No.03 Stormy winds challenge the driver 台風が毎日あるような、風

風が引き起こす、運転の疲労

ブラジルとパラグアイの国境へと向かう途中、台風かと思うほど風が強くなった。直線にもかかわらず、ステアリングが安定しない。高い運転技術を持つ凄腕技能養成部の関谷でさえ「トラックとのすれ違いであおられると、微妙なステアリングの修正が必要とされるんです」と語るほど。イグアスの滝を挟んだ対岸のアルゼンチンでは、その風はより強く吹いていた。特に南端に近いパタゴニアでは、立っているのも困難なほどに、強い風が吹き続けている。必然、クルマの運転にも影響は強く出てくる。車両実験部の奥村は、横風によって路肩へのロールオーバーの危険性さえ感じたという。
「対向車とのすれ違う際の風圧の変化や高速域での追い越しなど、とても気を使います。気を許す間がないために、長時間の運転では疲労が蓄積してしまう。日本ではなかなか味わえないシチュエーションで、高速直進性、横風安定性がいかに重要であるか、まさしく現地現物で体感することになりました」

風のノイズで、聞こえづらい

普段は気にならないディテールが風の強さのためにクローズアップされる。運転性能だけでなく、車内の快適性にも関わる話だ。鋳造生技部の上本は、「センターピラー上部あたりからの風切りノイズが、どうしても気になってしてしまう。おしゃべり好きのアルゼンチンの人々もやっぱり室内のノイズには敏感だった」と振り返った。

ハイラックスではそれほど気にならなかった風がハイエースではもろに横風を受けてしまうなど、ボディサイズ、あるいはパワーによって風の影響は異なる。その受け取る体感の差も、毎日、違うクルマに乗り込んで走破を続けているからこそ、わかることかもしれない。

風の中見つけた進化のための種

日本ではシーズンに1度か2度体験するかどうかの強風が、ほとんど毎日吹き続ける。車両実験部の奥村が指摘するように、強風は危険を容易に引き起こし得る。クルマは、何を想定し、どこまで準備すればいいのか。風によって横転してしまったときのためのカーテンシールドエアバッグが必要なのか。それとも強風を前提としたパワー、あるいは風を避ける空力デザインをもっと洗練させるべきなのか。あるいは、そのすべてなのかもしれない。強風の中を毎日走ることで、走破隊は進化のための種を見つけた。

現地現物はいつも、想像を超えている。

crew’s VIEW 南米大陸で隊員たちが得たもの

本日のメインルートは「風の大地」とも呼ばれるパタゴニア大平原。日本では走行規制がかかるほどの強風も珍しくない。路面コンディションはまずまずの直線なのに、真っ直ぐ走れない…。常にハンドルに修正舵を入れながらの走行に。また、対向車とのすれ違い時の風圧変化や高速域での追い越しなど、大変気を遣う。運転ミスなどにより、一歩間違えば路肩からロールオーバーの可能性も。このような国こそ、カーテンシールドエアバッグが必要では。
2016.11.10 車両実験部 / 奥村浩

【写真】強風に対して行う修正舵 / ドアを開くにも一苦労

海風ではなく海側への強風。ムーチョ、ビエント!(風が強い)を連呼。体験しないとわからないであろう、台風並み?それ以上の風が遮るものなく直接側面から当たる。途中、チリ入国のためのストップや休憩ポイントでは運転席側の扉が簡単に開かない。逆に、停車方向が悪いとドアが持っていかれて壊れるという。女性だと出られないのでは?
2016.11.10 鋳造生技部 / 上本昌彦

【写真】風を遮るものがない道が続く

今日乗ったSW4は強風の中、対向車とのすれ違いでも挙動が乱れず安定しており、安心して運転できました。アルゼンチンには200kmの直線道路から少し曲がってまた200km直線といった道もあるとのこと。他メーカー含めレーンキーピングアシスト(LKA)やレーンディパーチャーアラート(LDA)普及率は非常に少ない。どっしりとした直進性と安心に繋がる予防安全の良いもの(いい味)を安く提供できれば「もっといい」に繋がると感じます。
2016.11.14 凄腕技能養成部 / 佐々木正徳