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NASCARとは?

NASCARとは?

ほぼ毎週のレースが超満員、アメリカ中が見守る大人気シリーズ

SUPER nascar レース中のバトル
 アメリカでは、日本やヨーロッパとは一味違う形式のレースが非常に盛り上がっている。そのひとつが、オーバルコースでのレースをメインに行われるNASCARシリーズ。NASCARはNational Association for Stock Car Auto Racing, Inc.という主催団体の名称の頭文字からつけられている。

 NASCARシリーズは、ストックカーと呼ばれるストック(市販)車両を使用したレースとして始まっているが、60年もの歴史の中での進化や観客が見て楽しめる規則の導入などにより、現在では市販車とはまったく違うレース専用車両で行われている。パイプフレームで組まれた頑丈な車体に市販車に似せた形状のボディが被せられ、規定により各部の仕様や寸法が細かく制限されている。これらは、ベースとされる市販車の選択や、独自の装備によってレース結果が左右されないことを目的としている。

SUPER nascar レース中のバトル
 NASCARの中でも最上位に位置する「スプリント・カップ・シリーズ」、続いて2番目のシリーズである「ネイションワイド・シリーズ」、ピックアップトラック形状のボディで争われる「キャンピング・ワールド・トラック・シリーズ」の3つが有名。スプリント・カップとネイションワイドの両シリーズは2008年から、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズは2009年から、名称が変更されている。それまではそれぞれ「ネクステルカップ・シリーズ」、「ブッシュ・シリーズ」、「クラフツマン・トラック・シリーズ」と呼ばれていた。
 この3シリーズすべてにトヨタのレースカー・レーストラックが参戦、スプリント・カップとネイションワイドにはカムリを、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズにはタンドラを走らせている。

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 2004年から参戦を開始したタンドラは参戦3年目となる2006年にドライバーズとマニュファクチャラーズ(製造者)のダブルチャンピオンを獲得。以降マニュファクチャラーズタイトルは10年まで5年連続で獲得し、08年と10年にはドライバーズタイトルも奪還した。また、07年が参戦初年度であったカムリは、08年にネイションワイド・シリーズで20勝をあげマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得、09年にはマニュファクチャラーズチャンピオンと共にドライバーズチャンピオンとオーナーズチャンピオン(車両オーナーにかかる選手権)のトリプルタイトルを獲得。10年もマニュファクチャラーズタイトルとオーナーズタイトルを制した。スプリント・カップ・シリーズでは08年第4戦アトランタで記念すべき初優勝をあげると、その後も着実に勝利を重ね、タイトル争いに加わるまでになった。10年はデニー・ハムリンが最終戦までタイトルを争ったが、惜しくもドライバーズランキング2位に終わっている。

 2013年シーズンは、スプリント・カップ・シリーズが通常のシリーズ36戦に加え、オールスター戦、エキシビションレースなどがスケジュールされ、ネイションワイド・シリーズは全33戦、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズでは全22戦が組まれている。シーズン中はアメリカ各地でほぼ毎週のようにレースが行われ、どのレースも多くの観客が詰めかけ。テレビの視聴率も非常に高い人気スポーツイベントである。

 スプリント・カップ・シリーズ開幕戦のデイトナ500は、観客数18.2万人、賞金総額約1870万ドル(約15億円)、優勝賞金は約150万ドル(約1億2500万円)。最後尾43位の賞金ですら約26万ドル(約2200万円)と、NASCARシリーズの中で最も大きなイベントである。

NASCARシリーズポイントシステム

ドライバーズ、オーナーズポイント

SUPER nascar レース中のバトル
 2011年シーズンから、よりわかりやすいシステムを目指すと共にレース優勝の価値を更に高めるべく、ポイントシステムが大幅に変更された。基本ポイントとして優勝ドライバーに43点、以下2位が42点、3位が41点と1点ずつ減っていき、最下位の43位のドライバーは1点が与えられる。但し、優勝ドライバーには3点、レース中に1度でも首位でスタート/フィニッシュラインを越えた(リードラップ獲得)ドライバーに1点、レース中の最多リードラップ獲得ドライバーに1点のボーナスポイントがそれぞれ加えられる。尚、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズは決勝レースの出走台数が36台のため、最下位36位のドライバーは8点を得ることとなる。

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 また、2011年よりドライバーズチャンピオンシップについては、参戦ドライバーが3シリーズのうちいずれかひとつのみを選択することとなった。この変更は、ネイションワイド・シリーズやキャンピング・ワールド・トラック・シリーズにおける若手ドライバーの活躍の場を増やす狙いがある。スプリント・カップ・シリーズを選択したドライバーは、ネイションワイド・シリーズに出場してもドライバーズポイントは得られない。他シリーズのドライバーが上位に入った場合も、シリーズのレギュラードライバーには順位に相当するポイントが与えられる。たとえばネイションワイド・シリーズのレースで、スプリント・カップ・シリーズのドライバーがトップ3フィニッシュし、ネイションワイド・シリーズのドライバーが4位に入った場合、上位3名はポイント無し、4位のドライバーには40点が与えられる。但し、オーナーズポイントについてはドライバーにかかわらず、全車両に与えられる。

※ごくまれにレース中にドライバーが交代することがあるが、その場合はレースをスタートしたドライバーにポイントが与えられる。

マニュファクチャラーズポイント
決勝順位 優勝 2位 3位 4位
ポイント 9 6 4 3
スプリント・カップ・シリーズ独自のチャンピオンシップ戦(チェイス戦)

チャンピオンを決める"チェイス"戦のルールも2011年より変更された。優勝回数が多いのにもかかわらずチェイスに進出できないといったことのないように、残り10戦となる第26戦終了時のドライバーズポイント上位10人と、その時点でのランキング11位から20位までの中で優勝回数が多い上位2名がチェイス戦に進出できる。チェイス入りを果たした12名のドライバーズポイントはリセットされた上で26戦までの優勝回数×3点のボーナスポイントが与えられ、残り10戦でチャンピオンを争う。