6月10日(土)、シルバーストーン・サーキットで、イギリスGPの公式練習3回目と予選が行われた。前日に引き続き、イギリスGPとしては珍しく晴れ渡
った空の下、気温23度、路面温度31度というコンディションで午前9時30分から公式練習3回目が開始され、パナソニック・トヨタ・レーシングの2台は決勝レースを見据えたデータ収集に専念。タイヤを温存し、午後の予選へと臨んだ。予選は、サッカー・ワールドカップを考慮し、通常よりも1時間半早い、午後12時30分に、気温は29度、路面温度は43度の下で強い風を突いて開始
された。パナソニック・トヨタ・レーシングは第1ピリオド開始直後に2台共にコースインしたが、ヤルノ・トゥルーリは不運にもエンジントラブルに見舞われ、
予選アタックを断念。一方、ラルフ・シューマッハーは第1ピリオド14番手、第2ピリオドは10番手タイムを刻み、“ノックアウト”方式の最終第3ピリオ
ド進出を決めた。第3ピリオドでは、終了間際にめまぐるしくタイムが入れ替わる中、ラルフ・シューマッハーは7番手のタイムを記録。明日の決勝レースでは、
4列目スタートとなり、ヤルノ・トゥルーリは最後尾22番手グリッドから追い上げを図ることとなった。
ラルフ・シューマッハー : カー・ナンバー7
シャシー:TF106/07
B
公式練習3回目 : 19番手 1分24秒386(トップと3.467秒差) 12周
予選第1ピリオド : 14番手 1分22秒886(トップと1.868秒差) 7周
予選第2ピリオド : 10番手 1分21秒043(トップと0.772秒差) 6周
予選第3ピリオド : 7番手 1分21秒073(トップと0.820秒差) 15周
グリッド : 7番手(暫定)
「今日成し遂げた予選結果には非常に満足している。我々は6番手から10番手の間に入れると予測しており、その通り、良いポジションを確保することが出来た。また、“TF106B”も好調だった。昨日と今朝の公式練習では、ライバルと同様にグリップ確保に苦しんだ。予選の第1ピリオド及び第2ピリオドでは、私にとしては完璧な走りが出来たとは言い難いが、チームのおかげで、予選が上手く
行ったことに感謝したい。最後のアタックでは、多くの燃料を搭載していたにもかかわらず良い走りが出来、とても喜んでいる。多くの他のサーキット同様、ここシルバーストーンも追い越しはやや難しいが、我々は戦略に自信を持っており、明日を楽しみにしている」
ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー8
シャシー:TF106/08B
公式練習3回目 : 16番手 1分23秒459(トップと2.540秒差) 13周
予選第1ピリオド : 22番手 タイム無し 2周
グリッド : 22番手(暫定)
「残念ながら、最初のアタック周回中にエンジントラブルに見舞われ、予選タイムを記録することさえ出来なかった。後方から煙が出ているのに気付いた時には、
私の午後の仕事は終わってしまった。それは明日の決勝で、後方グリッドからスタートしなくてはならないということを意味しており、モナコ同様に、進化型
“TF106B”での良い走りを見せられるはずだっただけに残念だ。昨日、我々は競争力が高く、今朝の公式練習後も、全く新しいタイヤを使っていなかったので、
予選には自信があった。シルバーストーンはほとんど追い越しが不可能なので、明日は非常に厳しいレースになるだろうが、まだ諦めてはいない。出来る限りハードに攻め続け、近いうちに私の運が好転することを期待し続ける」
パスカル・バセロン : シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「複雑な思いの予選となってしまった。昨日の公式練習の後、今日の競争力を確信しており、戦略の一つとして、今朝の公式練習では新しいタイヤでの走行を行
わなかった。しかし、ヤルノ・トゥルーリの不意のエンジントラブルで、全てが台無しになってしまった。現在彼のトラブルについては調査中だが、明日は、エ
ンジンを交換し、後方からのスタートとなる。しかし、“TF106B”は速く、ラルフ・シューマッハーは、予選終了直前に素晴らしいラップタイムをマークし
てくれた。彼の予選結果を祝福したい。現時点で、明日はほぼドライでレースが行われると思われる。これまでの走りと、今日のラップタイムを考えれば、ラルフ・シューマッハーは、明日へ向けて非常に良いポジションにつけている」
新居章年 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「昨日からの順調な流れに乗って、2台揃っての予選上位を狙っていたが、ヤルノ・トゥルーリのエンジントラブルで叶わなかった。ラルフ・シューマッハーは、ややグリップ不足に悩んでいたが、予選7番手と頑張ってくれた。明日は、チーム全体で万全の準備を行い、ドライバーの頑張りに応えたい」 |