ニュルブルクリンクへの挑戦 2008

2014.01.09 ニュルブルクリンクへの挑戦2008

2008.5/10 ニュルブルクリンク4時間耐久レース シェイクダウン・レースレポート

“クルマが持つ本当の魅力と楽しさを伝えたい”をテーマに、2007年、世界最高峰の草レース「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に2台のアルテッツァで出場したTeam GAZOOが、“クルマの味を探求する”をキーワードに新たな挑戦を開始。クルマ作りの終わらない物語は続いていく。

スケジュール
【レース】 日本時間 5/10(土)19:00~(現地時間 5/10(土)12:00~)開催
スケジュール
【レース】日本時間 5/10(土)19:00~
(現地時間 5/10(土)12:00~)開催

味探しの旅、再び。

Team GAZOOの新しい挑戦は、クルマの味探しの旅。ノーマルのスポーツセダンをベースに時間をかけて少しずつ、味の変化を体感しながらカスタマイズを施し、理想の味付けを見出そうというものです。その舞台には、クルマの持つポテンシャルや魅力、楽しさを存分に味わうことが可能なサーキットを選びました。5月にはドイツ、ニュルブルクリンクで開催される4時間耐久レースに出場することが決定。世界中の自動車メーカーが開発テストを行うサーキットに世界の様々なクルマが集まるこのレースは、言わば多国籍料理の複合レストラン、味探しの旅のはじまりに最適なことは言うまでもありません。GAZOO Racing プロジェクトはTeam GAZOOの活動に密着、一部始終をレポートします。クルマの味探しの旅に、あなたも是非ご参加ください。

Team GAZOOが今年のパートナーに選んだのは、LEXUSのスポーツセダンIS250。英国仕様の6速マニュアル車をベースに、ステップ・バイ・ステップでカスタマイズを施していく。先ずはサスペンションを変更、ノーマルに対する“味”の変化を体感しながら少しずつ調整を行っている。

昨年、「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に挑戦したTeam GAZOOのメンバーが今年もステアリングを握る。クルマの名シェフを目指し、五感を研ぎ澄ませて真摯な気持ちでクルマと対話する。対話から味付けのヒントが生まれるという。

5月10日、ニュルブルクリンクで開催される4時間耐久レースでレースデビューする。大きなチャレンジではあるが、通過点に過ぎないとも言える。過酷な環境でこそ得られる感覚を、理想のクルマ作りにいかすことが狙いである。

シェイクダウン(初走行)は雨の中で行われた。気温も低いためにタイヤが温まりにくく非常に滑りやすい路面コンディションだったが…、「滑りやすくて動きがつかみやすかった。今日一日でかなり対話が進んだね」。走行後、上気したドライバーがぽつりとつぶやいた。その言葉は、クルマに語りかけているようにも思えた。

シェイクダウン・レポート

2007年、世界最高峰の草レースといわれるニュルブルクリンク24時間耐久レースに出場したTeam GAZOOのテーマは“腕磨き”。 アルテッツァのレース仕様車を駆ってロングディスタンスの耐久レースを走ることで、レースでだからこそ得られる高速走行下でのハンドリング、 刻一刻と変化する路面状況への対処、視界の利かない夜間走行のテクニック、時間の経過と共に変化するマシンとの対話・・・、 ドライバーとしての五感を磨くことが狙いだった。
Team GAZOOの新たな挑戦のテーマは“味探し”。 ノーマルのレクサスIS250をサーキットでじっくりと味わいながら少しずつ味付けを施し、時間をかけて理想のクルマに仕上げようというもの。 デビューレースとなるニュルブルクリンクの4時間耐久レースへは、 ロールケージやバケットシートなどルールで定められた安全装備やレース用スリックタイヤの他は、あえてサスペンションの変更のみのライトチューニングで出場する。
味探しの旅の始まりの舞台は宮城県のスポーツランドSUGO、緑の森に囲まれアップダウンに富む静かなサーキットは、その規模は違うもののニュルブルクリンクに通じる雰囲気を持っている。 Team GAZOOのメンバーの目には、来たるデビュー戦での活躍シーンが映っていたに違いない。

