WRC 第12戦 ラリー・チリ・ビオビオ デイ3 ソルベルグが開幕戦以来となる今季2勝目を獲得
オジエが総合2位に入り、TGR-WRTは年間タイトルを決める

2026.09.14(月)- 09:15配信

9月13日(日)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦「ラリー・チリ・ビオビオ」の最終日デイ3が、チリ中南部ビオビオ州のコンセプシオンのサービスパークを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(GR YARIS Rally1 99号車)が優勝。前日総合3位のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)は総合2位、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)は総合4位、前日総合2位のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合5位、勝田貴元/ジェームス・フルトン組(18号車)は総合36位でフィニッシュしました。また、TGR-WRTは6年連続となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得しました*

エリオット・エドモンドソン、オリバー・ソルベルグ
エリオット・エドモンドソン、オリバー・ソルベルグ

ラリー・チリ・ビオビオのデイ3は、デイ2と同じくビオビオ川と太平洋に挟まれたエリアを走行。2本のステージをサービスを挟むことなく各2回走行し、4本のステージの合計距離は71.2kmでした。前日に続きデイ3も好天に恵まれ、早朝気温は5度前後と冷え込みましたが、日中は18度程度まで上昇。グラベル(未舗装路)ステージは一日を通してドライコンディションが保たれました。

デイ1で首位に立ち、デイ2終了時点で総合2位のエバンスに19.1秒のリードを築いたソルベルグは、デイ3オープニングのSS13で4番手タイムを記録。一方、エバンスはソルベルグよりも5.9秒速いベストタイムをマークし、差を13.2秒に縮めました。続くSS14ではソルベルグが最速タイムで巻き返し、エバンスは僅差の2番手タイムでふたりの差は14.5秒に。そして、SS13の再走ステージとなるSS15ではエバンスがダメージを負ったタイヤの交換作業で2分以上をロス。総合5位へと順位を下げました。代わって総合2位に順位を上げたのは、このステージでベストタイムを記録したオジエ。今回、ヤリ-マティ・ラトバラTGR-WRTチーム代表が持つ、213回というWRC最多出場記録に並んだオジエと、首位ソルベルグの差は13.3秒になりました。また、エバンスの後退によりパヤリが総合4位に順位を上げました。

そして迎えた最終のパワーステージ、SS16ではソルベルグが最速タイムでフィニッシュ。開幕戦ラリー・モンテカルロ以来となる、今シーズン2勝目を飾りました。ソルベルグは、パワーステージでのベストタイム、日曜日のみの合計タイムで競われるスーパーサンデーで2位だったことにより、大量のボーナスポイント獲得にも成功。優勝ポイントと合わせて34ポイントを獲得しました。その結果、今季12戦で11回目の優勝を達成したTGR-WRTは、6年連続となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得。1987年から1992年にかけてランチアが成し遂げた、WRC最多連覇記録に並びました。また、トヨタとしては通算10回目のWRCマニュファクチャラーズタイトル獲得となり、こちらもランチアの最多記録に並びました。なお、ソルベルグが2勝目を飾ったことにより、今シーズンTGR-WRTは5人のドライバー全員が複数回優勝したことになります。

パワーステージを5番手のタイムで終えたオジエは、ソルベルグと16.6秒差の総合2位でフィニッシュ。ソルベルグと共に、今シーズン8回目となる1-2フィニッシュをチームにもたらしました。オジエにとっては通算120回目のポディウムフィニッシュとなり、これで同郷の元世界王者セバスチャン・ローブが持つ記録に並びました。オジエはスーパーサンデー1位、パワーステージ5番手タイムによりボーナスポイントも獲得。ドライバー選手権では、3番手のソルベルグと38ポイント差の4番手に順位を上げました。

