St Louis Arch : Gateway to the West
Report 2015.07.20-08.03 From BOSTON To AMARILLO
ゲートウェイ・アーチを抜け、アメリカ西部へ
ボストンの美しい町並みを抜け、チームは都市間を結ぶ大きなハイウェイに入った。日本の高速道路とは違い車間距離が近く、車線変更も頻繁に行われるためドライバーには瞬時の判断が求められる。同じクルマでも、国が違えば走りの文化も大きく変わる。ウインカーの合図ひとつをとっても異文化交流だ。
アマチュアドラッグレースとの出会い
アナーバーを通過し訪れたシカゴでの週末、メンバーは、アメリカ各地で行われているアマチュアのドラッグレースを観戦した。目の前を走るのは400 メートルの距離を 6 秒で駆け抜けるクルマ。タイヤはバーンアウトし、会場は独特の焦げた臭いに包まれる。アメリカでは町中でも多くのカスタム車に出会う。クルマの楽しみは乗るだけではなく、観ること、自ら手を加えることなど多様であることを本場のスポーツカーカルチャーは教えてくれる。
クルマが人と土地を結ぶということ
中西部各州にあるトヨタの工場を周りながら、チームは更に西へ進む。ケンタッキーを通過し、訪れたインディアナの生産工場にはクルマの構造やクルマづくりの過程が博物館のように展示されていた。実際に工場で使用されている技術を用いた体験型のデモンストレーションは打ち合わせに訪れた人々や、従業員の家族からも人気だという。「インディアナに多くの雇用を生み出しているこの工場は、離職率も低い。展示やボランティアなど様々な活動を通じて地域と繋がっているんだ」現地のスタッフは話してくれた。
車窓に広がる古き良きアメリカ
セントルイスシティのゲートウェイ・アーチは “ウエストアメリカの入り口”と呼ばれる。アーチを越えハイウェイに入ると東部の景色とは違った景色が広がる。牧草地や荒涼とした平地が続き、まるで時代をさかのぼっているかのように錯覚してしまう。その先に待つのはアメリカンロード、Route66。走破隊の長い旅路は続く。
Column
北米で求められるクルマ。
同じクルマであっても、求められる性能はその国、文化ごとに大きく違う。チームは走破を通じてここ北米で求められているクルマの乗り味を知った。それらはブレーキの感触、ステアリングの重さ、操作の反応速度などクルマの挙動に関わる部分から、デザイン、操作部の配置、ドア開閉時の音といった感覚的な部分まで多岐にわたる。 もちろん個人の趣味嗜好による幅はあるが、求められるクルマには傾向がある。
クルマに必要なのは“パワー”
老若男女に関わらず重要視されているのはトルクと馬力だ。アメリカのカスタマーは“パワー”のないクルマには見向きもしない。仕事でトラックを運転する人はもちろん、キャンピングトレーラーをけん引したり、アウトドア用品を積載したりと、レジャーの移動手段としてもクルマは欠かせないのだ。現地のパーキングで出会ったトラックのドライバーに投げかけられた「日本人は小さいクルマを好んでいるが、バカンスはどうするの?」という言葉には、クルマへ求める “当たり前”の違いが現れていた。