86/BRZ Race
第8戦富士レースレポート

2014.09.20 GR 86/BRZ Race2014

No.82谷口選手がシーズン4勝目を飾りシリーズチャンピオンを獲得

今シーズン最多の91台がエントリーして競われた第8戦の富士スピードウェイラウンド。
どんよりとした曇り空の中で行なわれた前日の予選から一転して好天となった日曜日。まず行なわれたのが41台によって競われた決勝Bレースになる。

ポールポジションのNo.550山口選手はスタートの加速が鈍く、後方集団に飲み込まれてしまう。1コーナーをトップで通過したのは、2番手スタートのNo.312松本選手。それに続いたのは3番手スタートのNo.759安藤選手で、ふたりのデッドヒートが最後まで続き、見事にNo.312松本選手が逃げ切り決勝Bレースのトップチェッカーを受けた。2位はNo.759安藤選手、3位になったのは、40番手スタートから猛追したNo.610元嶋選手だった。

決勝Bレースから2時間半のインターバルを空けて開催された決勝Aレース。
ポールポジションスタートのNo.962織戸選手は、スタートでホイルスピーンを喫し、2番手スタートのNo.30青木選手と3番手スタートのNo82.谷口選手に1コーナーまでに抜かれてしまう。No.82谷口選手は、1コーナーに続くコカ・コーラコーナーでNo.30青木選手を抜くと後続を引き離しにかかる。

5周目までに2位との差を2.1秒まで拡げるが、ここでセーフティカーが導入される。7周目にリスタートが切られ、No.82谷口選手は上手くここでもリードを築く。そのままの勢いを保ちトップでチェッカーを受け、今シーズン4勝目をマーク。年間ポイントランキングで争っていたNo.30青木選手が4位となったことで、2戦を残してシリーズチャンピオンに輝いた。

手厚いサポートにより初心者でも安心してレースを始められる

前戦の第7戦からスタートした「GAZOO Racingチャンレンジプログラム」。この企画は、より簡単にレースを始められるサポート体制を整えていて、車両のレンタル、メカニックの派遣など、参加者は身軽にサーキットに来てレースが行なえる内容になっている。

今回は、2台のチャレンジプログラム車両が用意されていて、No.102高橋正恭選手とNo.103安藤泰敬選手のふたりがエントリーした。

No.102高橋選手は、GAZOO Racing86/BRZレースに参戦している友人のサポート役として毎戦帯同しているが、今回は自らがドライバーとしてエントリーすることになった。仙台ハイランドやスポーツランド菅生をメインにサーキット走行や草レースを行なっているとのことで、公式なレースは初めてだったが、安定した走りをみせてた。決勝Bレースでは、22位からスタートし1周目で6台を抜く快走をみせる。その後も徐々に順位をアップし、12位でゴールした。

「普段からGAZOO Racing86/BRZレースのサポートを行なっているので、ぜひ86でレースに出てみたいと思っていました。そんなタイミングで、チャレンジプログラムができたので飛びつきました。サポートをしているので、一戦あたりどのくらいのコストが掛かっているかわかります。なので、この価格は非常にお得だと思います。レースは、富士スピードウェイを走るのが初めてだったので慣れるのに時間がかかりました。決勝では自己ベストがでたので満足していますが、もう少し上位にいきたいという希望もあったので、それは次回ということにします」とドライバーとしてレースを楽しんでいた様子が見られた。

一方のNo.103安藤選手は、富士スピードウェイのサーキットライセンスを所持し、普段はスポーツ走行を楽しんでいるそうだ。

「みなさん速いドライバーばかりなので、恐る恐る練習走行や予選を走りました。それでも走るごとにタイムがあがっていき、ドライビングが上達している実感が湧いてきました。メカニックの方は親切にクルマの状況や走り方、いろいろなアドバイスを贈ってくれました。もし自らエントリーするとなるとメカニックを探すのも大変ですし、すべてがパッケージになっているチャレンジプログラムは素晴らしいと思います」と手厚いサポートに関心していた。

2戦目になり徐々にタイムアップしているのが楽しい

セ・パ両リーグでホームラン王になった経験を持つ元プロ野球選手の山﨑武司氏。前々回の第6戦富士スピードウェイラウンドでGAZOO Racing86/BRZレースに初参戦し、多くのメディアやファンから注目を浴びていた。その山﨑選手の第2戦目が、今回の富士スピードウェイラウンドになる。

前回のレースの後に86を走らせる時間がなかったそうで、金曜日の練習走行が久々のサーキット走行になったという。それでも、シフト操作のタイミングやコーナーへのアプローチなどのイメージトレーニングは常に行なっていたそうで、それが功を奏して、前回よりも好タイムでの走行となった。

「野球と似ているのは、イメージトレーニングが大事ということです。ホームランを打つイメージを常に頭の中で想像しバッターボックスに入っていましたから。レースでは、1周の周回をイメージしていました。また、レース中は一人ですが、多くのメカニックやサポーターがいることで出場できています。野球でも同じで、裏方の人のサポートがあるからこそ活躍ができたのです」と全く異なるようにみえる野球とレースだが、山﨑選手は似たところも感じ取っているようだ。

予選は前回よりも約2秒タイムアップし総合68位で決勝Bレースに進んだ。24位スタートとなった決勝Bレースでは、序盤に出遅れてしまったが、そのあとに順位を挽回して24位でチェッカーを受けた。

「ボクのような技術でもエントリーできるのがGAZOO Racing86/BRZレースの魅力だと思います。マシンはワンメイクなのでミスしたらその分抜かれますし、自分の力量も判断しやすいです。次戦は最終戦の鈴鹿に出場する予定なので、それまでにはもう少しスキルアップをしたいです」と次戦への豊富を語ってくれた。