2006年シーズンのF1選手権は、ヨーロッパラウンドを終え、残すところ遠征戦3戦となり、今週末の中国GP
から始まる。中国GPは2004年からF1カレンダーに加わった、比較的新しいイベントである。上海・インター
ナショナル・サーキットは中国で最も大きな都市である上海市郊外に位置し、シーズン中で最も素晴らしいと
チームからの評判も高い施設を誇る。前戦イタリアGPでヤルノ・トゥルーリが7位フィニッシュを果たした
パナソニック・トヨタ・レーシングは、終盤の3戦で出来る限りの多くのポイント獲得を期待している。技術チームは
中国GPで、より良いパフォーマンスを取り戻す自信があり、レースドライバーのラルフ・シューマッハーと
ヤルノ・トゥルーリは最良の結果を目指して戦いに臨む。
ラルフ・シューマッハー : カー・ナンバー7
「私はトヨタでの2度目の表彰台獲得という昨年の中国GPでは良い思い出がある。素晴らしい戦略による
結果であり、トヨタに加わった初年度を締め括るにふさわしい成果であった。私はまだ上海という街をそれほど
良く知らないが、交通渋滞がひどかったことは覚えている。上海・インターナショナル・サーキットは印象的な
施設とともに、過度に高速ではない、テクニカルでチャレンジングなコーナーで構成されている。上手くデザイン
されたサーキットであり、特に長いコーナーなど、いくつかの独特な特徴を持っている。第1コーナーは非常に
長く、ほぼ円周を描くような走行を強いられ、ミスすることなく限界でコース内に留まり続ける必要がある。
コース幅は非常に広く、ロングストレートから進入する第14コーナーなど、追い抜きのチャンスもある。これらの
ことからレースを戦うのに楽しいサーキットであり、日曜日には良い結果を持ち帰れることを期待している」
ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー8
「グリッドに並ぶほとんどのドライバーとは異なり、私は中国GPを1度しか戦ったことがない。初めて行われた
2004年はトヨタに移籍したばかりであり、レースには参加しなかった。マカオでF3レースを戦ったことは
あるが、昨年の中国GPが、私にとって唯一の上海を訪れた経験であった。昨年の中国GPは、上海という
都市とサーキット施設の両面で感銘を受けた。しかし、レースは私にとって不運なタイミングでセーフティカーが
導入されてしまったことであまり良い結果ではなかった。とはいえ、それでもいくつかの素晴らしい特徴を
持つ上海・インターナショナル・サーキットを攻めることを楽しめた。低速なコーナーと長いストレートが混在し、
レースセットアップで妥協点を見出すのは本当にチャレンジングだ。第1コーナーは独特で、コーナーを回る
間にトップギアから1速ギアまでの減速を必要とする。また、2カ所の追い越しチャンスがあり、その一つは
長いバックストレートの終わりにある第4コーナーへの進入である。2ポイントを獲得したイタリアGPのあと、
シーズンの終盤戦へ向けて、さらにポイントを得るべく中国GPへと挑む」
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パスカル・バセロン :
シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「上海の街とサーキットはどちらも驚くべき場所だ。サーキット施設は巨大で、パドックエリアはF1カレンダーの
他のどのサーキットにも見られないものだ。コースはブレーキングやダウンフォース、タイヤコンパウンドなど
殆どの要因において平均的であるが、2つの特別なコーナーが上海・インターナショナル・サーキットを独特な
ものにしている。スタートとフィニッシュラインのストレートの終わりには非常に長い右コーナーがあり、もう
一つの特徴的なコーナーは、最終コーナーといえる。これらは主に、左前タイヤの消耗と、タイヤ表面のめくれ
摩耗を引き起こす。第1コーナーはまた、非常に速いコーナーリングが要求され、ブレーキングと加速の
組み合わせにより、ステアリングシステムにはシーズンで最も高い負荷がかかる。サーキット終盤には、2つ目の
長い右コーナーからの脱出が待ち受け、その後の長いストレートでスピードを得るために極めて重要となる。
これらのことから、F1カーには通常には無いような、ストレートでの最高速と共に高いダウンフォースが
必要とされる。前戦イタリアGPでは予想していたよりも若干後方のスターティンググリッドとなってしまったが、
それはあの独特なサーキット特性によるもので、一度だけで終わることを望んでいる。上海で我々は調子を
取り戻し、上位グループへ再び挑戦出来ることを期待している」 |