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Rd8. Grand Prix of Great Britain
grand prix
F1第8戦イギリスGP
進化型“TF106B”で伝統の高速サーキットに挑む
一ヶ月早い開催となり、天候の変化の心配されるシルバーストーンでポイント獲得を目指す
 
2006年6月6日(火)
 

魅惑的なモンテカルロでのレースを終え、F1はどちらかといえばどんより曇った環境のシルバーストーンで行われるイギリスGPを迎える。イギリスのノーザンプトンに位置する、古くは飛行場として利用されていた このサーキットは、長いモータースポーツの歴史を持ち、20年に渡ってイギリスGPが開催されている。 通常イギリスの夏は、週末の間、様々な天候に見舞われる。今年のイギリスGPは、例年行われている7月 よりも一ヶ月近く早い開催であり、その分、降雨確率もいつも以上に高くなる。しかし、パナソニック・トヨタ・ レーシングは何が起きようとも、過去数戦の不運を振り払うべく、全力で突き進む。

ラルフ・シューマッハー : カー・ナンバー7




「イギリスGPについては、天候のことを抜きに語るわけには行かない。実際のところ、伝統的な7月開催 よりも一ヶ月も早い6月にシルバーストーンでレースをするという事実は、準備が重要な要素であるという ことを意味する。チームはより多くの時間を、ウェットでの戦略判断に費やすことになるだろう。また、週末の 進行において、いつ突発的な降雨に見舞われても対応出来るようにしておく必要がある。しかし、もし、降雨が 無かったとしても、平坦な地形から、風もまた大きな要素となる。周回の前半は特に風の変化が大きく、 ラップタイムに影響を与える。ツィスティなモナコの公道特設コースで進化型“TF106B”を評価するのは 難しかったが、シルバーストーンではより性能が明らかになるはずで、良い結果が得られると確信している」

ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー8




「シルバーストーンのコースは長く、ドライビングとエンジニアリングの両面において要求の厳しいサーキットで ある。コースはすべてのタイプのコーナーを持っており、1周を通してのセットアップを見出すことが課題。 低速コーナーでのトラクションと、高速コーナーでの効率的な空力の両方が必要だ。“ベケッツ”は最も 魅力的なコーナーだが、良いラップタイムのためには、周回全てに渡って自信を持って走れる必要がある。 そのためには、このコースの特徴に対処し、ドライバーが限界へのアタックが出来るように、バランスの取れた F1カーこそが重要になってくる。モナコは“TF106B”を判断するのに向いている場所とは言い難かったが、 レースでの感触は良かった。また、先週のテストでも手応えを得られており、進化していることを確信して いるが、それがどの程度かということはまだ分からない。シルバーストーンでの週末がより良いものになる ことを期待している。そして、ここまでの厳しいレースの後、運が好転しくれるのを待ちこがれている」

パスカル・バセロン : シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー

「モナコでの浮き沈みの激しい週末を終え、高速コースで開催されるイギリスGPは“TF106B”のパフォーマンスを 計るのに良いチャンスとなるだろう。技術的な特性に関しては、多くの長い高速コーナーを持っている バルセロナに似ている。そのことから、似たような空力パッケージとなる。かなり高いレベルのダウンフォースを 必要とするが、同時に長いストレートでの抵抗を減らさなくてはならない。バルセロナにはシルバーストーンの “ベケッツ“に見られる、高速での切り返しコーナーは無いが、安定性を重視したフロントのアンダーステア 気味なセッティングが必要になる。バルセロナ同様、ブリヂストンの最も固い部類のタイヤを使うことになる だろうが、イギリスGPではまた常にウェットコンディションの心配もしなくてはならない。事前に週末の気温 変化を予想することは出来るが、これから日曜日まで、真剣に雲の動きをチェックすることになるだろう」