WRC 第11戦 ラリー・デル・パラグアイ デイ1 大荒れの展開となったラリー・デル・パラグアイの初日は
WRC 2連勝中のパヤリが首位に立ち、エバンスが総合3位につける

2026.08.29(土)- 10:15配信

8月28日(金)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦「ラリー・デル・パラグアイ」がスタート。デイ1としてエンカルナシオンのサービスパークの東側エリアを中心に8本のステージが行われ、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(GR YARIS Rally1 5号車)が首位に立ち、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位に、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)が総合8位につけました。なお、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)および、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)はデイリタイアとなりましたが、デイ2での再出走を予定しています。

5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)
5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)

南米を舞台に行われるグラベル(未舗装路)ラリー2連戦の初戦、ラリー・デル・パラグアイは、WRC開催2年目の今年も首都アスンシオンから南東に360km程離れた「エンカルナシオン」のサービスパークを中心に開催。ラリーはまず27日(木)の午前11時過ぎからシェイクダウンが行われ、全長5.6kmのステージで勝田が1番手、エバンスが5番手のタイムを記録。ソルベルグは7番手タイムをライバルとシェアし、ラリー・エストニア、ラリー・フィンランドと直近の2戦で2連勝中のパヤリは9番手、オジエは10番手タイムでした。その後、ラリーは夜7時からエンカルナシオンで行われたセレモニアルスタートで、華やかに開幕しました。

競技は28日(金)の朝から始まり、デイ1として、サービスパークの東側エリアを中心に、4本のステージをエンカルナシオンでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうちSS3/7は全長34.08kmと今大会最長、そして今シーズンここまでのところ最長のステージでした。また、8本のステージの合計距離は153.78kmと、3日間で最も長い一日となりました。パラグアイのグラベルステージは、粘土質の赤土の道が特徴であり、非常に多くの隆起や窪みがあり、土の中には鋭い岩や石が隠れています。そのため、スタート前からクルマ、タイヤ、ドライバーにとって非常に厳しいラリーになることが予想されていましたが、オープニングステージのSS1から多くのドライバーがトラブルやアクシデントに遭遇。勝田はスタート後すぐにコースオフを喫してクルマにダメージを負い、デイリタイアに。途中まで速いペースで走行していたオジエはタイヤにダメージを負ってタイムを失い、続くSS2ではコーナリングラインが膨らんでクルマを土手にヒット。サスペンションを破損してデイリタイアとなりました。

一方、前戦ラリー・フィンランドで総合2位に入り表彰台に立ったソルベルグは、SS1、2で連続ベストタイムを記録。総合2位のヘイデン・パッドン(ヒョンデ)に7.1秒差をつけて首位に立ちました。ところが、ソルベルグはSS3のシケインでパワーダウンに見舞われストップ。観客のサポートを受けて再始動に成功しステージに復帰しましたが、その後タイヤにダメージを負ってタイヤ交換を行ったため、SS3だけで4分程度タイムを失い、総合17位に後退しました。

ドライバー選手権首位のエバンスは、今大会でも不利な1番手スタートを担ったことにより、SS2終了時点で首位ソルベルグと16.1秒差の総合6位につけていました。しかし、多くのドライバーがトラブルに遭遇したSS3で、タイヤに問題を抱えながらも上手く乗り切って順位を上げ、午前中のループが終了した時点で首位のパッドンと26.7秒差の総合3位につけました。一方、ドライバー選手権2位のパヤリは、午前中のループで水漏れに見舞われながらも、エバンスと6.5秒差の総合4位につけ、ミッドデイサービスでトラブルを修理した後、午後のステージへと向かいました。

午後の再走ループではエバンスが速さを発揮し、SS5で2番手タイムを記録して総合2位にポジションアップ。さらに、SS6ではパヤリと2番手タイムをシェアし、パッドンに代わって首位に立ちました。また、このステージではパヤリも総合3位に順位を上げました。続くSS7ではエバンスがタイヤのトラブルによりスタックし、約1分をロス。総合3位に後退し、ベストタイムを記録したパヤリが首位に立ちました。そして迎えたデイ1最終のSS8を4番手タイムで走り切ったパヤリは、総合2位のパッドンに11.9秒、総合3位のエバンスに56.3秒のリードを築き、首位でデイ1を締めくくりました。また、SS4と7で2番手タイムを記録するなどして順位を挽回していったソルベルグは、総合8位で競技初日を終えました。

サポート選手権のWRC2では、GR Yaris Rally2のドライバーがトップ3を独占。地元のディエゴ・ドミンゲスが、2位のガス・グリーンスミス(イギリス)に39.4秒差、3位のマルコ・ブラチア(ボリビア)に1分25.4秒差をつけて首位に立ち、総合でも6位につけています。なお、ラリー・デル・パラグアイ初出場のTGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀は、SS6終了後に技術的な問題によりデイリタイアとなりました。

