イギリスGPを振り返る
ラルフ・シューマッハー Q+A
●予選が今年最高の結果だっただけに、リタイヤという結果にはかなり落胆したのでは?
「もちろんそうだ。私はレースの3分の1を走っただけでリタイヤしてしまった。理由は複合コーナーにさしかかった際、ホイールの固定部分に問題が生じているのを感じたためだ。週末を通じてわれわれはずっと調子がよく、いい結果を手にできると自信を持っていただけにこれは残念だった。われわれのパフォーマンスのレベルは週末を通じて良好で、上位フィニッシュできるだろうとかなり期待していた。残念ながら予選で6番グリッドを獲得したものの、私はスタートで順位を落としてしまった。だがその後は前を走るクルマと肩を並べるくらい速いラップタイムを刻むことができた。それを見ればわれわれにトップ6でフィニッシュする力があったことがわかる」
●予選6番手というのはかなりの前進ですよね?
「今回は両方のクルマが予選でトップ10入りできたが、これは常にわれわれが目標としているリザルトでもある。シルバーストーンはわれわれに合っているようだったね。先月のテストでわれわれは相対的に他車より速かったが、私自身としてはちょっと驚きだった。予選でトップ10に入れるとは思っていたが、トップ6は予想外だった。この結果はうれしい驚きだったし、チームが注いできた努力に対するいいご褒美になったと思う」
●どの部分のパフォーマンスが向上したのですか?
「単純に、特定の状況でわれわれのマシンがコンペティティブだということだろうね。バルセロナでもそういう状況だったし、マニクールでもレースペースはよかった。ただしトラブルがあったため望んでいたような結果は手にできなかった。われわれに必要なのはそのパフォーマンスの幅をもうすこし広げることだと思う。私はチームに関しては満足していた。彼らはとても一生懸命仕事をしているし、成績を上げていくだけのことはしっかりできている。この2連戦では私にクルマがよくマッチしていた、というべきだろうね」
●シルバーストーンは楽しめるコースですか?
「いつもあのコースは楽しめている。ただしレースで唯一問題なのは、追い越しのチャンスが非常に少ないということだ。実際のところ、相手がミスしない限り、その可能性はほぼ皆無と言っていい。でもコースのレイアウトはドライブしていて楽しいし、それにイギリスのファンは素晴らしいということも言っておかなければならない。彼らは本当にF1が好きで、テストでシルバーストーンを訪れたときですら毎回彼らの姿を目にすることができるくらいだ。これはわれわれ全員にとって励みになる。イギリスGPはいいイベントだよ」
●イギリスではあなたを応援してくれるファンが多いですよね?
「実はその点に関してはいつも驚いているんだ。おそらく私がキャリアの一部をイギリスのチームで過ごしたことがあるからだろうね。イギリスに滞在するのはうれしいことだけど、ただし天気は別だね……」
●北米で2連戦をこなし、その後シルバーストーンでテストし、さらにマニクールとシルバーストーンでの連戦となったわけですが、これには多少なりとも疲れたのでは?
「誰もがそう感じているよね。長期の連戦はどのチームにとっても、メカニックのみんなにとっても、ドライバー全員にとっても難しいものだ。特に自分の家族にあまり会えなくなるわけだからね。大変な量の仕事になるし、海外のレースの後はみんな疲れるものだ。でもF1は世界選手権であり、それゆえ、そういうことも当たり前なんだ。インディアナポリスからすぐに飛行機でヨーロッパに戻って火曜日にテストするとなると、どうしても時差ぼけをひきずってかなりの疲労を感じることになる。これは最高の状況というわけではないけど、でもわれわれにはシルバーストーンでやるべきことがあり、だからこそ私もテストに参加したわけだ。テストの後は私も家に戻り、疲れていたから2~3日は何もせずに過ごしたよ。その後はまたすぐにフランスGPを迎え、ほとんど休む間もないままイギリスGPに臨んだ」
●次戦のニュルブルクリンクは“母国レース”です。トヨタはどんなパフォーマンスを見せてくれるのでしょう?
「われわれには間違いなく状況を好転させるポテンシャルがある。いい人材といい設備があるのだから、必要なのはしっかり仕事をすることだけだ。誰もが一生懸命仕事をしているから、私はかなり楽観的に考えている。もちろんシルバーストーンで2台ともリタイヤとなったのは満足できることではないが、でも予選6番手というのはポジティブな要素だ。あの結果がわれわれの実力を示していたと思うし、リタイヤする前の私はレースでもいいラップタイムを刻むことができていた。BMWの2台とルノーの2台についていくことができたし、そうやって上位チームとバトルができたということは、これからニュルブルクリンクに向けて準備を進めるみんなにとっても励みになると思う」