残念な結果に終わった先週の開幕戦バーレーンGPのあと、パナソニック・トヨタ・レーシングは、3月17日(金) マレーシアGPの公式練習で改善への作業を開始した。マレーシアのクアラルンプール近郊に位置する
セパン・サーキットはこの日、曇り空ながら午後のセッションでは気温が36度を超える猛暑の中、ラルフ・ シューマッハーとヤルノ・トゥルーリが、チャレンジングな週末へ向けてのスタートを切った。両ドライバーは、
通常の金曜日よりも多くの周回を重ね、新たなパッケージの性能を最大に発揮するための方法を探求する ことに費やし、予定されていたタイヤ評価及びセットアップ作業などのプログラムを完了した。そして、週末を
通し、改善プロセスは継続される。
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー8
シャシー:TF106/04
公式練習1回目 : 12番手 1分38秒837(トップと3.891秒差) 8周
公式練習2回目 : 11番手 1分37秒317(トップと2.276秒差) 23周
ヤルノ・トゥルーリは、先週のパフォーマンスから進化を遂げるための情報を得るべく、ハードな作業を遂行した。
「今日の2セッションは、新パッケージについてより多くのデータ収集に努めた。
我々のグリップレベルはまだ満足いくものではなく、バーレーンの時よりは多少
競争力は改善されたようにも見えるが、まだやるべきことはある。我々の挑戦は、
車体とタイヤ双方を協調して機能させることである。そのために詳細な分析を行
う必要があるが、もちろん前戦バーレーンGPのあと、テストを行うチャンスはな
かったので、今週末も作業を継続しなくてはならない。まだ“TF106”の本当の
ポテンシャルを発揮できていないと思う。問題点は見出したが、解決手段は簡単
にはいかない。バーレーンGPよりは良いレースを見せられると思っているが、
我々にとっては、序盤戦のレースウィークにおいて、問題の真因をつきとめるこ
とが重要だ」
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー7
シャシー:TF106/05
公式練習1回目 : 9番手 1分37秒826(トップと2.880秒差) 9周
公式練習2回目 : 17番手 1分37秒695(トップと2.654秒差) 20周
厳しい結果となったバーレーンGPに比べ、ラルフ・シューマッハーは“TF106”でセパン・サーキットを走行し、 満足している。
「今日はいつもよりも多くの距離を走破した。我々はまだ、新パッケージを最大限に活かす方法を見つけるべく 努力している。グリップ確保に苦労し続けており、バーレーンGPで明らかになった通り、我々はまだ途上に
ある。しかし、今日ははるかに良い感触が得られ、グリップレベルも非常に改善されていた。トラクション及び タイヤにとっては、このサーキットの路面と暑さが良い方向に働いているようだ。午後の最終走行で、渋滞に
阻まれていなかったら、さらに良いタイムをマークできただろう。この週末の目的は、今後のレースに向けての 情報収集にあるが、既にいくつかの有意義なデータを得られた。励みとなるスタートを切ることが出来た」
ディーター・ガス : レース及びテスト・チーフ・エンジニア
パナソニック・トヨタ・レーシングにとっては、日曜日のマレーシアGPへ向けた準備のために、ハードな1日と なった。
「今日はバーレーンGPのときよりも進歩を遂げられた。タイヤとセットアップについて多くの作業を行い、 良い情報を収集出来た。特にタイヤについて顕著であった。明日は“TF106”のセットアップについてより改良を
進める予定だ。今日は通常よりも多くの距離を走行したが、これは、前戦バーレーンのレースウィーク中、 やや走行距離を抑えたためで、これによって、ここマレーシアで可能な限り多くの情報を得るために使うことが
出来た。だから、タイヤ選択に利用できる多くの情報が得られた。ここマレーシアのコンディションが我々の パフォーマンスにどの程度影響するかを語るにはまだ早いが、タイヤ温度と格闘している我々にとっては、
この高温のサーキットは味方になってくれるはずだ」
新居章年 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「今日は、十分なデータ取りが出来、意味のあるセッションを行うことが出来た。両ドライバーともロングランをこなし、タイム的には必ずしも満足のいくものではないが、バーレーンGPに比べ、タイヤの使い方に手ごたえを
感じることができた。今日の結果を至急分析して明日、明後日と更に前進していきたい」 |