2015年型TS040 HYBRID レース車両解説
2015年型TS040 HYBRIDは、2014年にタイトルを獲得したTS040 HYBRIDの進化モデルです。進化型とはいえ、空力を最新のものに改良したのを始め、ボディ前端のクラッシャブルストラクチャーを含めて見直し、タイヤを今まで以上に効率良く使える様にサスペンションを設計し直し、加えて重量の軽減に努めました。
2015年型TS040 HYBRIDは、これまで高い信頼性を誇ってきたトヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)をパワートレインに採用します。このシステムは非常に高い熱効率を誇り、総出力1000馬力以上を発揮します。
昨シーズン同様、TS040 HYBRIDのERS(エネルギー回生システム)は放出エネルギー量6MJを採用しますが、更なる性能のためスーパーキャパシタの構造変更も行っています。
チームは今年もふたつの空力パッケージを準備しています。ル・マン仕様は高速なル・マンのサーキットでの走行に向けて準備したもので、もう一方のスプリント・パッケージはリアウィング、エンジンカバー、フロントのボディワーク等に手を加え、高いダウンフォースを発生しています。
| 主要諸元 | |
|---|---|
| 名称 | TS040 HYBRID |
| タイプ | ル・マン プロトタイプ(LMP1) |
| 車体構造 | カーボンファイバーコンポジット |
| ウインドスクリーン | ポリカーボネート製 |
| ギヤボックス | 横置きシーケンシャル7速ギアボックス |
| ギヤボックスケーシング | アルミニウム製 |
| クラッチ | ZF社製 マルチディスク |
| ディファレンシャル | ヴィスカス機械ロック式ディファレンシャル |
| サスペンション | プッシュロッド式独立懸架ダブルウイッシュボーン(前後) |
| スプリング | トーションバー |
| アンチロールバー | 前後 |
| ブレーキ | 2系統油圧式ブレーキシステムモノブロック軽量合金キャリパー(前/後) |
| ブレーキ・ディスク | カーボン製ベンチレーテッド・ディスク(前/後) |
| ホイール | レイズ社製 マグネシウム鍛造ホイール |
| フロントホイール・サイズ | 13 × 18 インチ |
| リアホイール・サイズ | 13 × 18 インチ |
| タイヤ | ミシュラン・ラジアル |
| フロントタイヤ・サイズ | 31/71-18 |
| リアタイヤ・サイズ | 31/71-18 |
| 全長 | 4650mm |
| 全福 | 1900mm |
| 全高 | 1050mm |
| 燃料積載量 | 68.5リットル |
| パワートレイン | TOYOTA HYBRID System - Racing (THS-R) |
| エンジン | 90° V8 自然吸気エンジン |
| エンジン排気量 | 3700cc |
| エンジン出力 | 382kw/520馬力以上 |
| 燃料 | ガソリン |
| バルブ数 | 4 |
| ハイブリッドパワー | 前輪+後輪:354kw/480馬力以上 |
| エンジン最高出力 | 736kw/1,000馬力以上(エンジン+ハイブリッド モーター) |
| キャパシタ | 日清紡ホールディングス社製 |
| 前輪ハイブリッドモーター | アイシン・エィ・ダブリュ社製 |
| 後輪ハイブリッドモーター | デンソー社製 |
| 後輪インバーター | デンソー社製 |
| シートベルト | タカタ社製 6点フルハーネス |