TOYOTA GAZOO Racing チャレンジプログラム
世界をめざす新井大輝と勝田貴元が決意表明

2015.06.12 チャレンジプログラム2015

若手ラリードライバーを支援するプログラム 、 6月下旬から欧州でスタート!

「モータースポーツに夢を賭ける若者の情熱を支援したい」、「より多くの方にラリーを知ってもらい、ラリーファン・クルマファンを増やしたい」という思いを込めて立ち上げられたTOYOTA GAZOO Racingチャレンジプログラム。今年の2月19日からカテゴリーを問わずJAF公認競技に参戦経験のある26歳以下の若手ドライバーを対象に公募を開始。公募締切日の3月9日までに、71名のエントリーが集まった。日本全国、さまざまなバックグラウンドを持つドライバーから寄せられた申込書類には、それぞれの情熱、真剣な想いが刻まれていた。

フィンランドで行った2次選考の様子

その中から、厳正な書類選考により7名が1次選考を通過。うち4名が4月末にフィンランドで行われた2次選考に参加した。オリンピック選手など、世界のアスリートも利用するスポーツ機関で行った選考会では、フィジカルテストやメンタルテストに加え、ラリークロストラックや林道でのドライビングテストを実施した。審査はWRCで通算24勝を挙げ、シリーズ4連覇を達成したラリー界のレジェンドであるトミ・マキネン氏や、昨年までWRCに出場し、通算14勝を挙げたミッコ・ヒルボネン氏をはじめとする一流の講師陣が、総合的に評価を行った。講師陣は「4人のレベルが予想以上に高く、いい意味でサプライズだった」と言い、最終的に新井大輝選手、勝田貴元選手の2名を選出した。

フィンランドで行った2次選考の様子

2次選考日程・内容

「優秀な若手を選出できてうれしい
彼らの成長に全力を尽くすつもりだ」

トミ・マキネン氏のビデオレター

フィンランドでの選考会を行ったトミ・マキネン氏は次のように語った。「経験豊富なプロフェッショナルチームがさまざまなテストを行った。選考はとてもうまくいき、その得た結果にはとても満足している。最も可能性を持つドライバーを見つけるのが我々の目的であり、最終的に選出したふたりはどちらもメンタル面がとても強く、ドライビングスキルも高い位置にある。ふたりへのアドバイスは、ひたすらトレーニングを続けること。我々も、フィンランドで可能な限りふたりが高いレベルに成長できるようにサポートするつもりだ」

トミ・マキネン氏のビデオレター
  • トミ・マキネン
    トミ・マキネン
    フィンランド・プーポラ出身。1987年にWRCデビューを果たし、マツダ、日産、三菱、スバルと日本のワークスチームに在籍した。96年から99年まで三菱ランサーエボリューションを駆りシリーズ4連覇を達成。2003年の引退までに通算24勝を挙げた。引退後、トミ・マキネン・レーシングを設立し、数々のラリードライバーを輩出している。
  • ミッコ・ヒルボネン
    ミッコ・ヒルボネン
    マキネンと同じ、フィンランド出身のラリードライバー。2002年にラリーフィンランドでWRCデビュー。2004年にはマキネンの推薦でスバルのワークスチームに所属したことから日本でも馴染みがある。その後フォード、シトロエン、フォードと渡り歩き、2014年に引退するまでにWRCで4度のシリーズ2位に輝いた。
  • 新井 大樹 (HIROKI ARAI)
    「TOYOTA GAZOO Racingチャレンジプログラムのドライバーに選ばれて、本当に光栄です。ラリーは実戦に出てみないと、ドライバーにとって本当に大事なことは何なのか分かりにくいことが多く、実戦で失敗して初めて気づくというリスクがあります。このプログラムでは何が危なくてどこに気をつけるべきかといったことを基礎から学ぶことができると期待しています。将来的にはWRCで戦うという夢を持っているのですが、正直、僕はまだドライバーとして技術的にそのレベルには達していません。ヨーロッパのラリーで経験を積み、ひとつひとつのラリーを今まで以上に集中して走り、スキルを上げていきたいと思います。今回のオーディションには自分の友人など数多くの人が応募しました。その仲間たちへの思いも込めて、少しでも次に繋がるように一生懸命頑張っていきたいと思っています」

    [2次選考]ドライビングムービー

  • 勝田 貴元 (TAKAMOTO KATSUTA)
    「12歳でレーシングカートを始めてからF3まで、ずっとレースで頑張ってきましたが、昨年末に決意してラリーに専念することにしました。このような機会を与えられ、今まで以上に真剣にラリーに取り組んでいきたいと思います。僕はWRCに出場し、日本人初のワールドチャンピオンになりたいという夢を持っていますが、現実的にはラリーでの経験が少なく、ドライビング技術もまだまだ世界のトップドライバーと戦えるレベルではありません。今回このプログラムで技術を磨き、チャンピオンになるという自分の夢に少しでも近づけるように、精一杯努力したいと思います。そして国内では経験できない海外ラリーの経験を積み、自分に負けることなく芯をしっかり持ってやるべきことをやりたいと思います。2次選考では、同じ志を持つ仲間たちと出会うこともできました。その仲間たちの分まで、全力で頑張っていきます」

    [2次選考]ドライビングムービー

フィンランド、ポーランドで国内選手権に参戦

TOYOTA GAZOO Racingチャレンジプログラムでは、トミ・マキネン氏監修のもと、ヨーロッパを舞台にトレーニングとラリー参戦を計画している。6月下旬と8月上旬にフィンランドでトレーニングを行い、8月27~29日と9月24~26日にフィンランド国内選手権、10月16~18日にポーランド国内選手権に出場を予定している。またふたりは、「人を鍛え、クルマを鍛える」を目標に、今年からトヨタの社員チームとして全日本ラリー選手権に挑戦しているTeam TOYOTA GAZOO Racingのドライバーとしても活動する。7月24~26日に開催される全日本ラリー選手権第5戦には勝田選手が、10月30日~11月1日の第9戦には新井選手と勝田選手が、社員メカニックが製作したトヨタ・ヴィッツGRMNターボで参加する。

 

新井選手と勝田選手の世界へ羽ばたく夢への大きな挑戦がスタートする。TOYOTA GAZOO Racingは、その挑戦を積極的に支援、応援し、彼らの活躍に期待すると同時に、今回応募いただいた全ての方が、引き続き、より熱くモータースポーツを盛上げてくださることを期待している。

● 欧州

  1. 6月下旬
    現地トレーニング1回目
  2. 8月上旬
    現地トレーニング2回目
  3. 8月27~29日
    Turku Rally 参戦(フィンランド国内選手権)
  4. 9月24~26日
    Tampere Rally 参戦(フィンランド国内選手権)
  5. 10月16~18日
    RallyDolnoslaski参戦(ポーランド国内選手権)

● 国内

  1. 7月24~26日
    全日本ラリー選手権第5戦(福島)勝田選手
  2. 10月30日~11月1日
    全日本ラリー選手権第9戦(愛知)新井選手、勝田選手

※Team TOYOTA GAZOO Racingとして参戦。参戦車両はトヨタ・ヴィッツGRMNターボ(JN5クラス)