F1第5戦ヨーロッパGPの決勝レースが、ドイツ・ニュルブルクリンクで行われた。レースウィークを通じて
好天に恵まれたニュルブルクリンクは、気温20度、路面温度39度、湿度33%という爽やかなコンディション。
午後2時に60周のレースが開始されたが、スタート直後の第1コーナーで中団グループが混乱。10番手
グリッドからスタートを切ったラルフ・シューマッハーは、上手く接触はかわしたものの、15位まで順位を
落として序盤戦へと挑んだ。その後、地元ファンの声援に応えて着実にポジションアップ。レース終盤には、
6位へと進出を果たした。しかし、チェッカー目前の53周目にまさかのエンジントラブルに見舞われ無念の
リタイア。一方、7番手グリッドから決勝へと臨んだヤルノ・トゥルーリは、出走22台中9台が戦列を去る
波乱のレースを戦い抜き、9位で完走を果たした。
ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー8
シャシー:TF106/04
決勝順位 : 9位 59周/60周
グリッド : 7番手
「上手くスタートを切り、一つポジションを上げて、問題なく第1コーナーを抜
けることが出来た。まず、問題なく1周目を走行することが私にとって最初の
ハードルだった。その後も、レースを通じてプッシュし続けたが、車体のバランスとタイヤグリップ確保に苦しむこととなってしまった。チームはいくつかの異なったセットアップへと調整を試してくれたが、ペースの改善は見られず、残り10周近くになってペースは上がったが、レース結果に影響を及ぼすには既に遅かった。ただ、一度は問題が改善されたのだから、原因は究明出来る。次戦では、最初から良いラップを刻めるように、努力し改良を続けていくことが重要だ」
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー7
シャシー:TF106/05
決勝順位 : リタイア 52周/60周
グリッド : 10番手
「非常にタイトな第1コーナーで、今年も接触が起き、私は若干タイムをロスしてしまった。最初の給油までを
長く取った我々の作戦は上手く行き、最初のピットストップまでには、確実にポイント圏内の6位に浮上する
ことが出来た。“TF106”は強力で、競争力の高さを見せることが出来た。しかし、残念ながら、2度目の給油
ピットインでR.バリチェロ(ホンダ)の後塵を拝してしまった。さらに、不運にも、レース終了間際にエンジン
トラブルに見舞われてしまった。レースでは、予想よりも良いパフォーマンスが見せられただけに残念だ。
この週末、我々は進化を続けてきた。次戦スペインGPでも、さらに着実な進化をするに違いない」
新居章年 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「2台入賞、ポイント獲得を目指したが、達成出来ず、残念な結果となってしま
った。今回は予選の燃料搭載を多くし、最初の給油までを長めにする戦略を採っ
たが、ヤルノ・トゥルーリは中盤からペースを上げられず、戦略の利点を活かせ
なかった。しかし、最後まで粘り強く戦い9位で完走してくれた。また、ラル
フ・シューマッハーは、スタート直後の第1コーナーでの混乱を上手く切り抜け、
ポイント圏内を走行していただけに、突然のエンジントラブルはとても残念だ。
とはいえ、予選、決勝でのパフォーマンスに手応えを感じることが出来たので、
次戦バルセロナでは上位入賞を目指す」
冨田務 : TMG会長 兼 チーム代表
「この週末、多くのファンと従業員が我々を応援してくれて、素晴らしい雰囲気の下でのレースとなった。優れた戦略で良いレースを戦うことが出来たが、残念ながら期待通りの結果は得られなかった。特に、ラルフ・シューマッハーのレース終了間際のリタイアに関しては落胆している。しかし、直ちに状況を分析し、今回のトラブルの根本的な原因を見出さなくてはならない。ヤルノ・トゥルーリは、タイヤを使いこなすために難しさを伴ったが、もしラルフ・シューマッハーと同等のペースで走ることが出来れば、良いレースが戦えたはずだ。我々は、次戦スペインGPで一切のトラブルを回避するためにも、今日の問題について細部に渡り評価を行わなくてはならない。両ドライバーは全力を尽くしてくれており、我々はそれに応え、信頼性の高い“TF106”を提供すべく全力を注ぐ」
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