トークショーでは質問コーナーも設けられ、参加したゲストに参加者が直接質問する機会も。「観戦におすすめのグランプリを教えてください」「F1ドライバーになったきっかけを教えてください」といった質問がラルフ選手に飛んだ。また、出席したゲストから貴重な話が飛び出すなど、トヨタF1チームの熱意と頑張りが伝わった。
午後1時からは同じくMEGAWEB内1階のMEGAステージで『ラルフ・シューマッハー トークショー』が開催。500枚用意した入場整理券はあっという間になくなり、急遽250枚を追加する盛況ぶりだった。会場の後方に位置するエスカレーターから登場してファンの不意をついたラルフ・シューマッハーは、「こんなに大勢集まってくれて本当にうれしい気分」とまずはひと言。「TF105は期待通りの仕上がりで、いい状態でシーズンのスタートに臨める。この調子で開発を進めれば、シーズンの半ばにはかなりいい線行っているはず」とチームの戦力を予想した。
また、高橋DTCは「空力パッケージは毎戦アップデートする」と攻めの姿勢を約束。木下TMG副社長が補足し、その背景には昨年導入した大型のコンピューターが威力を発揮していることを明らかにした。「コンピューターが大きくて東富士研究所に入りきらなかったので、本社の電算ビルに入れてもらい、端末だけを東富士に置いています。従来、風の流れを計算できるのは10cm程度の小さな部品だけでしたが、これで車両全体の計算を短時間でできるようになりました」
ドイツ・ケルンのTMGと日本の東富士研究所の連携は、以前にも増して協調し、開発能力の向上が進んでいるという。
お台場に集結した大勢のファンに対して、意気込みを伝えたラルフ一行は、東京のビッグタウンのひとつ、池袋にあるトヨタの大規模ショールーム、アムラックス東京に移動。こちらでもトークショーが開催された。
「F1カーの重量は600kgですが、それにかかるダウンフォースは1.8t(トン)。つまり、1.8tの下向きの力でF1を押さえつけていることになります。それが、今年のレギュレーション変更で25%減ることになりました。失った分をどう取り戻すかが、速さを決めるカギ」と、高橋DTCは集まったファンに懇切丁寧なレギュレーション解説をする場面もあった。
ファンの熱気と声援に包まれたステージで、ラルフ・シューマッハーは、「暖かい歓迎をありがとう」と返礼。「今シーズンは厳しい戦いになると思うけど、これまでよりいい成績を残すことができそう。ぜひ、鈴鹿でお会いしましょう」と締めくくってアムラックス東京を後にした。
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