スーパーフォーミュラはトヨタの「ホーム」富士へ。
日本が誇るトップフォーミュラによる超高速バトルに注目
7月16日(土)~17日(日)の両日、静岡県駿東郡小山町に位置する富士スピードウェイで「2016 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第3戦」が開催される。
悪天候によりセーフティカー走行のまま短縮終了という残念な結果となった前戦岡山から約1ヶ月半。舞台は長いストレートを誇るトヨタのホームコース、富士へと移る。
ここまで2戦を終えた今季のスーパーフォーミュラは、ライバル勢の巻き返しとタイヤメーカーの変更により、昨年までとはやや勢力図が変わった状況での争いとなっている。
とはいえ、各チーム/ドライバーの差は小さく、今大会も僅かな違いで大きく順位が入れ替わる激戦となるのは間違いない。この1ヶ月半のインターバルの間にも、各チーム様々な対策や熟成を施してきているはずで、時期的に読めない天候も含め、全く予想の出来ない戦いになりそうだ。
また、この新しいタイヤでは富士でのテストが行われておらず、前日の15日(金)の専有走行からいかにタイヤに合わせたセッティングを早く詰められるかもポイントになるだろう。
トップフォーミュラならではの、300km/hを優に超える日本最速のハイスピードバトルが繰り広げられる富士ラウンド。今大会も見逃せない一戦だ。
ロングストレートが特徴の国際コース
1966年に開設され、60年代から70年代にかけて日本グランプリを開催するなど長い歴史を持つ富士スピードウェイ。2005年にリニューアルオープンし、2007年、2008年にはF1日本グランプリを開催。2012年からは世界耐久選手権(WEC)の1戦に加わるなど、日本を代表するサーキットである。
約1.5kmもの長いストレートが特徴だが、後半には中低速コーナーの連続するテクニカルなセクションもあり、セッティングの難しいコースだ。このロングストレートや序盤の高速コーナーを含む高速セクションと、後半の低速セクションの妥協点をどこに置くかがセッティングのポイント。ストレートエンドでの最高速や、セクター毎のタイムの違いなどから、チーム毎のセッティングの違いを探すのも富士での楽しみ方と言える。
昨年から今年にかけトイレや観戦席の改修があり、カップルや家族連れでも安心してレースを楽しめる。
首都圏から近く、観光地も満載
首都圏から比較的近く、アクセスは容易。自家用車であれば、東名高速道路の御殿場インターチェンジや東富士五湖道路の須走インターチェンジが近い。公共交通機関ではJR御殿場線の御殿場駅もしくは駿河小山駅から富士急行バスもしくはタクシーでのアクセスとなる。また、東名御殿場まで高速バスも利用可能。
宿泊については、御殿場周辺に数多くの施設がある他、ちょっと足を伸ばせば箱根や山中湖などのリゾート地も候補に入るだろう。
富士山周辺、富士五湖や箱根といったメジャーな観光地が近く、温泉や富士サファリパーク、御殿場プレミアムアウトレットや富士急ハイランドなどとの観光と組み合わせたプランも楽しめる。
ただし、メジャーな観光地の多い立地故に、行き帰りの渋滞は慢性的であり、渋滞対策を十分にしておきたい。
岡山で速さを見せた石浦か、昨年圧勝のオリベイラか。
富士育ちの若手やトムス勢の巻き返しにも期待
前戦岡山が悪天候によるセーフティカー走行のみでの短縮終了となったため、今大会は事実上のシーズン2戦目となる。開幕戦鈴鹿では、予選から大荒れの展開となり、予選で2番手につけた国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)がトヨタ勢最上位の2位フィニッシュ。多くの有力ドライバーが下位に沈む大波乱のレースとなった。
前戦岡山は、予選ではディフェンディングチャンピオンの石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が圧巻の全セッショントップタイムでポールポジションを獲得。短縮終了となり、石浦が今季初勝利を挙げる形となった。
この決勝時、不運にもトラブルでリタイアとなったが、予選では2番手につけていたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は、昨年の富士大会で独走優勝を飾っており、富士のトップフォーミュラで過去3勝と非常に得意としている。
今大会、まずはこの石浦とオリベイラの2名が優勝候補の筆頭にあげられるだろう。続くのはこの2人のチームメイト、開幕戦で2位に入った国本と、今季スーパーフォーミュラにデビューしたルーキーながら、開幕戦で予選3位、岡山でもQ3に進出した関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の2人だ。
そして、今季まだ調子が見えていないVANTELIN TEAM TOM'Sの2台。富士で過去5勝と得意にしているアンドレ・ロッテラー、そしてこれまでの富士では7戦中1勝ながら表彰台6回と安定した速さを見せてきた中嶋一貴ももちろん巻き返しを狙ってくるだろう。
そして、そろそろ初勝利が欲しい小林 可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)、昨年ウェットコンディションながら予選で自己最高の4番手グリッドに着けた中山 雄一(KCMG)も、富士で育ったTDP出身ドライバーとして、その活躍に期待したい。
トヨタの「ホーム」富士での夏のスーパーフォーミュラ/フォーミュラ・ニッポンは、2010年以来、連続勝利が続いている。今年も勝って、富士7連勝を期待すると共に、そしてそのドライバーは誰になるのか、注目だ。