8月1日(土)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦ラリー・フィンランドの競技3日目デイ3が、ユヴァスキュラのサービスパークを中心に行われ、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(GR YARIS Rally1 5号車)が首位に立ち、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合5位につけました。なお、SS16終了時点で首位に立っていたセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)は、コースオフによりリタイアとなりました。
ラリー・フィンランドのデイ3は、サービスパークの南西エリアで「パルッコラ」「パイヤラ」「バスティラ」「レウストゥ」というこのラリーの定番ステージを、ユヴァスキュラでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行。8本のステージの合計距離は125.70kmでした。デイ3は朝から好天に恵まれ、ステージの路面の多くはドライコンディションとなりましたが、前日に降った激しい雨により午前中は路面が湿っているセクションも少なくありませんでした。
デイ2で首位に立ち、総合2位エバンスに16.3秒、総合3位パヤリに26.7秒のリードを築いたオジエは、午前中の3ステージで安定した走りを続け、4本目のSS14ではベストタイムを記録しました。そのSS14では、エバンスがフィニッシュ近くでコースオフ。観客の力を借りてコースに復帰するも1分50秒程度を失い、総合5位に後退しました。一方、SS12と13でベストタイムをマークしたパヤリは、オジエと22.7秒差の総合2位にポジションアップ。ソルベルグは、パヤリと38.8秒差の総合3位に順位を上げました。
ミッドデイサービスを経て始まった午後の再走ループでは、1本目のSS15でパヤリが、SS16でオジエがベストタイムを記録し、両者の差は20.9秒に。しかし、続くSS17「バスティラ2」のフィニッシュ近くの高速セクションで、オジエがコースオフ。クルマは横転して大きなダメージを負いましたが、オジエとコ・ドライバーのイングラシアは自力でクルマから降り、シリアスな怪我もありませんでした。その後彼らは病院に搬送され、さらなる検査を受けましたが、結果はポジティブなものでした。それでも、アクシデントによる衝撃が大きかったため、彼らは経過観察のため病院で夜を過ごす予定です。
オジエのリタイアにより、SS17でベストタイムを刻んだパヤリが首位に立ち、ソルベルグは総合2位にポジションアップ。TGR-WRTのメカニックたちの迅速かつ正確な作業により、ミッドデイサービスで修理されたクルマで午後のループに臨んだエバンスは、3ステージ連続で2番手タイムを記録し、総合3位のアドリアン・フォルモー(ヒョンデ)に同タイムで並びました。また、デイ2でフロントウインドウの曇りによる極度の視界不良で2分以上タイムを失い、総合8位まで順位を落としていた勝田は、総合5位まで順位を挽回しました。そして迎えたデイ3最終のSS18では、2番手タイムのパヤリが首位を堅持。3番手タイムのソルベルグは46.4秒差の総合2位で、ベストタイムを記録したエバンスはフォルモーに3.8秒差をつけ総合3位で、勝田は総合5位で大波乱のデイ3を走破しました。
サポート選手権のWRC2では、GR Yaris Rally2で出場のテーム・スニネン(フィンランド)が首位に立ち、総合でも9位に。TGR WRCチャレンジプログラムのヤスパー・ヴァヘル(エストニア)は4位に順位を上げました。また、Rally2車両全車が対象となるRC2クラスでは、WRC2にはエントリーしていないTGR-WRTチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラ(フィンランド)が、2位スニネンと10.3秒差のトップに浮上。総合でも8位につけています。なお、デイ2終了時点でWRC2 6位につけていたTGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀は、SS11で5位に順位を上げるもSS13でスピンを喫してクルマにダメージを負い、デイリタイアとなりました。
<<ユハ・カンクネン (チーム代表代行)>>
今日は本当に波乱万丈な一日でした。何よりも重要なのは、セブとジュリアンと話をすることができて、二人とも無事で骨折もしていなかったことです。セブがあのような場所でコースアウトするのは珍しいので、何が起きたのかを理解するためデータを確認する必要があります。彼はラリーをうまくコントロールしていましたし、無理にプッシュする必要はありませんでした。エルフィンは午前中に小さなミスを犯しましたが、クルマのダメージは見た目ほどは大きくなく、チームは午後に彼をコースに復帰させるために素晴らしい仕事をしてくれました。そして午後は、彼にもクルマにも明らかに速さがありました。一方、サミは今回も非常に良い走りをしています。明日は自分のリズムで走り続けるだけでいいでしょう。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