今年、WRC初勝利から3戦連続で優勝するという素晴らしい記録を打ち立てたパヤリは、ドライバー選手権で首位を争うエバンスを48.4秒差で抑え、総合4位でフィニッシュ。パワーステージ3番手タイム、スーパーサンデー4位によりボーナスポイントを獲得しました。また、残念ながら総合2位の座を失い総合5位でラリーを終えたエバンスは、パワーステージを2番手タイムで走り切り、ボーナスの4ポイントを追加獲得。ドライバー選手権では首位を守りましたが、ランキング2番手のパヤリとの差は、20ポイントから17ポイントへと縮ましました。

初日のデイリタイアを経て、再出走したデイ2終了時点で総合38位につけていた勝田は、デイ3最初の3ステージを5〜6番手のタイムで走行し、総合36位で完走。パワーステージ4番手タイム、スーパーサンデー5位で合計3ポイントのボーナスを獲得しました。

*FIAによる公式結果発表を条件とします。

<<豊田 章男 (TGR-WRT会長)>>
オリバー、エリオット、優勝おめでとう!

今シーズンは、貴元が前半戦で2連勝し、その後、エルフィンもセブも2勝目を挙げ、更にはサミが3連勝…。初戦以来、なかなか勝てずにいたオリバーたちは、苦しい気持ちでシーズンを戦ってきていたんじゃないかと思います。そんな彼らが、やっとチリで2勝目を挙げられて、本当によかったと思います。

そして、彼らのその勝利によって、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのマニュファクチャラーズチャンピオンが決まりました! ヤリ-マティ、ユハ、そしてチームのみんな、おめでとう! ありがとう!

支えていただいているファンの皆さま、一緒に戦っていただいているパートナーの皆さまにも感謝したいと思います。本当にありがとうございました。

今までだと、この時期にみんなが日本に来てくれていました。メンバーの顔を見ながら一緒に勝利を喜べることが、この時期の楽しみでしたが、今年はそれができません。残念です。

しかし、今シーズンは「熾烈なチャンピオン争い」という楽しみがまだまだ残っています。我々のチームの5人のドライバー全員にチャンピオンの可能性があります。

我々は”純粋にドライバーたちに競ってもらうチーム”です。チームのみんな、残り2戦「ドライバーたちが思いっきり走れるクルマ」をよろしくお願いします。残り2戦、エルフィン、サミ、オリバー、セブ、貴元、みんながんばれ!

<<ユハ・カンクネン (チーム代表代行)>>
このチームでまたしてもマニュファクチャラーズタイトルを獲得することができて、本当に素晴らしい気分です。私はドライバーとして何度かランチアの王座獲得に関わり、トヨタが獲得した初期のタイトルにも一部携わりましたが、今こうしてこのチームの一員になれたことを心から嬉しく思います。チームの雰囲気と、全員が協力し合う姿勢は素晴らしいものです。それはドライバーたちも同様で、ステージ上では互いに激しく競い合い、最高の結果を目指してプッシュしますが、それと同時にお互いとチーム全体をしっかりと支え合い、良い関係を築いています。苦しい時期を乗り越えてのこの勝利は、オリバーにとって本当に良い結果です。彼に才能があることを私たちは常に理解していましたが、今回、見事な戦いを見せてくれました。エルフィンは今日、本当に素晴らしい走りを見せたにもかかわらず不運に見舞われてしまいました。しかしそれによって、サミとオリバーも上位争いに加わっているため、ドライバーズタイトル争いは引き続き興味深いものになるでしょう。

<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
チーム全員に心からの祝福を送り、今年の皆の努力に感謝したいと思います。このチームの一員であり、共に6年連続でタイトルを獲得できたことは光栄です。雨の金曜日は良いスタートを切ることができ、ラリーはとても順調に進んでいました。その後、素晴らしい走りを見せたオリバーに差をつけられてしまいましたが、それでもできる限り戦い続けようとしました。今日はクルマのフィーリングも良く、最初の2本のステージでは満足のいく走りができました。しかし、最後からひとつ前のステージで突然パンクに見舞われてしまいました。ポイント面では非常に痛手でしたが、パワーステージではできる限りのポイントを獲得しました。タイトル争いが完全に三つ巴の戦いとなった今、さらにプッシュし続けるしかありません。

