9月11日(金)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦「ラリー・チリ・ビオビオ」がスタート。デイ1としてチリ中南部ビオビオ州のコンセプシオンのサービスパークを中心に6本のステージが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(GR YARIS Rally1 99号車)が首位に立ち、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合2位に、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)が総合4位に、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)が総合5位につけました。なお、勝田貴元/ジェームス・フルトン組(18号車)はデイリタイアとなりましたが、デイ2での再出走を予定しています。
南米を舞台に行われるグラベル(未舗装路)ラリー2連戦の2戦目、ラリー・チリ・ビオビオは、今年もコンセプシオンのサービスパークを中心に開催。10日(木)の午前11時過ぎからシェイクダウンが行われ、ドライコンディションとなった全長5.76kmのステージで勝田が1番手、パヤリが3番手、オジエが6番手、エバンスが10番手のタイムを記録。ラリー本番に向けて、最後のセットアップ確認作業と肩慣らしを行いました。
競技は11日(金)の朝9時前から始まり、デイ1として、サービスパークの南東エリアで、昨年大会から大幅に改訂された3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は100.78kmでした。デイ1午前中の3本のステージは、夜間に降った雨により全体的に湿っており、出走順が早いドライバーたちにとっては待ち望んでいたコンディションとなりました。とくに最初の2本のステージはクルマが走れば走るほど泥状になる、ぬかるんだ路面が多く、ルースグラベルのクリーニングが大きな課題となるドライコンディションとは異なり、出走順が早い選手たちがタイムを出しやすい状況でした。
オープニングステージのSS1ではぬかるんだ路面を得意とする出走順3番手のソルベルグがベストタイムを記録。出走順トップの選手権リーダー、エバンスが1.4秒差のセカンドベストタイムで続きました。続くSS2ではエバンスがベストタイムで、2番手タイムだったソルベルグを抜き0.4秒差で首位に。3番手タイムのオジエが総合4位に順位を上げました。午前中最後のSS3では、2番手タイムのソルベルグが、4番手タイムだったエバンスに代わり首位に復帰。2.3秒の差を築いて午前のループを終えました。
ミッドデイサービスを経て始まった午後の再走3ステージは、路面がかなり乾き午前中とは大きく異なるコンディションに。午後1本目のSS4では、直近の3戦で連勝中のパヤリが速さを取り戻し、ベストタイムを記録して総合5位に順位を上げました。また、午前中のSS3で総合5位に後退していたオジエは、僅差の2番手タイムで総合4位に復帰。続くSS5ではオジエがベストタイム、パヤリが0.1秒差の2番手タイム、ソルベルグが3番手タイムと、チーム内でのタイム競争が激化しました。ソルベルグはこのステージで総合2位のエバンスに対するリードを5.6秒に拡げ、デイ1最終のSS6では2回目のベストタイムを記録。6番手タイムだったエバンスとの差を10.1秒に拡大して一日を締めくくりました。また、総合4位のオジエと総合3位のアドリアン・フォルモー(ヒョンデ)の差は1.7秒、オジエと総合5位パヤリの差は2秒と、激しい総合3位争いが続いています。
今回、レギュラーのコ・ドライバーであるアーロン・ジョンストンの欠場により、フルトンを助手席に迎えた勝田は、非常に滑りやすいコンディションとなったSS1でコースオフ。クルマが土手に乗り上げたことで走行を続けることができなくなり、デイリタイアとなりました。
サポート選手権のWRC2にGR Yaris Rally2でエントリーしたTGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀は、ラリー・チリ・ビオビオ初出場にも関わらず、一時は6位まで順位を上げていました。しかし、SS6でアクシデントに遭遇。彼とコ・ドライバーのトピ・ルフティネンは、さらなるメディカル検査を受けるため、病院に搬送されました。
<<ユハ・カンクネン (チーム代表代行)>>
全体的には良いスタートを切ることができました。予報通りに昨夜雨が降ったのは嬉しい限りで、出走順が早いクルマが多い我々にとっては多少なりとも助けになったと思います。オリバーとエルフィンは今朝の滑りやすいコンディションで素晴らしい走りを見せ、午後になって路面が少し乾いてきた後も好調を維持しました。セブとサミは今朝少しタイムをロスしましたが、午後はより力強く走り、フォルモーと良い戦いを繰り広げました。貴元は今朝スタックしてしまい少々不運でしたが、明日の再スタートに向けてクルマは良い状態です。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
今朝はかなりトリッキーな路面コンディションになり、誰にとっても難しいスタートとなりましたが、それでも夜中に雨が降ってくれたのは、私たちにとってありがたいことでした。グリップレベルがかなり変わりやすかったので、問題なく走り切れて良かったですし、路面を清掃する必要がなくなるという恩恵を少し受けることもできました。午後は路面が乾き、グリップもある程度安定していたのでフィーリングは悪くなかったのですが、思ったほど速くは走れませんでした。とはいえ2位で一日を終えられたのは悪くないですし、明日に向けて良い出走順が得られたので、今日のポジティブな要素を活かし、明日も戦い続けなくてはなりません。