今日はクルマのフィーリングが良く、順調なスタートを切ることができました。しかし、残念ながら午前の最後のステージでコーナリングラインが少しワイドになり、溝に落ちて何回転かしてしまいました。サービスでクルマを完璧に修理してくれたチームには心から感謝しています。クルマは午後を通して素晴らしく、そのおかげで戦いを続け、順位を挽回することができました。当初の目標は4位でしたが、セブとジュリアンのアクシデントにより3位に上がりました。今夜は彼らの幸運を祈ります。明日はいつも通りベストを尽くして戦います。
<<オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)>>
朝最初のステージは良いフィーリングでしたが、次のステージではペースノートの聞き取りに少し問題が生じました。順位が上のクルマとの差が開きすぎてしまい、あまりリスクを冒したくなかったので、順位を守りながら様子を見ることにしました。その後、エルフィンが横転し、さらにセブとジュリアンもコースアウトしてしまいましたが、二人とも無事で良かったです。明日は新たな一日、新たな戦いが始まるので、貴重なポイントを獲得できるように全力を尽くします。
<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
今日のステージは非常に難しく、強い覚悟と自信が求められました。昨日のタイムロスを受けて、今日はクルマのセットアップを色々と試すことに集中しました。大きな進歩は得られませんでしたが、午後のタイムはそれほど悪くありませんでした。今日見つけたセットアップが明日うまく機能し、ポイントをさらに獲得できることを願っています。セブとジュリアンのアクシデントは本当に気の毒でしたが、彼らが無事だと聞いて安心しました。
<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
今日は色々なことが起こり、本当にクレイジーな一日でしたが、気がつけば今夜、自分たちがトップに立っていました。午前中は本当に楽しく、世界最高のクルマで美しいステージを走ることができ、これまでラリーカーを運転してきた中で、おそらく最高の時間を過ごすことができました。エルフィンが横転したことで2位に上がりましたが、セブとの差は詰めきれないほど大きいと思っていたので、ただ運転を楽しみ、流れに身を任せることにしました。その後、セブがコースアウトしましたが、最も重要なのは彼とジュリアンが無事だったことです。あっという間に状況が変わるということが改めて示されましたし、明日も2本のステージが残っているので、まだ何も決まってはいません。
<<ラリー・フィンランド デイ3の結果>>
1 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) 2h00m38.0s
2 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) +46.4s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m36.3s
4 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m40.1s
5 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2m54.5s
6 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +3m52.9s
7 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +3m54.4s
8 ヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン (トヨタ GR yaris Rally2) +6m50.8s
9 テーム・スニネン/ヤンネ・フッシ (トヨタ GR Yaris Rally2) +7m01.1s
10 ロバート・ヴィルヴェス/ヤッコ・ヴィッロ (シュコダ Fabia RS Rally2) +7m04.2s
R セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ GR YARIS Rally1)
(現地時間8月1日21時50分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
ラリー最終日となる8月2日(日)のデイ4は、サービスパークの南西エリアで今大会最長となる30.02kmのステージ「ヒモス-ヤムサ」を、ミッドデイサービスを挟むことなくSS19/20として2回走行。そのうち2本目のSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に設定されています。2本のステージの合計距離は60.04km、リエゾン(移動区間)を含めた一日の総走行距離は178.22kmとなります。
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