<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)>>
チームの皆さん、おめでとう。またしても世界チャンピオンの座を共に勝ち取ることができました! ファクトリーのスタッフ、そしてチームのメンバー一人ひとりに脱帽です。これほど長く連覇を続けるというのは特別なことですし、決して容易なことではありません。チームの誰もが現状に満足せず、常に改善に努めています。それは私がキャリアを通して常に持ち続けようとしてきたメンタリティでもあります。そして私は、このクルマを走らせることを本当に楽しんできました。今週末は、最初のステージでタイムを失った後、上位を目指して激しい戦いを繰り広げました。素晴らしい走りを見せたオリバーとエリオットにおめでとうと言いたいです。優勝は逃しましたが、それでも表彰台に立つことができたので、笑顔になる理由はたくさんあります。

<<オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)>>
自分にとって、トヨタで走ることは常に夢でした。そして今回初めて、マニュファクチャラーズタイトルの獲得に微力ながら貢献できたことは、本当に特別なことです。また、表彰台の最上段に再び立てたことも、信じられないくらい嬉しいことです。今シーズンは浮き沈みがありましたが、チームは常に自分を支え、信じてくれました。また、エリオットも素晴らしい仕事をしてくれていますし、ここ数戦は本当に全てがうまく噛み合ってきていると感じています。今日の難易度の高い最初のステージでは、良いフィーリングを見つけることが難しかったですが、十分なリードを保ち、パワーステージではプッシュすることができました。チャンピオンシップでも少し挽回できたのは嬉しいですし、この勢いを最終戦まで繋げていければと思います。

<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
自分がこのチームの一員であり、マニュファクチャラーズタイトル獲得の一翼を担えたことを大変誇りに思います。今年は、少なくともチームがマニュファクチャラーズポイント獲得のために自分を必要としてくれたスウェーデンとクロアチアの2戦で、良い結果を残すことができたので、自分もチームに貢献できたと感じています。しかし、このタイトルは主に、チームの一人ひとりが懸命に働き、常にプッシュし続けてくれたおかげです。チームの皆に感謝していますし、自分が苦しい時に支えてくれたことにも感謝しています。今週末は苦しいスタートになってしまいましたが、それでも力強く巻き返し、パワーステージでは2ポイントを獲得することができました。素晴らしい仕事をしてくれたジェームスと、リモートでサポートしてくれたアーロンにも心から感謝します。

<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
今回は自分たちにとって難しいラリーでした。望んでいた結果にはならず、ペースも期待していたほどではありませんでしたが、今日はできる限り力を尽くし、貴重なポイントを少し獲得することができました。エルフィンが不運に見舞われたこともあり、結果的に何も失わずに済みました。オリバーが今回素晴らしい走りで多くのポイントを獲得したことによって、チャンピオンシップ争いはますます面白くなってきました。マニュファクチャラーズタイトルを獲得したチーム全員に、おめでとうと言いたいです。自分たちはTGR-WRT2のためにポイントを獲得してきましたが、それでもこのファミリーの一員であることが嬉しいですし、関係者全員に対して本当に幸せを感じています。

<<山本雄紀 (WRCチャレンジプログラム GEN2)>>
最初のステージの泥だらけの路面でハーフスピンを喫するなど、今回のラリーは難しいスタートになりました。しかしその後はペースも良く、順位を上げることができました。ところが、金曜日の最後のステージで、速くて狭くてツイスティな見通しの悪いクレストがある、トリッキーなセクションでミスをしてしまいました。クレストを越えた時に少し左に跳びすぎてしまい、土手に激突して激しい衝撃と共に道の反対側まで跳ね飛ばされてしまいました。自分たちを気遣い、メッセージを送ってくださったすべての方々に感謝します。トピの手術が無事に終わり、数日中に帰宅できる見込みだと聞き、とても嬉しく思います。今回の南米遠征は不運な終わりかたになってしまいましたが、チームにはただ申し訳ないとしか言いようがありません。皆さんのサポートに感謝していますし、より強くなって戻ってきたいと思います。

