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Rd.4 Grand Prix of San Marino report
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上々の滑り出しもクルマには改善の余地あり
2005年F1世界選手権第4戦サンマリノGPの初日、パナソニック・トヨタ・レーシングのリカルド・ゾンタは午前中のセッションで2位となる上々の滑り出しを見せた。だが午後はセットアップの方向性が裏目となり失速。データ収集は十分なだけに、明日の予選に期待が高まる。
2005年4月22日(金)

パナソニック・トヨタ・レーシングはオーストラリアGPからバーレーンGPまでの好調な滑り出しにさらにポイントを上乗せすべく、2005年F1選手権第4戦、ヨーロッパラウンド最初の舞台となるイモラでのレースに臨んでいる。現在ヤルノ・トゥルーリはドライバーズ選手権の第2位、そしてチームもマイルドセブン・ルノー・F1に次ぐ、コンストラクターズ選手権の第2位となっている。

トヨタにとってこれまでイモラはあまり相性のいいサーキットとはいえない場所だ。ここではコーナーでのスムーズな走りと、かなり効率の良いブレーキシステムが要求される。

初日のフリー走行を終え、テストドライバーのリカルド・ゾンタは全体で3番手につけた。トップはバーレーンGPでファン・パブロ・モントーヤの代役として出走したマクラーレン・メルセデスのペドロ・デ・ラ・ロサが刻んだ1分20秒484。いっぽうのゾンタのタイムは1分21秒174だった。デ・ラ・ロサはイモラでは再び以前と同じ金曜日のテストドライバー役に戻り、代わりに同僚のアレクサンダー・ヴルツが未だに負傷が癒えないモントーヤの代わりにレースを走る。

デ・ラ・ロサとゾンタの間に割って入ったのはラッキー・ストライクBARホンダに乗るジェンソン・バトンだった(1分21秒052)。パナソニック・トヨタ・レーシングのレースドライバー、ヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハーはそれぞれ13位(1分23秒345)と15位(1分23秒466)でこの日のセッションを終えている。

「最初のセッションでは2種類のミシュランタイヤの摩耗度のチェックに集中的に取り組んだ」、と説明するゾンタ。「2回目のセッションでは何カ所かセットアップを変更したものの、実際にはそれが悪い方向にいってしまった。そのためコーナーでのクルマの挙動がさらに予想しにくくなってしまった」。午前中のセッションではトップからわずか0.11秒差だったゾンタだが、午後のセッションではさらに大きく遅れをとってしまった。

1回目のセッションでわずか1周のインスタレーション・ラップをしただけだったトゥルーリは、午後になると20周を走行。「昨夜の雨のせいでコース上はかなり汚れていたから午前中はほとんど走らなかった。あの状況で走ってもメリットは限られているからね」、と話すトゥルーリ。

ラルフ・シューマッハーが説明を続ける。「シャシーに関してはまだかなりやるべき仕事が残っている。まずはグリップ不足の解消から始めなければならない。でも明日には改善できると期待しているよ。以前からこのサーキットは好きだし、2001年にはここで初優勝を飾っているからね」。

トップ6のうち4位はマクラーレンのキミ・ライコネン(1分21秒704)、5位はルノーのフェルナンド・アロンソ(1分21秒899)、そして6位はスクーデリア・フェラーリ・マールボロのミハエル・シューマッハー(1分22秒025)だった。

シャシー部門テクニカル・ディレクターのマイク・ガスコインは「これだけ素晴らしいシーズンのスタートを切れた後だけに、当然期待は高まっている。とはいえ、モータースポーツは決して簡単なビジネスではない。われわれには改善の余地があるし、すべてのデータを注意深くチェックしてみるつもりだ。タイヤの選択は思っていたほど明確に判断できそうにないので、この点についても明日までに細かく検討しておくつもりだ」、と話している。