GAZOO Racing以外にもこれまでニュルに参戦してきた日本勢を紹介しましょう。
まずGAZOO Racingと同じくニュルに挑戦し続けているスバル&STI。2010年~12年にかけてクラス3連覇という偉業を達成してヨーロッパでもファンが多いインプレッサは、厳しい環境のニュルを走り込みその性能を高めていった経緯がある。「TGRF(トヨタ ガズーレーシングフェスティバル)」でもニュルの参戦マシンをデモランさせたことがあるので、LFAや86とともにその勇姿を日本国内で観たという人も多いのでは。
また、世界中のレース、そしてゲームファンを虜にしたプレイステーションのグランツーリスモ。プロデューサーであるポリフォニー・デジタルの山内一典氏もドライバーとしてニッサンGT-Rを駆りこれまでニュルに挑戦しています。ニュルを走り、そしてニュルに惚れ込んだ山内氏が、ゲーム内にニュルブルクリンクをコースとして追加したエピソードも広く知られているところです。グランツーリスモを通じてニュルを初めて知った方も多いのでは?
自動車メーカーだけではない。住友ゴムグループのファルケンがポルシェ911GT3Rや過去にはスカイラインGT-R、フェアレディZでエントリーをしているほか、他チームのマシンにもタイヤ供給するなど、ニュルの厳しい環境のなかで自社商品のブラッシュアップを図っている。
世界中の一般公道の要素を凝縮したコースとも言われるニュルに、日本からも多くの自動車メーカー、パーツメーカーがチャレンジしている。その原動力となっているのは、優勝という栄誉のほかに、自社商品をより高いレベルへと昇華させ、ユーザーへ届けたいというクルマ業界に携わる万人の願いに違いない。