WRC

2017シーズン インタビュー Vol.3

Juho Hänninen

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team
ドライバー ユホ・ハンニネン

“シーズン開幕当初、僕は頑張りすぎていた。中盤戦以降、経験を積むことを受け入れた”

「ターマックラリーでの快走」

─トヨタはかなり居心地が良かったようですね。
「そうだね。これまで僕が所属してきたチームとは“文化”がちょっと違っていた。基本的にフィンランドをベースに結成されていることが大きい。チームの文化に慣れるのに、これほど楽だったことはないよ。さっきも言ったとおり、同じフィンランド人ドライバー同士だから、同じ言葉で気持ちを伝えられるんだ。これは予想以上に居心地が良かった」

─英語でのコミュニケーションに問題のないあなたにとっても、フィンランド語で話せることが重要なんですね。
「もちろんだよ。母国語で話し合う方がずっとオープンだし、誤解の危険性も減るしね。自分が何を言いたいのか、相手がきちんと理解してくれているという安心感は大きい。話し合っていくうちに、チームの仲間たちのこともより深く理解できるようになった。他のチームにいた頃よりも、ずっと多くの時間をチームメンバーと話して過ごしていたからね」

─トヨタは2勝を記録しましたし、あなた自身もキャリア初の表彰台を獲得しました。シーズン前にこのような好成績を残せることを予想していましたか?
「開幕前はあまり先のことを考えていなかったんだ。序盤の数戦は自分自身のミスが続いて、なかなかポイントを獲得できなかった。そのうえ、メカニカルトラブルにも見舞われて、リズムに乗り切れないラリーも続いた。でもその後、すべてがうまくまわり始めた。もちろん僕自身はもう少し選手権の上位に行けると思っていたけど、簡単にはいかないからね。そういった意味で自分としては納得のいく結果じゃなかったね」

─シーズン後半、何かアプローチを変えたんでしょうか?
「シーズン前半は少し頑張りすぎていたのかもしれない。トップドライバーたちと同じスピードで走ろうとして、プッシュしすぎていたんだ。タイムは良かったけれど、かなりのリスクが生じるし、当然ミスもしやすくなる。シーズンを折り返したあたりで、僕はトップを狙うことから少し距離を置くことを決めた。実戦でのフィーリングを取り戻すために、経験を積むことを受け入れたんだ。やっぱりWRCのワークスレベルで戦うには、ある程度の時間が必要だったってことだろう」

─今シーズン、最も印象深かった出来事は?
「スペインの2日目だね。連続でベストタイムを記録することができたし、心からドライブを楽しめた。最高のフィーリングで走れていて、それがタイムにも反映されたんだ」

─特にシーズン後半、ターマックでの好走が印象的でした。
「現時点でターマックの方が快適にドライブできているのは確かだ。ヤリスWRCは舗装路でのフィーリングもすごく良くて、自信を持ってドライブできる。これまでセットアップを詰めてきたから、それも自信につながっているんだろう」

─来シーズン、ヤリスWRCはタイトルを獲得できるでしょうか?
「今シーズンのようなペースでステップアップを継続できれば、タイトルを獲得できない理由はない」

─レギュラードライバーの座から離れましたが、何か次のプランはありますか?
「あらゆる可能性を検討しているよ。トミと話し合いも続けている。もう少し詳細を詰める必要があるだろうね。どういったかたちでテストを担当するのか、詳しいことはまだ決まっていないんだ。なんらかのかたちでチームに貢献できればうれしいね」

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