F1第17戦日本GPの公式練習1回目と2回目が、三重県の鈴鹿サーキットで
行われた。昨夜から降り続いた雨が残り、気温21度、路面温度20度、湿度9
0%というウェットコンディションで午前11時から公式練習1回目が開始され
た。パナソニック・トヨタ・レーシングのラルフ・シューマッハーとヤルノ・ト
ゥルーリは、共に初期チェック走行の1周に留め、タイム計測はされなかった。
2時間のインターバルを経て午後2時からの公式練習2回目は、コースは濡れて
いたものの、雨は止み、気温24度、路面温度22度、湿度74%で開始された。
ラルフ・シューマッハー、ヤルノ・トゥルーリ共に、セッション開始早々にウェ
ットタイヤでコースイン。徐々にコースはドライコンディションへと変わる中、
セッション終盤には雲の切れ間も見え始め、各車ドライタイヤでセットアップへ
と周回を重ねた。順調にデータ収集と、セットアップを進めたヤルノ・トゥルー
リは、9番手、僅かなタイム差でラルフ・シューマッハーも11番手タイムを刻
み、明日の公式練習3回目と予選、そして、鈴鹿サーキットでの日本GPを好成
績で締め括るべく、日曜日の決勝レースへと臨む。
ヤルノ・トゥルーリ :
カーナンバー8 シャシー:TF106/08B
公式練習1回目 : 25番手 タイム無し 1周
公式練習2回目 : 9番手 1分35秒343(トップと1.006秒差) 12周
「当初濡れていた路面が乾いていくという、難しいセッションであった。終盤に
かけては天候が好転し、路面は乾き始めた。このため、ドライタイヤに変更し、
セッション終盤の数分間に数周をこなした。しかし、それはあまりに短く、コン
ディションについて語ることは余りない。今朝の雨のおかげで午前中の公式練習
1回目では、1周の初期チェック走行のみに終わった。我々は前戦中国GPでリ
タイアを喫したため、今回は新しいエンジンを持ち込んでいるので、少し進歩し
ているように感じる。これが助けになってくれることを願っている。日本GPは
チームのホームレースであり、力強い挑戦が出来ることを期待するとともに、今
日が良い週末へ向けてのスタートとなることを望んでいる」
ラルフ・シューマッハー :
カーナンバー7 シャシー:TF106/10B
公式練習1回目 : 26番手 タイム無し 1周
公式練習2回目 : 11番手 1分35秒375(トップと1.038秒差) 12周
「大きな問題もなく、今日のセッションは上手く行った。公式練習2回目の開始
時は明らかにウェットコンディションだったために、周回開始を待つ必要があっ
た。当初はコースは若干湿っていたが、天候の回復と共に徐々に好転していった。
“TF106B”のハンドリングは良好だが、変化していくコンディションの中で、安
定性を本当に確かめるまでには至らなかった。今日は、ドライコンディションで
の走行時間は短く、明日どのタイヤを選択するかは難しい問題だ。しかし、明日
の公式練習3回目の後には良い選択肢が見つかることを期待している。地元のフ
ァンに強力なパフォーマンスを見せることができると思うが、実際にどうなるか
は、レースが終わるまでわからない。我々の“TF106B”は、表彰台獲得の手応え
はあるが、全ての要素が正しく機能するように努力せねばならない」
ディーター・ガス : レース&テスト チーフ・エンジニア
「様々なコンディションのためにセットアップに費やせる時間は限られたものと
なってしまったが、我々は鈴鹿では何が必要かを知っており、問題にはならない。
我々にとっては実りの多い一日であった。午後はウェット及びドライコンディシ
ョンでのバランスをチェックする機会に恵まれた。そして、明日の公式練習3回
目では、最終的なタイヤの決定へ向け、再びタイヤの比較を行う必要がある。
我々は土曜日の午前中にタイヤ選択を行うことについても慣れており、大きな問
題にはならないと思っている。フロントタイヤに若干のめくれ摩耗が見受けられ
たが、サーキット路面にラバーが乗っていけば改善されるだろう。もちろん、週
末へ向け我々は自信を持っている」
新居章年 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「今日は午前の公式練習1回目でエクストリームウェットタイヤ、午後の公式練
習2回目ではスタンダードウェットタイヤとドライタイヤを使用し、結果として
全てのタイヤで走行することが出来た。ややドライコンディションでの走行時間
が少なかったが、有意義な一日だったと言える。明日は天気も好転すると聞いて
いる。公式練習3回目でしっかりセットアップを仕上げ、予選ではレースに向け
て好位置を確保し、日本のファンの皆さんの前で良いレースを見ていただけるよ
うに頑張る」
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