モントリオールを流れるセントローレンス川に浮かぶノートルダム島に位置するジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、常に面白いレースを提供してくれるコースだ。2本のストレートとタイトなシケインの組み合わせは、各チームにいつもとは違った難題を突きつけてくる。ここでは比較的低いダウンフォースのセッティングで走ることになるため、強力なエンジンとブレーキング時の安定した挙動が重要になる。
ヤルノは予選最終セッションで全長4.631キロメートルのコースを1分15秒968で周回。このタイムを上回ったのは、ルノーの2台とチーム・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンだけだった。
「クルマが力強く感じられたいい予選セッションだった。明日はいいレースになることを楽しみにしている」と話すヤルノ。「最近のレースではいろいろとトラブルに見舞われているが、今回はこの予選結果を最大限に生かしていい結果を得られることを期待している。今日の私はブリヂストン陣営で最速だったが、チーム全体がこれをうれしく感じているはずだ」
いっぽうチームメートのラルフ・シューマッハーは、予選最終セッションに進むことができず、明日の決勝は14番グリッドからのスタートとなった。
「予選最終セッションにほんのわずかの差で進むことができず、がっかりしている」と話すラルフ。「残念ながら午前中はクルマのバランスを見つけるのに手間取り、予選でもその問題が続いてしまった。明日は改善できるよう、今晩この原因をさぐるつもりだ。明日は70周という長丁場になるので、ポイント圏内に浮上できるようレース中は自分にできることをすべてやるつもりだ」
予選では現ワールドチャンピオンのフェルナンド・アロンソ(ルノー)が1分14秒942で5戦連続のポールポジションを獲得。チームメートのジャンカルロ・フィジケラが1分15秒178で2位に続き、マイルドセブン・ルノーがフロントローを独占した。3位はチーム・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネン(1分15秒386)。4位のヤルノの次は、7回タイトルを手にしているフェラーリのミハエル・シューマッハー(1分15秒986)、6位はウィリアムズF1チームのニコ・ロズベルグ(1分16秒012)、7位はマクラーレンのファン‐パブロ・モントーヤ(1分16秒228)、8位と9位はラッキーストライク・ホンダのジェンソン・バトン(1分16秒608)とルーベンス・バリチェロ(1分16秒912)が続き、10位はフェラーリのフェリペ・マッサ(1分17秒209)となった。
パナソニック・トヨタ・レーシングのシャシー部門シニアゼネラル・マネージャー、パスカル・バセロンは次のように述べている。
「ヤルノは予選4位という素晴らしい仕事をしてくれた。明日は上位に食い込めるレースをしてくれることを期待している。ラルフは残念ながらトップ10を逃してしまったが、この週末のほとんどのセッションでずっとヤルノのペースに近い位置を走っている。そのため、明日はもっと期待できるだろう。モントリオールではいろいろとアクシデントが起こることが多く、歴史的に見てもセーフティーカーが入る確率が高い。また特にブレーキなど、クルマにとって厳しいサーキットでもあるため、ドライバーは自分のクルマをいたわりながら走る必要がある。明日は2台そろって力強いレースができるだろうと期待している」
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