WRC 第6戦 ラリー・ポルトガル デイ4 大波乱の最終日、ソルベルグが総合2位で表彰台を獲得
エバンスは総合3位、勝田は総合5位でフィニッシュ

2026.05.11(月)- 04:00配信

5月10日(日)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦ラリー・ポルトガルの最終日デイ4が、ポルトガル北部マトジニョスのサービスパークを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(GR YARIS Rally1 99号車) が総合2位で、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位で、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合5位でフィニッシュ。デイ3首位のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)は総合6位、TGR-WRT2からエントリーし前日総合3位につけていたサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)は総合7位でラリーを終えました。また、GR Yaris Rally2で出場したTGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀はクラス9位で完走しました。

表彰式
表彰式

ラリー・ポルトガルの最終日デイ4は、サービスパークの東北エリアでSS20/22「ヴィエイラ・ド・ミーニョ」と、大勢の観客が集まるビッグジャンプで有名なSS21/23「ファフェ」の2本のステージを、サービスなしで各2回走行。4本のステージの合計距離は65.56kmでした。最終日は予報通り、一日を通して天候が非常に変わりやすく、オープニングステージのSS20の途中から雨脚が強まるなど、厳しいコンディションで不利な走行を強いられたドライバーも少なくありませんでした。

デイ2、デイ3でライバルやチームメイトと接戦を繰り広げながらも首位を守ってきたオジエは、SS20で雨の影響を大きく受けましたが、それでも5番手タイム。総合2位ティエリー・ヌービル(ヒョンデ)との差は21.9秒から14.3秒に縮まりましたが、首位を堅持しました。一方、総合3位につけるパヤリは、ベストタイムを記録したエバンスから12.9秒遅れの6番手タイム。左フロントタイヤにダメージを負いながらも2番手タイムを記録した総合4位ソルベルグとの差は、23.8秒から12.1秒に縮まりました。続くファフェのステージの1本目、SS21は大雨に見舞われましたが、オジエはヌービルを上回るタイムで差を17.3秒に拡大しました。ところが、SS20の再走となるSS22は思いも寄らぬ展開に。深い轍が刻まれ岩が散乱する路面で首位のオジエがタイヤにダメージを負い、ステージの途中でクルマを停めてタイヤを交換。その結果2分近くタイムを失い、総合6位へと大きく順位を下げました。このステージでは総合3位につけていたパヤリもまた、ダメージを負ったタイヤを交換するためストップ。2分以上を失い総合7位に後退しました。トップ3につけていたオジエとパヤリが順位を下げた結果、上位は大きく変動することに。ヌービルが首位に立ち、14.8秒差でソルベルグが総合2位にポジションアップ。エバンスは総合3位に、このステージで2番手タイムを記録した勝田は総合5位に順位を上げました。

そして迎えた最終のパワーステージ、SS23ではソルベルグが、3番手タイムのエバンスに次ぐ4番手タイムでステージを走破。ソルベルグは、首位ヌービルと16.3秒差の総合2位でフィニッシュし、優勝した開幕戦ラリー・モンテカルロ以来となる表彰台を獲得しました。ソルベルグは日曜日の合計タイムで順位を競う「スーパーサンデー」ではトップとなり、パワーステージ4番手によるポイントと合わせて7ポイントのボーナスを加算。ドライバー選手権ではランキング3位に順位を上げました。パワーステージ3番手タイム、スーパーサンデー2位を得た総合3位のエバンスは、やはりボーナスの7ポイントを加算しドライバー選手権首位をキープ。パワーステージ6番手タイム、スーパーサンデー4位で総合5位フィニッシュの勝田はランキング2位を守るも、首位エバンスとの差は2ポイントから12ポイントへと拡がりました。掴みかけていた優勝をアンラッキーなハプニングで失ったオジエは、パワーステージ5番手タイムで総合6位。第2戦から続いていた連続ポディウム登壇が途絶えたパヤリは総合7位でラリーを終え、ドライバー選手権では3位から5位へと後退しました。

