イモラで開催された2005年F1世界選手権のヨーロッパラウンドの初戦、サンマリノGPにて、ヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハーは7位と8位に入賞し、パナソニック・トヨタ・レーシングは3戦連続でポイントを獲得した。
なお、レース終了後、ラルフが2回目のピットストップ終了後にピットアウトした際、安全面に反する行為があったとして、レーススチュワードから25秒のペナルティを課されている。この決定により、ラルフは8位入賞で獲得した1ポイントを失うことになる。ただし、パナソニック・トヨタ・レーシングはこの判定に対して異議申し立てを行っている。
●厳しいレース展開の中、ヤルノが7位に
この結果はトゥルーリが2位を獲得したマレーシアGPやバーレーンGPと比較するとやや物足りないかもしれないが、過去の経験から見てトヨタが不得手としているこのサーキットでは、表彰台に上ることよりもさらにポイントを稼ぐことのほうが現実的な目標だった。この結果、チームはマイルド・セブン・ルノーF1チームに次いでコンストラクターズ選手権の2位を維持し、またヤルノ・トゥルーリはドライバーズ選手権でフェルナンド・アロンソに次ぐ2位を守っている。
「タフなレースだった」と認めるトゥルーリ。「いいスタートが切れたし、マーク・ウェバーを抜いてポジションもひとつ上げた。でもトップについていけるだけの速さが今回のクルマにはなかった。2回目の予選の直前にセットアップを変更したんだけど、レースの終盤ではすこしオーバーステアがきつくなってしまった。それに後続のクルマが最初のスティントを長めにしていたせいで順位をいくつか落としてしまった。2回目のピットストップではヴィルヌーヴにも抜かれてしまったしね。でも全体として見れば、自分にできることはすべてやれたと思う」
いっぽう、チームメートのラルフ・シューマッハーは、1周目を12位で通過すると、それからの最初のスティントでは長い渋滞の列につかまり遅れてしまった。「ここは追い越しが難しいコースだから、中団グリッドからスタートすれば必然的にレースも難しい展開になる」と説明するラルフ。「特にこれといった問題はなかったし、2回目のピットストップではウィリアムズの前に出るために、チームはトップクラスの仕事をしてくれた。3戦連続でポイントを獲れたのはよかったし、ヤルノとも差も0.5秒だったからね」
●今回もエンジンの信頼性の高さを証明
レースのほうはルノーのアロンソが3連勝を飾った。最後の10数周はワールド・チャンピオンのミハエル・シューマッハーと激しい争いを展開し、なんとかトップを守り抜いている。シューマッハーのほうは2位入賞を果たし8ポイントを手にしている。3位はラッキー・ストライクBARホンダのジェンソン・バトン、4位はウェスト・マクラーレン・メルセデスのアレキサンダー・ヴルツ、5位は2台目のラッキー・ストライクBARホンダに乗る佐藤琢磨、6位はザウバー・ペトロナスのジャック・ヴィルヌーヴだった。
シャシー部門チームディレクターのマイク・ガスコインが、イモラでのレースを次のように総括してくれた。「ここで奇跡が起こることを期待していたわけじゃない。われわれはとにかくポイントを目指してがんばらなければならなかった。そしてそれを手にできたわけだ。ヤルノはレース後半ですこし苦しい走りになったが、ミスはひとつも犯さなかった。それに2回目のピットストップで2台のウィリアムズの前にラルフを出すことができたのは素晴らしかった。ルカ・マルモリーニと彼のエンジン部門のスタッフたちは今回も最高の仕事をしてくれて、おかげで本当に見事な信頼性をここでも証明してくれた。シケインがあるとはいえ、イモラはやはりエンジンにとって厳しいサーキットだが、特に酷暑のバーレーンGPの後となればなおさらだった」
パナソニック・トヨタ・レーシングはこの後、5月8日に決勝を迎えるスペインGPに先だって、同じくスペインのヘレスにて3日間のテストに臨む。
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