レース車両解説
"公平な競争"を目指した厳しい技術規定
NASCARシリーズに参戦する車両はイコールコンディションを保つため、技術規定、特にハイテクに関して厳しく設定されている。エンジン搭載方式はフロントエンジン-リアドライブ(FR)方式で、搭載されるエンジンは今としては珍しいOHVのみとされ、一般的なOHCやDOHCエンジンの搭載は禁止。ターボなどの過給器も禁止されている。2011年までは燃料供給もキャブレーターを使用していたが、2012年よりスプリント・カップ・シリーズのみ統一の電子制御燃料噴射装置と電子制御ユニットが採用されることとなった。また、2011年シーズンから環境に配慮しエタノールを15%配合したE15燃料が導入されている。
NASCARのトップシリーズである「スプリント・カップ・シリーズ」、続くシリーズに位置する「ネイションワイド・シリーズ」にはトヨタはカムリを投入。ピックアップトラックによって争われる「キャンピング・ワールド・トラック・シリーズ」では、タンドラが参戦。3つのシリーズに投入されるエンジンはいずれもTRD-USAが基本設計した5.8リッターV8 OHVエンジンが搭載され、スプリント・カップ仕様が800馬力以上、ネイションワイドとキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ仕様はNASCARから支給されるリストリクター(吸気制限装置)で馬力が制限されるものの、700馬力以上を発揮する。
エンジン仕様などが厳しく制限されるのと同様にギア比もコースごとに指定され、機構的にエンジン回転数や馬力競争にならないような規則となっている。トランスミッションはマニュアルの前進4段/後退1段の組み合わせが採用されている。
スーパースピードウェイ(デイトナとタラデガの二箇所)では、スプリント・カップ・シリーズのエンジンにもNASCARから支給されるリストリクター・プレートの装着が義務付けられ、出力が制限される。
ブレーキに関しても高価な素材が禁止され、カーボン素材を使うF1などとは違い、スチール製に制限。電子制御システムの使用も許可されず、ABSなどのドライバーエイドはない。タイヤはグッドイヤーによる一社供給(ワンメイク)となっており、レーストラックごとに決められたタイヤの使用が義務付けられている。レース中に使用できる数は6から12セットとレーストラック毎に異なる。
車両の運動特性を決定づける寸法に関しても規定があり、ホイールベースはスプリント・カップとネイションワイドが110インチ(約2,794mm)、キャンピング・ワールド・トラックは112インチ(約2,845mm)と決められている。
また、空気抵抗などの空力性能による車種ごとの有利・不利が生じないために、ボディの形状も規定されている。スポイラー類の形、取り付け位置・角度に加えて、フロントウインドーの角度まで規定し、全車がほぼ同じ条件で戦えるように徹底した規則となっている。
スプリント・カップ・シリーズでは、今シーズンより2012年シーズンまで使用された車両に代わり、新規定の車両 2013 Camry Toyotaが採用されることとなった。この新規定では、2010年より一部採用されたネイションワイド・シリーズの新型車両で好評だった、「より市販車のイメージを反映する」ことを重視し、デザインの自由度が高められた。
もちろん、空気抵抗などの空力性能による車種ごとの有利・不利が生じないよう留意されており、各マニュファクチャラーが独自に形状を設計した部分については、NASCARでの風洞実験による承認を得る必要がある。
また、ボンネットフードとリアトランクフードがカーボンファイバー化されるなど、軽量化と重心低下も進められ、空気抵抗減少と相まってこれまでよりもハイスピードな迫力あるバトルが期待される。
NASCARのトップシリーズである「スプリント・カップ・シリーズ」、続くシリーズに位置する「ネイションワイド・シリーズ」にはトヨタはカムリを投入。ピックアップトラックによって争われる「キャンピング・ワールド・トラック・シリーズ」では、タンドラが参戦。3つのシリーズに投入されるエンジンはいずれもTRD-USAが基本設計した5.8リッターV8 OHVエンジンが搭載され、スプリント・カップ仕様が800馬力以上、ネイションワイドとキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ仕様はNASCARから支給されるリストリクター(吸気制限装置)で馬力が制限されるものの、700馬力以上を発揮する。
エンジン仕様などが厳しく制限されるのと同様にギア比もコースごとに指定され、機構的にエンジン回転数や馬力競争にならないような規則となっている。トランスミッションはマニュアルの前進4段/後退1段の組み合わせが採用されている。
スーパースピードウェイ(デイトナとタラデガの二箇所)では、スプリント・カップ・シリーズのエンジンにもNASCARから支給されるリストリクター・プレートの装着が義務付けられ、出力が制限される。
