北米での遠征2連戦を終え、F1チームは再びヨーロッパでの戦いへと戻り、この週末は、フランスの内陸に
位置するマニクール・サーキットへと集結する。ヌベール市郊外のマニクール・サーキットは、フランス国内で
アクセスし易い都市のトップ10には絶対に入らないような場所だが、その周辺地域は、賑やかな北米
2連戦後の穏やかなオアシスのような存在でもある。マニクール・サーキットは1991年からフランスGPが
開催されており、ほとんどのF1チームは金曜日の公式練習初日から、これまでの経験を活かしてくるだろう。
パナソニック・トヨタ・レーシングのラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリは、最近のレースで示した
“TF106B”の進化を最大限に利用し、日曜日の決勝レースでは好結果を残すべくアタックする。
ラルフ・シューマッハー : カー・ナンバー7
「モントリオールとインディアナポリスでの低いダウンフォースレベルの2連戦後、フランスGPで高いダウン
フォースのレースに戻る。マニクール・サーキットは特にチャレンジングな部分は無いが、非常にスムーズな
路面が特徴だ。それはドライバーには揺れの少ない乗り心地を提供するが、一方で、パフォーマンスが温度や
天候に非常に大きく依存することを意味する。ここはシーズンの中で特に好きなサーキットというわけではないが、
設備は良く、サーキットのレイアウトも良いので、レースには向いている。そしてまた、ここは私がこれまでに
成功を収めてきたサーキットでもある。F1で初めてのポールポジションを5年前に獲得し、2003年には
優勝も果たしている。この週末の我々のパフォーマンスについて語るのは難しいが、最近のレースで
“TF106B”は速さを見せており、日曜日にはより良い結果を期待している」
ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー8
「マニクールには、とても良い思い出があり、フランスを訪れるのをいつも楽しみにしている。私はF1でフランスの
チームに所属していたことがあり、フランス語も話せる。それもあって、フランスのファンとは良い関係を
築いており、グランドスタンドでは多くの観客が声援してくれるはずだ。また、マニクールはほぼ全ての種類の
コーナーを持つテクニカルサーキットであり、F1カーをドライブするのが楽しいコースだ。高速コーナーと
ともに低速なヘアピンがあり、そして素早い切り返しを要求するシケインもある。このように様々な異なる
コーナーを上手く走るためには、ハンドリングが重要だ。路面はシーズン中で最もスムーズな部類に入り、
通常よりも車高は低くセットされる。我々の改善されたペースを活かし、良い結果を持ち帰れることを望んでいる」
パスカル・バセロン : シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「マニクールは、非常に典型的なダウンフォースとブレーキが必要なバランスの取れたサーキットだ。セット
アップをやや難しくする唯一の問題は、最後のシケインにある非常に高い縁石であり、そこではしばしば
車体が路面から離れてしまう。また、非常に路面温度が高くなりやすく、表面が黒い舗装のために、わずかな
日照でもすぐに路面温度が上がる。アデレイドヘアピンの手前に長いストレートがあるが、追い越しは非常に
難しい。その前に位置するエストリルコーナーが長いコーナーで、車体とタイヤの限界を要求し、接近した
まま走行するのが困難だからだ。マニクールは、場所として好まれないこともあるが、リラックス出来る周辺
環境があり、私は訪れるのを楽しみにしているサーキットの一つだ。サーキットへ向かう道中、牛が草をはむ
素晴らしい田舎の風景を見ることが出来、穏やかな雰囲気だ。また、レースファンにとっては、気を散らす
ものが無く、レースに没頭出来ると思う」 |