<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)>>
出走順が少し後方だった私たちにとって、雨は理想的ではなかったかもしれません。しかし、チャンピオンシップのリーダーたちが路面を常に清掃しないで済むということは、彼らが受けられるちょっとした恩恵でもあります。最初のステージではグリップとクルマのバランスに自信を持つことに苦戦し、そこで今日のタイムロスの大部分を喫してしまいました。しかし、その後はうまく対応することができましたし、良いリズムで走れたと思います。明日は、今日とは異なるタイプのステージで、様々な課題が待ち受けていますが、まだまだ勝負は続いてるので、引き続き頑張ります。
<<オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)>>
満足できる一日でした。雨が降ったことは、比較的早い出走順だった自分たちにとって助けになりました。誰にとっても公平な状況になったと思いますし、自分はいつだってそのようなコンディションで走るのが好きです。路面は非常にトリッキーで刻々と変化していましたが、良い流れを保つことに努め、かなり良い走りができたと思います。大きなリスクを冒す意味はなかったですし、ただ効率的に走ることを心がけていました。午後になって路面が乾いてきた後もそれは同様で、クリーンで安定した走りを心がけました。問題なく良い形で金曜日を終えられたことを嬉しく思います。明日は戦略が重要になると思いますが、フィーリングは良いので楽しみです。
<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
夜通し降った雨により、今朝は路面がかなりぬかるんでいて、路面のグラベルも場所によって異なっていたこともあり、グリップレベルが非常に変わりやすい状況でした。残念ながら、かなりぬかるんでいた下りのコーナーで十分に減速することができず、コーナリングラインがワイドになり外側の土手に乗り上げてしまいました。クルマに大きなダメージはありませんでしたが、コースに復帰してステージを走り続けることはできませんでした。厳しい状況ですが、より強くなって戻ってこられるように集中したいと思います。
<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
午前中はかなりトリッキーでした。明らかに難しく、滑りやすいコンディションだったのですが、特に最初のステージでは周りのドライバーたちがそれをうまく利用して走ったのに対し、自分たちはどういうわけかペースがあまり良くありませんでした。午前中はステージを重ねるごとに状況が改善していき、午後は明確に調子が良くなりました。運転を楽しめていましたし、ステージ優勝もできたので、自分たちが本来いるべきレベルに戻れたと思います。表彰台まであと3秒というところまで来ていますし、ラリーはまだ先が長く何が起こるかわからないので、とにかくプッシュし続けるだけです。
<<ラリー・チリ・ビオビオ デイ1の結果>>
1 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) 52m42.1s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +10.1s
3 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +18.0s
4 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) +19.7s
5 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +21.7s
6 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +27.4s
7 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +1m54.5s
8 ジョン・アームストロング/シェーン・バーン (フォード Puma Rally1) +1m56.9s
9 エサペッカ・ラッピ/エンニ・マルコネン (ヒョンデ i20 N Rally1) +2m06.0s
10 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ(ランチアYpsilon Rally2 HF Integrale) +3m08.7s
43 勝田 貴元/ジェームス・フルトン (トヨタ GR YARIS Rally1) +59m53.2s
(現地時間9月11日21時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
競技2日目となる9月12日(土)のデイ2は、サービスパークの南、ビオビオ川と太平洋に挟まれたエリアに戦いの舞台が移動。前年大会と同じ3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行します。そのうち、全長28.31kmのSS9/12は今大会最長のステージです。金曜日のステージと比べると全体的に道幅は広く、ザラザラとした路面が特徴です。6本のステージの合計距離は139.2kmと3日間で最長。リエゾン(移動区間)を含めた一日の総走行距離は400.08kmとなります。
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