F1第9戦カナダGPの公式練習1回目と2回目が、カナダ・モントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットで
行われた。曇天の下、気温20度、路面温度25度と涼しさの中で午前11時から公式練習1回目を開始。
このコースは、F1開催時以外はサーキットとしては利用されないため、午前中の公式練習1回目では各車
グリップ確保に苦しむこととなった。パナソニック・トヨタ・レーシングの2台は、初期チェックを含め、ラルフ・
シューマッハーが6周して12番手タイム。ヤルノ・トゥルーリが7周して17番手タイムとなった。2時間の
インターバルを置き、公式練習2回目の開始された午後2時には気温は23度、路面温度は38度まで上昇。
多くのF1カーが走行したことで路面グリップも改善され、各車本格的にデータ収集を開始。終盤、ヤルノ・
トゥルーリがギアボックストラブルで早めにセッションを終えることとなったが、この日は2台合わせて50周
以上を走破。明日の予選、日曜日の決勝レースへと向けて有意義なデータを収集した。
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー7
シャシー:TF106/07B
公式練習1回目 : 12番手 1分20秒861(トップと4.471秒差) 6周
公式練習2回目 : 16番手 1分18秒614(トップと1.649秒差) 23周
「ここは常設のサーキットではない。そのため、ある程度の走行を重ね、路面にラバーが乗るまで、今日は
グリップ確保が非常に難しかった。特に午前中のセッションではそれが顕著で、多くのドライバーがコース
オフしないように努力を強いられた。午後は路面状況も回復し、予定されていた全てをこなすことが出来、
全体的に見て良い一日となった。ここはブレーキにとって非常に厳しいコースだが、今日は特に問題に
見舞われることもなかった。この週末が良いものになることを楽しみにしている」
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー8
シャシー:TF106/08B
公式練習1回目 : 17番手 1分24秒029(トップと7.639秒差) 7周
公式練習2回目 : 19番手 1分18秒868(トップと1.903秒差) 17周
「午後のセッション終盤、ギアボックスに問題を抱え、最後まで走行することが出来なかった。そのため、
行いたかったことを十分に出来たとは言い難い。午前中は非常にグリップが低かったが、午後には回復した。
ここはメカニカルな面で非常に厳しいサーキットであり、常に信頼性がとても重要な役割を果たす。まだ我々が
どの程度の競争力があるか分からないが、先週のモンツァテストで十分な準備をして来ており、この週末こそ
私の運が好転することを期待している」
ディーター・ガス : レース&テスト チーフ・エンジニア
「午前中のセッションでは、モントリオールではいつものことであるが、路面が非常に滑りやすい状態であり、
多くのF1カーがシケインをショートカットしているのを見かけた。我々もグリップ確保に苦労し、楽な一日では
なかった。その上、ヤルノ・トゥルーリがロングランテストを開始した時にギアボックスの不具合に見舞われて
しまった。これは、我々のタイヤ選択に必要なデータを充分には得られなかったということであり、難しい
選択を迫られることになった。ラルフ・シューマッハーにとっては、特に問題もなくプログラムを遂行でき、彼は
今日の成果に満足している。我々はモントリオール向けの空力パッケージに加え、新しいフロントウィングを
持ち込んでいる。日曜日の決勝レースで良い結果を得るべく全力で挑む」
新居章年 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「モントリオールの公式練習1回目は予想外に厳しいものだった。ここは特設コースであり、午前中グリップが
低いことは分かっていたが、想像以上のものだった。午後の公式練習2回目では、対策が機能し、また、
路面コンディションも回復したので、順調にプログラムを進められた。セッションの最後にヤルノ・トゥルーリの
ギアボックスに不具合が生じたが、明日に向けて万全な対応をして予選に挑みたい」
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