ブレーキに関しても高価な素材が禁止され、カーボン素材を使うF1などとは違い、スチール製に制限。電子制御システムの使用も許可されず、ABSなどのドライバーエイドはない。タイヤはグッドイヤーによる一社供給(ワンメイク)となっており、レーストラックごとに決められたタイヤの使用が義務付けられている。レース中に使用できる数は6から12セットとレーストラック毎に異なる。
車両の運動特性を決定づける寸法に関しても規定があり、ホイールベースはスプリント・カップとネイションワイドが110インチ(約2,794mm)、キャンピング・ワールド・トラックは112インチ(約2,845mm)と決められている。
また、空気抵抗などの空力性能による車種ごとの有利・不利が生じないために、ボディの形状も規定されている。スポイラー類の形、取り付け位置・角度に加えて、フロントウインドーの角度まで規定し、全車がほぼ同じ条件で戦えるように徹底した規則となっている。
スプリント・カップ・シリーズでは、今シーズンより2012年シーズンまで使用された車両に代わり、新規定の車両 2013 Camry Toyotaが採用されることとなった。この新規定では、2010年より一部採用されたネイションワイド・シリーズの新型車両で好評だった、「より市販車のイメージを反映する」ことを重視し、デザインの自由度が高められた。
もちろん、空気抵抗などの空力性能による車種ごとの有利・不利が生じないよう留意されており、各マニュファクチャラーが独自に形状を設計した部分については、NASCARでの風洞実験による承認を得る必要がある。
また、ボンネットフードとリアトランクフードがカーボンファイバー化されるなど、軽量化と重心低下も進められ、空気抵抗減少と相まってこれまでよりもハイスピードな迫力あるバトルが期待される。
Engine | |
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Type | Toyota Camry Racing V8 |
Displacement | 358 cu. in. |
Power | 800 hp |
Induction | Electronic Fuel Injection |
Bore | 4.185 in. |
Stroke | 3.250 in. |
Compression Ratio | 12.0:1 |
Engine Design | TRD, U.S.A. (Toyota Racing Development) |
Fuel | Sunoco Racing Gasoline, E-15 |
Drive Train | |
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Transmission | 4-speed manual w/ reverse |
Clutch | 3-disc |
Final Drive | 9-in. ring-and-pinion |
Chassis/Body | |
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Chassis | Steel tube frame with safety roll cage |
Body | Toyota Camry |
Designer | TRD, U.S.A. |
Suspension | |
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Front | Unequal length double wishbones |
Rear | Trailing arms with Panhard rod |
Shock Absorbers | Hydraulic, single adjustable |
Wheels & Tires | |
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Wheels | NASCAR Steel 15 in. x 10 in. |
Tires | Goodyear Eagle |
Brakes | Cast-iron disc with multi-piston caliper |
Dimensions | |
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Weight | 3300 lb. |
Length | 198.25 in. |
Width | 77 in. |
Height | 54.25 in. |
Wheelbase | 110 in. |
Fuel Capacity | 18 gal. |
Additional Features | |
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Safety | 6-point safety belts Window net Fire system in cockpit and trunk areas Side-impact energy-absorbing foam Roof Flaps Hood, trunk, wing and spindle restraints |