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Rd18. Grand Prix of Brazil
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予想外のトラブルに見舞われ、リタイヤで今シーズンを終える
2006年F1世界選手権を上位フィニッシュで終えたいというパナソニック・トヨタ・レーシングの願いは、ブラジルGPで上位走行中のヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハーがともにサスペンショントラブルに見舞われた瞬間に霧散してしまった。
 
2006年10月22日(日)
 

ウィリアムズのニコ・ロズベルグのクラッシュが原因のセーフティーカーピリオドの後、3番手スタートのヤルノ・トゥルーリはさらに2位を走行するチーム・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンに迫りつつあった。

「リアサスペンションの中央部の部品が破損した」と説明するヤルノ。「突然、クルマの後部のコントロールを失ってしまった。ライコネンを猛追していただけに本当に残念だ。クルマの感触はとても良く、長めの第1スティントのために燃料も多めに積んでいた。今日は間違いなく表彰台フィニッシュを狙える位置にいた。インディアナポリスで見舞われたトラブルに似た症状だが、表彰台を視界に捉えていて、それにチーム全員がこれほど懸命に仕事をしてくれたにもかかわらずこうなってしまったことには大きなフラストレーションを感じる」

チームメートのラルフもセーフティーカーピリオドの直後にヤルノとまったく同じ感覚に見舞われた。タイヤの空気圧が落ちたため車高が下がり、クルマがコース上を這うような走行になってしまった。

「なんてタフな形でキツいシーズンを終えることになったのだろう」と話すラルフ。「ああいった状況でクルマをドライブするのは不可能だった。それに安全面から考えてみても、リタイヤするしか選択肢はなかった。シーズンを終える形としてはもっともキツい状況となってしまった。今日のわれわれが非常に戦闘力が高かったことは間違いないし、(トラブルがなければ)きっとコンストラクターズ選手権でBMWを逆転することも可能だったと思う。実際にはそうはならなかったが、私はケルンと日本にいるスタッフ全員が懸命に仕事をしてくれたことにお礼を言いたいと思う。今度は来年の仕事に集中しなければならない」

レースでは、ブラジル人のフェリペ・マッサが母国の熱狂的なサポーターの前で感動的な優勝を果たした。また2位にはマイルド・セブン・ルノーのフェルナンド・アロンソが入り、2年連続でワールドチャンピオンとなった。3位には14番手からスタートし力強い走りを見せたホンダのジェンソン・バトンが入った。

最終戦で通算8回目のワールドタイトル獲得を目指したフェラーリのミハエル・シューマッハーだったが、レース序盤にリアタイヤがパンクした時点でその望みも潰えた。だがその後猛烈な追い上げを見せた彼は、自身248戦目で最後となるグランプリを4位で終えた。続く5位はマクラーレンのキミ・ライコネン、6位はルノーのジャンカルロ・フィジケラ、7位は2台目のホンダに乗る母国のヒーロー、ルーベンス・バリチェロ、そして最後の1ポイントはマクラーレンのペドロ・デ・ラ・ロサが獲得した。

パナソニック・トヨタ・レーシングのシャシー部門シニアゼネラル・マネージャー、パスカル・バセロンは次のように述べている。「われわれがどれほど落胆しているのかを表現するのは困難だ。ヤルノの3位はまさに実力通りだった。というのも、われわれは23~24周分の燃料を積んでいたからね。われわれの前後にいたクルマに起こったことを考慮すると、明らかに2位を狙えたレースだったと思う。なぜ今回のトラブルが起こったのか、それはまだわかっていない。インテルラゴスはとてもバンピーなサーキットだが、もちろんわれわれはそれを承知していたし、そのための準備もしてきた。今シーズンわずか2度目の2台そろってのリタイヤとなったが、鈴鹿のすぐ次のレースでこういう形となり、シーズンを終えるには残念な結果となった。だがわれわれは、今まで以上に固い決意とともに来年また戻ってくるつもりだ」

1 F・マッサ フェラーリ
2 F・アロンソ ルノー
3 J・バトン ホンダ
4 M・シューマッハー フェラーリ
5 K・ライコネン マクラーレン
6 G・フィジケラ ルノー
7 R・バリチェロ ホンダ
8 P・デ・ラ・ロサ マクラーレン
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