8月29日(土)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦「ラリー・デル・パラグアイ」の競技2日目、デイ2がエンカルナシオンのサービスパークを中心に行われ、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(GR YARIS Rally1 5号車)が首位を守り、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合3位につけ、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)は総合5位に順位を上げました。また、前日のデイリタイアを経て再出走したセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)と勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、それぞれ総合39位、総合45位まで順位を挽回しました。
ラリー・デル・パラグアイのデイ2は、サービスパークの北東エリアで4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走り、一日の最後にはSS17として新たにエンカルナシオン市街地に設けられた全長3.1kmのスーパーSSを走行。9本のステージの合計距離は135.74kmでした。デイ2は天候の悪化が予想され、ステージの途中には深い川を渡る場所もあり、水かさが大幅に増す可能性もあったため、チームは通常サファリ・ラリー・ケニアで使用する「シュノーケル」と呼ばれる吸気バイパスシステムを、金曜日の最終サービスでGR YARIS Rally1に装着し翌日に備えました。
ところが、迎えた土曜日の朝は、サービスパークこそ暴風雨に見舞われましたが、最長で70km程度離れた場所に展開するステージは、ループの最後に路面が湿っていたり泥状になっている区間もあったものの、全体的にはドライコンディションに。そのため、デイ1に続きタイヤの摩耗に厳しい路面での、タイヤマネジメントが非常に重要な一日となりました。
デイ1で首位に立ち、総合2位のヘイデン・パッドン(ヒョンデ)に11.9秒、総合3位のエバンスに56.3秒の差を築いたパヤリは、午前中3本目のSS11でコーナリングラインがワイドに膨らみリヤウイングの一部を失ってしまいましたが、それでも2番手タイムを記録。続くSS12を9番手タイムで走り切り、総合2位パッドンとの差を22.8秒に拡げてサービスパークに戻りました。パヤリは午後の5本のステージでも安定した走りを続け、パッドンとの差を24.1秒に拡大して首位を守りました。
チャンピオンシップリーダーのエバンスは、オープニングのSS9でベストタイムを記録。その後は一日を通してクリーンかつ確実性の高い走りを続け、総合3位を堅守しました。ただし、総合4位のアドリアン・フォルモー(ヒョンデ)との差は3.3秒に縮まりました。また、デイ1でトラブルとタイヤのダメージにより4分程度タイムを失いながらも総合8位につけていたソルベルグは、着実にステージを重ねながら順位を挽回。一日の最後のスーパーSSでも順位をひとつ上げ、総合5位でデイ2を締めくくりました。
デイ1でデイリタイアを喫したオジエと勝田は、サービスで修理されたクルマで再出走。オジエはSS12およびその再走ステージのSS16でベストタイムを記録するなど一日を通して速さを示し、総合39位まで順位を挽回しました。また、勝田はスーパーSSでベストタイムを記録し、総合45位で一日を終えました。
サポート選手権のWRC2では、GR Yaris Rally2をドライブする地元のディエゴ・ドミンゲスが首位を守り、同じくGR Yaris Rally2で出場する2位のガス・グリーンスミス(イギリス)は、首位との差を24.3秒に縮めました。また、ラリー・デル・パラグアイ初出場となるTGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀は、技術的な問題による前日のデイリタイアを経て再出走。8番手タイムを3回記録するなど確実にペースを上げながら、初めて走る南米の道での経験値を高めました。
<<ユハ・カンクネン (チーム代表代行)>>
今日は昨日よりもずっと落ち着いた一日となり、それはありがたいことでした。誰もが雨を予想してウェットセッティングでステージに向かいましたが、ステージはかなりドライな状態が続きました。それでもコンディションは決して簡単ではなく、タイヤに気を配る必要がありましたが、我々のドライバーは全員が素晴らしい仕事をしてくれました。サミはリードを広げることができ、エルフィンも後方からアドリアンに激しく追い上げられながらも、自分がやるべきことをきちんとこなしています。明日雨が降るかどうかは分かりませんが、雨が降ると状況が非常に厳しくなるかもしれないので、まだ何も決まっていません。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
最初のステージではベストタイムを記録し、今日はかなり良いスタートを切ることができました。しかし2本目のステージでは既に大きな岩が散らばっていたので、安全策を取りました。また、ループ後半の泥道でも同じような状況でした。午後には何本かハードタイヤを装着しましたが、それが正しかったかどうかは判断が難しいところです。ただ、昨日の状況を踏まえて、タイヤの摩耗を懸念していました。アドリアンは今日、猛烈な勢いで攻め続け好調でした。スーパーSSでこれほど多くのタイムを失ったことには驚きましたが、明日はさらに厳しいコンディションが予想されるので、引き続きベストを尽くすのみです。
