スーパーフォーミュラ 2015年 レース車両解説
"クイック&ライト"がコンセプトのSF14
新時代のレーシングエンジン"RI4A"を使用
スーパーフォーミュラも昨年からテクニカルレギュレーション(車両規定)が一新されている。すなわちシャシーはイタリアの有力コンストラクターであるダラーラ社が製造するSF14で、エンジンはSUPER GTと同じく2リッター直4の直噴ターボ。タイヤは引き続きブリヂストン製のコントロールタイヤを使用する。車両の基本コンセプトは"クイック&ライト"。これはフォーミュラカーの原点とも言うべきもので、車両重量が軽くなったことに加えてブレーキ・ローター(ディスク)がカーボン製に変更されたことで、ブレーキのパフォーマンスが格段に向上したことも、新型車両の運動性能を大きく引き上げることに繋がっている。
トヨタで開発した新規定に対応したエンジンは、2リッター直列4気筒の直噴ターボの"RI4A"。SUPER GTに参戦しているLEXUS RC Fが搭載している"RI4AG"とは、その型式からも分かるように基本は同じだ。
スーパーフォーミュラでも出力制限が実施されている。2013年までは、点火系をエンジン回転数で制御するレブリミッターを採用していたが、2014年からは"燃料流量リストリクター"となった。これは燃料の時間あたりの流量を制限することで、最高出力を制限しようというもの。昨年は基本的に100kg/h(1時間当たり100kg)だったが、今季は基本95kg/hに絞られた。一部のサーキットでは安全面から、さらに絞られることになる。
スーパーフォーミュラの特長でもあるオーバーテイク・システムは、新規定になっても採用されている。新規定では燃料流量リストリクターの上限を20秒間にわたり一定量大きくして出力を挙げ、ドライバーのオーバーテイクを支援する。
昨年の開幕戦から導入されたSF14は、軽量化とより強烈なダウンフォース生み出す空力特性などが相まって、鈴鹿サーキットでは「コーナリングはF1カーよりも速い」と噂され、また富士スピードウェイでは最高速が300km/hを優に超えるなど、トップフォーミュラに相応しい速さをアピール。2014年は開催5サーキット中、4つのコースレコードを更新している。
エンジン | |
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エンジン型式 | RI4A |
排気量 | 2,000cc |
気筒数 | 直列4気筒直噴 |
過給器 | ターボチャージャー(ギャレット製) |
重量 | 85kg |
出力 | 550馬力(405kw)以上 |
出力制限方法 | 燃料リストリクターによる燃料流量制限 |
シャシー | |
車両名称 | ダラーラSF14 |
全 長 | 5,268mm |
ホイールベース | 3,165mm |
全幅 | 1,910mm |
全高 | 960mm |
最低重量 | 660kg(ドライバー搭乗時) |
ギアボックス | リカルド前進6速/パドルシステム |
ブレーキ | ブレンボキャリパー&ブレンボカーボン製ディスク |
ステアリングシステム | KYB電動パワーステアリングシステム |
フロントサスペンション | プッシュロッドトーションバースプリング |
リアサスペンション | プッシュロッド |