Day 1

昨年の愛機アルテッツァと共にIS250がサーキットに到着。マシンの仕様は全く異なるが、“ドライビングの魅力を味わう”という大きなコンセプトは同じ。

トランスポーターから慎重にマシンを降ろす。
Team GAZOOメカニックたちの機敏な動きと目の輝きが新たなチャレンジへの期待感を表わす。

オリジナルのGAZOOカラーをまとったIS250は、ピットに納まるやいなやレーシングカー特有のオーラを放つ。歌舞伎調のアイラインからは気迫も…。

安全装備とサスペンション以外はノーマル。ルールでレース用のスリック(溝無し)タイヤを装着する。サスとタイヤが味探しのファーストステップ。安全装備とサスペンション以外はノーマル。ルールでレース用のスリック(溝無し)タイヤを装着する。サスとタイヤが味探しのファーストステップ。

Team GAZOOをリードするキャップから走行前のアドヴァイス。
聞き耳を立てると…「先ずは自由に走って、味わって!」、こちらまでわくわくしてきた。

記念すべきシェイクダウンはTeam GAZOOのモリゾウが担当。やや緊張した面持ちでゆっくりとマシンへ乗り込む。静寂のマシンに赤い魂が入り込むかのよう。

乗車前の緊張した面持ちとは裏腹に、颯爽とピットアウト。
いよいよ“味探しの旅”が始まった。

数周後、早くもストレートでは全開走行へ。
ノーマルマフラーのため排気音は静かだが、軽快な風切り音がスタンドにこだまする。

シェイクダウンにもかかわらず初期トラブルは皆無、順調にスピードアップしていく。コーナーの立ち上がりではトラクションも上手くかかっている。

登りの低速コーナーは難所のひとつ。ブレーキング時の安定した沈み込み、適度なロールを演出するサスペンションセッティングで軽快に抜けていく。

1日目に予定していたプログラムを全てこなした。走行後、モリゾウがキャップにマシンの味を伝える。タイムアタックは行っていないが想定以上の好タイムを刻んだ。

Day 2

2日目はウェットコンディション。レインタイヤを装着して精力的に周回をこなす。ニュルの天候は不安定なだけに、有意義なテスト走行となった。

ヘビーウェットのストレートを全開。ドライバーとマシンの対話も進み、難しいコンディションにもかかわらず安心感すら漂う。シェイクダウンは成功した。

シェイクダウン終了後、コースをじっと見つめるモリゾウの目にはニュルブルクリンクのスタートラインが映るのか。

レースレポート

VLN4はニュルブルクリンクを舞台に年間10戦が開催されるシリーズの第4戦、24時間レースの2週間前に行われることから、最終実戦テストとして出場するチームも多い。エントリー台数は192台、トヨタ・ヤリス(ヴィッツ)からホンダ・シビック、プジョー、BMW、ポルシェ、コルベットに至るまでの世界の様々なクルマと、10代から60代までの幅広い年齢層、アマチュアから現役のプロまでが集結。台数が多いため、ひとつのピットに4~5台のマシンがひしめき合う。スタッフウェアをバリっと揃えた有名レーシングチームと、家族や友人同士で結成した即席チームが同居する。そしてそこにはお互いを尊重して助け合う無言のマナーがある。「ビッグな草レースを、思いっきり戦おう、そして一緒に楽しもう!」ピットのそこかしこから、そんな声が合唱のように聴こえてきた。

Team GAZOOの新しい挑戦は“クルマの味探しの旅”。ノーマルのレクサスIS250を素材に、レースやサーキット走行を通じて感じたことを少しずつフィードバック、味付けを施していこうというもの。旅の始まりの舞台は、昨年、アルテッツァのレーシングカーで“腕磨き”を行ったニュルブルクリンク。自動車メーカーが開発テストを行う全長約24キロのサーキットには、世界中の道路の厳しさが凝縮されていると言われる。サスペンションとルールで定められたロールケージやレース用シートベルトなどの安全装備以外はノーマルのIS250は、仙台SUGOサーキットでのシェイクダウンを終えてそのまま聖地へ運び込まれた。