TRDラリーチャレンジ Rd6 in 弘前レポート

東北初開催となる弘前ラウンド。レベルの高いハードな一戦!

2015.07.21 TRDラリーチャレンジ2015

地元の方の協力のもと、ラリーチャレンジはついに東北上陸

灼熱の高山戦から1週間後となる7月19日、青森県弘前市においてTRDラリーチャレンジカップin弘前が開催された。台風の影響で開催が心配されたが、幸い天候は曇りで推移し無事開催の運びとなった。
JMRC東北シリーズ「ツール・ド・東北」へTRDクラスとして編入された本戦には14台のラリーカーがエントリー。遠くは愛知から青森にラリーカーが集結、岩木山百沢スキー場の駐車場をスタート地点として弘前市内を120kmの行程で走行した。

  • 前日はウェルカムパーティが開催され、地元のホタテやりんごジュースなどが振る舞われた。
    前日はウェルカムパーティが開催され、地元のホタテやりんごジュースなどが振る舞われた。
  • 時折雨粒が落ちる場面もあったが、フィニッシュまで天候が荒れることもなくラリーは続いた。
    時折雨粒が落ちる場面もあったが、フィニッシュまで天候が荒れることもなくラリーは続いた。

トップラリーストも唸るハードなステージ

弘前ラウンドは3つのグラベル(未舗装)林道スペシャルステージ(以下SS/タイムアタック区間)と、1つのターマック(舗装路)SSで構成された。グラベルSSは、それぞれ性格の違う路面状況となる。序盤使用されるSSは深めの砂利路面。ラリーカーが走行を重ねる度に路面が掘られ、マシンを安定させるのに苦心することとなる。
午後セクションで使用されるダートSSは舗装路面とのミックスとなり、路面の切り替わりに細心の注意が必要となる。また、ダートの質も硬質なものとなり、前半SSとは違ったドライビングスタイルを要求される難しいラリーとなった。

  • 道幅が狭く立体的にコーナーが迫る難コースの攻略に選手たちは試行錯誤を繰り返す。
    道幅が狭く立体的にコーナーが迫る難コースの攻略に選手たちは試行錯誤を繰り返す。
  • 唯一のターマックSSは岩木山百沢スキー場でのギャラリーSS。多くの観客の前で華麗なコーナリングを披露した。
    唯一のターマックSSは岩木山百沢スキー場でのギャラリーSS。多くの観客の前で華麗なコーナリングを披露した。

ベテラントップラリーストの走りを目の当たりにする

5台のエントリーとなったエキスパート86のE-2クラスには、全日本ラリー選手権において現役で活躍するベテランドライバーの石田雅之選手がエントリー。タッグを組むのは、こちらも全日本ラリー選手権で石田選手のコ・ドライバーとして活躍した高杉哲也選手。約20年ぶりに復活した「昔のコンビ」の走りに注目が集まった。現在、全日本ラリー選手権で乗る86とは全く違う挙動のマシンながら、それを自在に操りSS1からトップタイムを連発する。結果的には、ほとんどのSSでトップタイムを記録し、他車に1分以上の差をつけての圧倒的な勝利となった。現在シリーズランキングトップの角谷・秋田組も石田組に迫る走りを見せたが、SS3でのロスタイムが響き下位に沈んだ。

  • 約20年ぶりというコンビ復活。高杉選手は10年以上ブランクがある競技参加だったが、すぐに勘を取り戻していたようだ。
    約20年ぶりというコンビ復活。高杉選手は10年以上ブランクがある競技参加だったが、すぐに勘を取り戻していたようだ。
  • 石田・高杉組に迫る高タイムを連発していた角谷・秋田組。SS3でのタイムロスが悔やまれる。
    石田・高杉組に迫る高タイムを連発していた角谷・秋田組。SS3でのタイムロスが悔やまれる。