<<ラリー・チリ・ビオビオの結果>>
1 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) 2h57m08.2s
2 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) +16.6s
3 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +33.3s
4 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m33.9s
5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2m22.3s
6 エサペッカ・ラッピ/エンニ・マルコネン (ヒョンデ i20 N Rally1) +5m07.0s
7 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +7m31.5s
8 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (ランチアYpsilon Rally2 HF Integrale) +9m31.0s
9 ロバート・ヴィルヴェス/ヤッコ・ヴィッロ (シュコダ Fabia RS Rally2) +10m24.0s
10 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (トヨタ GR Yaris Rally2) +10m58.2s
36 勝田 貴元/ジェームス・フルトン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1h02m18.2s
(現地時間9月13日15時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<WRC2の結果>>
1 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (ランチアYpsilon Rally2 HF Integrale) 3h06m39.2s
2 ロバート・ヴィルヴェス/ヤッコ・ヴィッロ (シュコダ Fabia RS Rally2) +53.0s
3 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (トヨタ GR Yaris Rally2) +1m27.2s
4 テイラー・ギル/ダニエル・ブルキク (シュコダ Fabia RS Rally2) +1m50.2s
5 ホルヘ・マルティネス/ルベン・ガルシア (シュコダ Fabia RS Rally2) +4m17.1s
6 ディエゴ・ドミンゲス/ロヘリオ・ペニャーテ (トヨタ GR Yaris Rally2) +4m24.2s
R 山本 雄紀/トピ・ルフティネン (トヨタ GR Yaris Rally2)

<<第12戦終了時点でのドライバー選手権順位>>
1 エルフィン・エバンス 230ポイント
2 サミ・パヤリ 213ポイント
3 オリバー・ソルベルグ 209ポイント
4 セバスチャン・オジエ 171 ポイント
5 アドリアン・フォルモー 167ポイント
6 勝田 貴元 163ポイント
7 ティエリー・ヌービル 129ポイント
8 ヘイデン・パッドン 38ポイント
9 ジョシュ・マッカーリーン 35ポイント
10 エサペッカ・ラッピ 33ポイント

<<第12戦終了時点でのマニュファクチャラー選手権順位>>
1 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team 614ポイント
2 Hyundai Shell Mobis World Rally Team 410ポイント
3 TOYOTA GAZOO Racing WRT2 227ポイント
4 M-Sport Ford World Rally Team 152ポイント

<<次回のイベント情報>>
WRC次戦は、10月1日から4日にかけて開催される、第13戦「ラリー・イタリア サルディニア」です。地中海に浮かぶイタリアのサルディニア島で行われるこのグラベルラリーは、今年開催時期が6月から10月へと移動。2020年以来の秋季開催となります。シーズンの終盤戦となったことにより、ドライバーズタイトル争いにとって非常に重要な一戦となります。ステージは比較的ハイスピードですが、道幅は全体的に狭く、道のすぐ近くまで木々や大きな岩が迫るため、ミスのない精度の高いドライビングが求められます。路面の多くは目の細い砂状のグラベルに覆われていますが、ラリーカーが何台か走ると、下から硬い岩盤や石が現れパンクの危険性が高まります。また、再走ステージでは深い轍が刻まれるセクションもあるため、ドライバーたちは路面コンディションの変化に上手く対応する必要があります。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
1号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
1号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
99号車(オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン)
99号車(オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン)
18号車(勝田 貴元、ジェームス・フルトン)
18号車(勝田 貴元、ジェームス・フルトン)
5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)
5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)
表彰式
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