マニュファクチャラー選手権では、ソルベルグとエバンスがボーナスも含めて合計46ポイント獲得したこともあり、TGR-WRTは選手権トップの座を堅持。ランキング2位のチームとの差は93ポイントとなりました。

サポート選手権のWRC2では、GR Yaris Rally2をドライブしたテーム・スニネン(フィンランド/デルタ・ラリー)が首位を守り切り優勝。総合でも10位でフィニッシュしました。また、プリントスポーツが用意したクルマでラウティオ・モータースポーツからエントリーしたローぺ・コルホネン(フィンランド)は2位(総合12位)となり、GR Yaris Rally2のユーザーが1-2フィニッシュを飾りました。一方、43台のRally2カーがエントリーした大激戦区のRC2クラスでは、TGR WRCチャレンジプログラムのドライバーとしてGR Yaris Rally2で出場した山本雄紀が、デイ3から2つ順位を上げクラス9位でフィニッシュ。最終日、山本はSS22でクラス6番手のタイムを記録するなど経験豊かな強豪を相手に善戦し、ポジティブな形でラリーを締めくくりました。

<<ユハ・カンクネン (チーム代表代行)>>
このようにラリーの終盤で優勝を逃すのは決して気持ちの良いものではありませんが、今年のクロアチアでは同じような状況から恩恵を受け、今回はその逆の立場になりました。これがラリーというものですし、終わるまでは何が起こるかわかりません。セブとサミは最終ステージの1本前のステージで、同じような場所でパンクに見舞われたようです。彼らは昨日のウェットコンディションでは特に素晴らしい走りを見せていただけに、悔しい限りです。それでもオリバーとエルフィンが表彰台に立ち、スーパーサンデーでは1-2フィニッシュを飾りました。私たちは強力なチームですし、次のラリージャパンを楽しみにしています。

<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
非常に厳しいコンディションで行われた、浮き沈みの激しい長い大会でした。良いペースで走れた時もありましたが、自分のドライビングに満足できない時もありました。もっと良い結果を残せた可能性はあったと思いますが、うまくいきませんでした。チームメイトのセブとサミが今日、不運に見舞われたことは気の毒に思います。このような形で順位を上げることは決して望みませんが、それがスポーツの一部となることもあります。今回のポイントは受け入れ、日本ではさらに上を目指します。

<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)>>
今日は不運に見舞われました。最終の1本前のステージの序盤は、路面に深い轍があり、走行ライン上には岩が散らばっていました。あのような状況では、他にできることはあまりなかったと思います。今週末、私たちのコントロールが及ぶ範囲のことについては、チームと共にかなりうまくやれたと思います。もっと良い結果を得るに値する戦いだったと思いますが、ラリーではこのようなこともあります。もちろん、これだけ努力してきただけに悔しいですが、気持ちを切り替えて日本に向かい、再び勝利を目指します。

<<オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)>>
まず何よりも、今日不運に見舞われるまで、自分たちよりも上の順位につけていたチームメイトたちを気の毒に思います。今週末は皆がそれぞれ苦労していました。週末を通して、まるでジェットコースターのように浮き沈みが激しいタフなラリーでした。自分にとっては厳しいラリーが2戦続いていましたが、今回も決して楽な戦いではありませんでした。それでも、ようやく表彰台に戻り、ポイントを獲得できたことをとても嬉しく思います。本当にホッとしました。自分を信じてくれたチーム、そして常にクルマを直してくれたメカニックたちに感謝します。

<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
自分たちにとっては厳しい週末でした。序盤は出走順の助けとなるように、少しリスクを冒したセットアップをクルマに施しましたが、うまくいきませんでした。チームと協力して改善を重ねたところ、週末にかけてフィーリングは格段に良くなりましたが、上位の選手たちに追いつくことは困難でした。最終的には、チームメイトの不運もあり今日はポイントをそこそこ獲得することができました。今は、自分のホームイベントであるラリージャパンがとても楽しみです。