ダートの経験値が勝負を分ける

86チャレンジのC-3クラスには3台の86が参戦。シリーズポイントを争う増元・大矢組と種治・坂井組の直接対決となる。抜きつ抜かれつの攻防が続くなか、種治・坂井組がターマックSSにおいて総合1位の素晴らしい走りを見せたが、グラベルコースの経験がある増元・大矢組に軍配が上がった。
E-3クラスには、現在シリーズポイント1位の加藤選手が、地元出身の山崎選手をコ・ドライバーに迎えてエントリー。レース前には「クラスに1台しかいないので完走できればいいと思っていますが、どこかのSSで総合1位を狙いたいですね」と語っていた加藤選手。1位こそ叶わなかったが、E-2クラスに匹敵するスピードで見事な走りを披露した。

  • ギャラリーSSで総合トップタイムを記録した種治・坂井組。グラベルコースは初めてとのことで苦戦したが、ターマックで存在感を見せた。
    ギャラリーSSで総合トップタイムを記録した種治・坂井組。グラベルコースは初めてとのことで苦戦したが、ターマックで存在感を見せた。
  • 完走すればポイントゲットできる加藤・山崎組だったが、最後まで攻めの走りを見せた。
    完走すればポイントゲットできる加藤・山崎組だったが、最後まで攻めの走りを見せた。

ヴィッツでエキスパート86クラスに割って入る好走

ヴィッツエキスパートのE-1クラスでは、行徳・吉澤組が序盤から素晴らしい走りを見せる。クラストップのみならずE-2クラスにも食い込む走りを見せ、見事総合3位を獲得。E-2クラスに参戦しているチームメイトと2位・3位を獲得する素晴らしい結果となった。
C-2クラスにはランキングトップの天野・森組が参戦。高山戦ではマシントラブルに苦しんだが、一週間でマシンを再調整しての参加。E-3加藤組に次ぐタイムで復活をアピールした。
次戦は一ヶ月後のチャレンジカップin丹後半島。まだまだ分からないシリーズの行方に注目が集まる。

  • 今回の優勝で、シリーズポイントランキング2位に躍り出た行徳選手。E-1クラスのバトルはまだまだ続きそうだ。
    今回の優勝で、シリーズポイントランキング2位に躍り出た行徳選手。E-1クラスのバトルはまだまだ続きそうだ。
  • チャレンジングな難コースながら、一台もリタイヤすることなく弘前ラウンドは無事終了した。
    チャレンジングな難コースながら、一台もリタイヤすることなく弘前ラウンドは無事終了した。

クラス別順位結果(上位3クルー)

class - E-2
1位 ドライバー/コ・ドライバー
石田 雅之/高杉 哲也
トヨタ 86
2位 ドライバー/コ・ドライバー
伊豆野 康平/KAZ SUZUKI
トヨタ 86
3位 ドライバー/コ・ドライバー
小倉 康宏/高田 高志
トヨタ 86
class - C-3
1位 ドライバー/コ・ドライバー
増元 信彦/大矢 啓太
トヨタ 86
2位 ドライバー/コ・ドライバー
種治 芳尚/坂井 理紗
トヨタ 86
3位 ドライバー/コ・ドライバー
原田 京輔/三輪 静秋
トヨタ 86
class - E-3
1位 ドライバー/コ・ドライバー
加藤 英祐/山崎 和博
トヨタ レビン
   
 
 
   
 
 
class - E-1
1位 ドライバー/コ・ドライバー
行徳 聡/吉澤 慎司
トヨタ ヴィッツ
2位 ドライバー/コ・ドライバー
石田 貴久/神谷 香央里
トヨタ ヴィッツ
3位 ドライバー/コ・ドライバー
稲垣 和也/町田 亜矢
トヨタ ヴィッツ
class - C-2
1位 ドライバー/コ・ドライバー
天野 浩明/森 凌
トヨタ ヴィッツ
   
 
 
   
 
 

※C-1はクラス不成立。TRDラリーチャレンジのクラス区分はこちらを参照ください。