<<ユハ・カンクネン (チーム代表代行)>>
ラリー開始早々から多くの出来事が起こり、まさにクレイジーな一日でした。サミは素晴らしい仕事でトップに立ち、彼だけが大きなタイムロスを免れました。午前中にウォーターパイプが外れ、温度を管理するために少しペースを落とさざるを得なかっただけです。序盤に2台が戦線から脱落し、その後オリバーもタイムを失ってしまいました。エルフィンは午後タイヤに問題が発生するまでは好調でしたが、それでも順位は悪くありません。奇妙な一日でしたが、ライバルたちも決して楽な状況ではなかったでしょう。明日は誰もが雨が降ると予想しており、非常にトリッキーなコンディションになるかもしれませんが、できる限りの準備をしなければなりません。

<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
ほぼ全員にとってドラマチックな一日となり、トラブルに見舞われなかったドライバーはほとんどいません。私たちはクリーンな走りと良いリズムを保つことに集中し、クルマも好調でした。しかしタイヤにとって厳しいコンディションとなり、2本のロングステージではいくつかの問題に対処しなければならず、残念ながらタイムをかなり失ってしまいました。それでも、私たちよりもさらに厳しい状況に遭遇したドライバーもいたため、総合順位は悪くありません。明日は降雨により、また異なる困難がもたらされるかもしれません。

<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)>>
残念ながら、このラリーは私たちにとって開始後すぐに非常に厳しいものとなってしまいました。最初のステージではジャンプの着地でパンクし、次のステージに入る前には電気系統のトラブルにも見舞われました。それによって少し集中力を切らしてしまったかもしれず、ややオーバースピードでクレストを越え、外側の土手に接触してしまいました。私のミスによって、左フロントのサスペンションを破損してしまいました。修理して走行を続けようとしたのですが、結局デイリタイアせざるを得ませんでした。

<<オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)>>
間違いなく、今日は予想していた以上にトリッキーな一日でした。朝は良いフィーリングが得られ、最初の2本のステージは順調でした。ところがその後、少し不運に見舞われました。ジャンクションに差し掛かったところでエンジンが止まり、再始動するためにファンの皆さんの助けが必要でした。さらに、スローパンクチャーにも見舞われ、タイヤ交換のためにクルマを止めました。これほど多くのタイムを失ったのは残念ですが、これもラリーです。その後はクリーンな走りを心がけましたし、まだ何も終わってはいません。週末にかけて天候が荒れる可能性もありますし、何が起こるかわかりません。

<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
最初のステージの序盤、森の中へと向かう非常にハイスピードなアプローチ区間で、おそらくオーバースピードでコーナーに入ってしまったのだと思います。自分のミスです。クルマのリヤが滑り、立て直すことができず横転してしまいました。最初は走行を続けようとしたのですが、さらなるダメージを負わないようにするためクルマを止めました。チームには本当に申し訳なく思っていますし、厳しい状況にありますが、明日の再出走を目指したいと思います。

<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
自分たちにとっても、他の選手たちにとっても、語り尽くせないほどクレイジーなことが起こった一日でした。最初のステージで水漏れが発生したことで、素晴らしいスタートにはなりませんでしたが、幸いにも修理して午前中を乗り切り、サービスに戻ることができました。その後はクルマが本来の性能を発揮し、最大限に楽しむことができましたが、それでも今日は予想以上に生き残ることが重要な一日でした。首位に立てたことは嬉しいですが、このラリーではそれほど大きな意味はないと思います。天気予報を見る限り、これからが最も過酷な日々になるかもしれません。

<<ラリー・デル・パラグアイ デイ1の結果>>
1 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) 1h28m28.7s
2 ヘイデン・パッドン/ジョン・ケナード (ヒョンデ i20 N Rally1) +11.9s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +56.3s
4 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m51.3s
5 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +2m23.1s
6 ディエゴ・ドミンゲス/ロヘリオ・ペニャーテ (トヨタ GR Yaris Rally2) +2m36.0s
7 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (トヨタ GR Yaris Rally2) +3m15.4s
8 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) +3m33.3s
9 マルコ・ブラチア/ホセ・ムラド (トヨタ GR Yaris Rally2) +4m01.4s
10 ロメット・ユルゲンソン/シーム・オヤ (フォード Fiesta Rally2) +4m36.9s
TBC セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1)
TBC 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1)
(現地時間8月28日18時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<明日のステージ情報>>
競技2日目となる8月29日(土)のデイ2は、サービスパークの北東エリアで4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その後、一日の最後にはSS17として新たにエンカルナシオン市街地に設けられた全長3.1kmのスーパーSSを走ります。9本のステージの合計距離は135.74km、リエゾン(移動区間)を含めた一日の総走行距離は413.44kmとなります。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
1号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
1号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
99号車(オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン)
99号車(オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン)
サミ・パヤリ
サミ・パヤリ

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