<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
それまではすべて順調に進んでいただけに、今日のハプニングは残念です。自分の見たところ、ライン上に大きな石が転がっていて、それに当たってパンクをしてしまいましたが、どうすることもできませんでした。とはいえ、それ以外は自分たちにとって良いラリーでした。パフォーマンスは非常に力強く、これまでで最高といえるものだったと思います。それに見合う結果を残せないのはいつだって残念なことですが、この週末に得た多くのポジティブな要素を活かし、次のラリーではさらに強くならなくてはなりません。

<<山本雄紀 (WRCチャレンジプログラム GEN2)>>
今回のラリーは経験を積むことが目的でしたし、自分たちをRally2クラスの多くのライバルと比較できたのは良い経験でした。最初は滑りやすい路面をハードタイヤで走ることに自信を持てず苦戦しましたが、金曜日はパンクで大きくタイムを失うまでフィーリングはどんどん良くなっていました。土曜日と日曜日は本当に過酷なコンディションでの走行でしたが、何回か良いタイムを出すことができましたし、完走することもできました。そして今は、次のラリージャパンが楽しみです。

<<ラリー・ポルトガルの結果>>
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) 3h53m01.7s
2 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) +16.3s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +29.1s
4 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +54.8s
5 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m12.6s
6 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m26.6s
7 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2m50.9s
8 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1) +4m10.0s
9 マールティンシュ・セスクス/レナールス・フランシス (フォード Puma Rally1) +6m49.2s
10 テーム・スニネン/ヤンニ・フッシ (トヨタ GR Yaris Rally2) +11m13.8s
(現地時間5月10日15時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<RC2クラスの結果>>
1 テーム・スニネン/ヤンニ・フッシ (トヨタ GR Yaris Rally2) 4h04m15.5s
2 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (ランチアYpsilon Rally2 HF Integrale) +24.9s
3 ローペ・コルホネン/アンシ・ヴィニッカ (トヨタ GR Yaris Rally2) +45.6s
4 アンドレアス・ミケルセン/ヨルン・リステルード (シュコダ Fabia RS Rally2) +1m14.2s
5 ヤン・ソランス/ロドリゴ・サンフアン (シュコダ Fabia RS Rally2) +2m47.0s
6 ファブリツィオ・ザルディヴァー/マルセロ・デル・オハネシアン (シュコダ Fabia RS Rally2) +5m04.7s
9 山本 雄紀/ジェームス・フルトン (トヨタ GR Yaris Rally2) +12m35.9s

<<第6戦終了時点でのドライバー選手権順位>>
1 エルフィン・エバンス 123ポイント
2 勝田 貴元 111ポイント
3 オリバー・ソルベルグ 92ポイント
4 アドリアン・フォルモー 79ポイント
5 サミ・パヤリ 78ポイント
6 セバスチャン・オジエ 67ポイント
7 ティエリー・ヌービル 65ポイント
8 エサペッカ・ラッピ 21ポイント
9 ヨアン・ロッセル 20ポイント
10 レオ・ロッセル 18ポイント

<<第6戦終了時点でのマニュファクチャラー選手権順位>>
1 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team 311ポイント
2 Hyundai Shell Mobis World Rally Team 218ポイント
3 TOYOTA GAZOO Racing WRT2 86ポイント
4 M-Sport Ford World Rally Team 71ポイント

<<次回のイベント情報>>
WRC次戦は、5月28日(木)から31日(日)にかけて開催される第7戦「ラリージャパン」です。ターマック(舗装路)ラリーとしては2026年シーズン最後のイベントとなり、現行のRally1カーが走る最後のターマックラリーでもあります。ステージの多くはこれまでと同じエリアに設けられますが、今年は開催時期が11月から5月末に移動したため、路面温度やコンディションが大きく変わる可能性があります。また、新たに加えられたステージもあり、ドライバーたちにとっては新たなる挑戦となります。セレモニアルスタートは、今回初めて愛知県の名古屋市で行われる予定ですが、サービスパークは今年も愛知県豊田市の豊田スタジアムに置かれ、愛知県と岐阜県の山岳ロードが主舞台となります。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
1号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
1号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
99号車(オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン)
99号車(オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)
5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)
GEN2 山本雄紀、ジェームス・フルトン
GEN2 山本雄紀、ジェームス・フルトン

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