。また、2回目の再走時はルースグラベルが掃けて下から硬い岩盤や石が現れるなど、路面コンディションの変化が大きなラリーとしても知られています。
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