1ヶ月に渡るヨーロッパを離れた3戦の遠征戦を終え、2006年F1選手権は
第4戦で、ヨーロッパラウンドを迎える。イタリア・イモラのサーキットでは、
20年以上に渡ってサンマリノGPが開催されてきた。サーキットが、チーム本
拠地と相対的に近くなることは、これまでの3戦で部品や人員を地球半周近い距
離に渡って手配するという挑戦的な作業で消耗させられた物流担当にとっては歓
迎すべきことである。パナソニック・トヨタ・レーシングのラルフ・シューマッ
ハーとヤルノ・トゥルーリにとっては、2006年は厳しいスタートとなったが、
チームのパフォーマンスは1戦ごとに改善されており、第3戦オーストラリアG
Pではラルフ・シューマッハーが表彰台を獲得した。そして、ヨーロッパラウン
ドに戦いの舞台が戻っても、その進歩は続くだろう。
ラルフ・シューマッハー : カー・ナンバー7
ラルフ・シューマッハーは、サンマリノGPにおいてこれまで、多くの良い結果を
得てきた。
「イモラは、多くのロングストレートと低速コーナーが共存し、特にブレーキに
も厳しい、とても技術的要求の高いサーキットだ。イモラでこれまで、いつも良
い結果を得ており、特に、私のF1初優勝を2001年に成し遂げたサーキット
でもあり、印象は良い。しかし、対照的に、パナソニック・トヨタ・レーシング
にとっては、あまり得意とするサーキットではなかった。イモラでの寒いコンデ
ィションは経験しているが、この週末の天候は分からない。今シーズンは、涼し
いコンディションでスタートし、苦しんだが、オーストラリアGPでは表彰台を
獲得し、どれだけ進化したかを示すことが出来た。もちろんシーズンの始まりは
予想していたものよりも厳しいものであったが、オーストラリアでは、より良く
なっており、チームは復活を続けるに十分な強さを持っている」
ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー8
イモラはF1カレンダーの中で、ヤルノ・トゥルーリの自宅があるペスカラから最も近いサーキットである。
「地元でのグランプリは、いつも少し違った週末になるものだ。いつも以上に多くの応援を受け、私のファン
クラブが訪れてくれる。従って、コックピットから降りても忙しくなるだろう。イタリア人でありながら、私は
それほどイモラ・サーキットが好きではない。大抵4月のイモラは寒く、最も重要な要素はブレーキングでの
安定性とトラクションであり、同様に縁石を乗り越えるときの安定性も必要だ。昨年は息子の誕生を、ポイント
獲得という結果で祝うことが出来た。今年もトップ8内でのフィニッシュを狙っている。オーストラリアGPでの
週末は良いものとは言えなかったが、我々のペースは向上しており、そのことで自信は得られた。この2週間、
ハードなテストをこなしてきており、イモラのコンディションに適したタイヤを見出し、この週末に成果が
得られることを望んでいる」
ディーター・ガス : レースおよびテストのチーフ・エンジニア
オーストラリアGPで表彰台を獲得し、パナソニック・トヨタ・レーシングは、そ
れ以上の進化を確信している。
「ヨーロッパへと戻ってきて、恐らくイモラでは、今年これまでのレースで最も
低い気温に直面することになるだろう。バーレーンで苦しんだ直後であれば、こ
の低温は悩みとなっただろうが、ブリヂストンがより低温でも性能を発揮する新
しい世代のコンパウンドを開発してくれたこと、そしてそれに合致するセットア
ップを見出す作業を行ったことで、現在では、それらの問題はコントロール下に
あると確信している。より強力なパフォーマンスをオーストラリアGPで見せる
ことが出来たが、開発は続けて行かなくてはならない。オーストラリアGPの後、
2回のテストを行い、イモラ特有の縁石攻略に必要な、ダンパーのセットアップ
を含む、主な問題のいくつかをテストする機会を得られた。我々の“TF106”は、
予選でトップ10入り出来る能力があることを示しているので、それを実現し、
ポイント獲得もものにせねばならない」
|