ニュル24時間レースには、メーカーの威信をかけ参戦するワークスや準ワークスといったチーム、ドイツの地元ディーラーにより結成されたプライベーターなど様々なチームが参戦。
各マシンはそれぞれにレギュレーションが定められたクラスに参戦する。レースは全てのクラスのマシンが一緒になって走る混走で行われるため、台数が多くスタートを3回に分けて行われるほど。性能的に速いマシンからやや劣るマシンまでが同じコースを走り24時間後のゴールを目指すのだ。マシンはクラスごとに順位が出されるほか、クラスの垣根を超え総合順位も発表される。時にはノントラブルで完走した下位クラスのプライベーターが、性能面で上回る上位クラスチームに総合順位で勝つこともあるのも、耐久レースならではの醍醐味だ。
クラス区分を見てみよう。まずニュルの最高峰と言われるのがSP9 GT3クラス。近年、総合優勝はこのクラスで争われている。なお、GAZOO Racingは2010年からSP8クラスでLFAが、2012年から86がSP3クラスから参戦している。
ワークスや準ワークスが参戦するSPクラスのほか、2009年からはディーゼルとターボを組み合わせたD1T~D3T、ハイブリッド車や天然ガス車等で走るクラスもある。ポルシェのハイブリッド車が総合優勝を狙うパフォーマンスを発揮したことも近年では大きな話題を集めており、時代の変化に応じクラスやレギュレーションはその都度、改定されている。
こうしたクラスがある一方、小型ハッチバック等が走るV2~V6といったクラスもある。ここには「ニュルを楽しもう!」というプライベーターの参戦が多く、こうしたクラスがあることも間口の広いニュルならではだ。
厳しいコースを走りきり、ライバルにそして自分自身に打ち勝つことがクラス優勝の絶対条件。その栄誉を手にできるのは「ニュルを制した」わずか1チームのみなのだ。