<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)>>
今日は戦うための目標が特にはなかったので、決して簡単な一日ではありませんでしたが、このクルマでできる限りドライビングを楽しむことに集中し、まずまずのリズムで走れたと思います。予想していたような雨は降りませんでしたが、ループの最後のステージでは路面が湿っていたため、そこでステージ優勝を果たし、午後にも再びステージ優勝することができました。明日もまだ雨が降るかもしれないので、ポイントを獲得するために何ができるか、様子を見ていきたいと思います。
<<オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)>>
今日は雨が降って自分たちにとってエキサイティングな展開になることを期待していました。残念ながら雨は降りませんでしたが、それでも悪い一日ではありませんでした。今日の一番の目標はクリーンな走りを続け、マッカーリーンを抜くことでしたが、それを達成し5位まで順位を上げられたので良かったです。タイヤのローテーションに関しては、他のドライバーほどは良いコンディションのスペアタイヤが十分になかったので難しい状況でしたが、何とか乗り切ることができました。明日は雨が降るかもしれませんが、どのような状況でもベストを尽くします。
<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
今日はかなり雨が降るだろうと誰もが予想していましたが、実際にはほとんど降りませんでした。ただ、ドライコンディションだったおかげで、昨日のアクシデントからのリカバーに集中することができました。クルマを修理してくれたチームには心から感謝していますし、彼らのおかげで、再び走ることが可能になり、ステージで経験を積み明日に向けて感覚を取り戻すことができました。明日はポイント獲得を目指します。
<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
満足できる一日でした。予想していたような激しい雨よりははるかにましだったとはいえ、コンディションは依然かなりトリッキーでした。コーナーで少しコースアウトした際にリヤウイングの一部を失うなど、いくつか危ない瞬間もありました。それによってハイスピードなセクションでのハンドリングに影響が出ましたが、大きな問題にはなりませんでした。それを除けばクルマは速く、信頼性も高く、一日を通してリードを広げることができました。まだ何が起こるかわからないですし、天候も予想が難しそうなので、エストニアやフィンランドの時と同じように、あまり興奮し過ぎないようにしています。
<<ラリー・デル・パラグアイ デイ2の結果>>
1 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) 2h48m29.7s
2 ヘイデン・パッドン/ジョン・ケナード (ヒョンデ i20 N Rally1) +24.1s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +56.3s
4 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +59.6s
5 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) +3m25.7s
6 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +3m32.0s
7 ディエゴ・ドミンゲス/ロヘリオ・ペニャーテ (トヨタ GR Yaris Rally2) +6m20.4s
8 ジョン・アームストロング/シェーン・バーン (フォード Puma Rally1) +6m40.0s
9 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (トヨタ GR Yaris Rally2) +6m44.7s
10 ファブリツィオ・ザルディヴァー/マルセロ・デル・オハネシアン (シュコダ Fabia RS Rally2) +7m33.6s
39 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) +1h04m10.3s
45 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1h19m37.5s
(現地時間8月29日20時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
ラリー最終日となる8月30日(日)のデイ3は、サービスパークの北および北西エリアで2本のステージをミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。再走ステージの前には、1本の独立したステージをSS20として走ります。5本のステージの合計距離は66.35kmと3日間でもっとも短く、リエゾン(移動区間)を含めた一日の総走行距離は237.59kmとなります。また、最終ステージとなるSS22「エンカルナシオン2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に設定されています。
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