マレーシアGPを振り返る ヤルノ・トゥルーリ Q+A
●ヤルノ、セパンでは4位でしたが、どの位満足していますか?
「最高だよ。どうしても4位を獲りたいと思ったし、この成果は丸ごとチームのみんなに捧げたい。彼らは冬の間とてもいい仕事をしてくれて、しっかり戦えるクルマを私に用意してくれた。みんなが私を支えてくれているし、レースチームはマレーシアでの週末全体を通して素晴らしい仕事をしてくれた」
●今回の結果はTF108の速さを裏付けていると思いますか?
「チームは週末の間ずっと素晴らしい仕事をしてくれたし、我々には最上位でバトルするのにふさわしい力があった。レースのほとんどで私はマクラーレンの2台とバトルしていたしね。恐らくある状況では彼らの方が私よりやや速かったはずだが、それでも私は決して諦めなかった。どうやら我々には本物の速さがあったみたいだ。最後の数周になると、私に厳しい状況を突きつけるのはルイス・ハミルトンの番になったけど、でも私はとにかく懸命に走った。最後の13周はまったく息つく暇もなくて、まるで予選アタックのようだったよ。暑くて湿度の高いマレーシアは、多分そんなバトルを繰り広げるのに最適な場所ではないんだろうけど、でもとにかくそういう状況だったんだ」
●スタート直後の1コーナーで順位をやや落としましたが、あの時は何が起こったのですか?
「3番手でスタートしたものの、ターン1に進入するストレートの終わりですこし外側にふくらんでしまったんだ。でも背の高いヘッドプロテクションがあるため自分の横がよく見えず、外側にいたニック・ハイドフェルドのことはほとんど見えなかった。お互いと少し接触し、そしてクビサとウェバーとハミルトンに少し先行されることになった。ターン1を3位で抜けられれば良かったけれど、でも表彰台圏内を維持できたとは思わない。我々のペースは他の何台かほどではなかったからね。多分4位は望み得る最高の結果だったと思うし、実際そうなった。だからこの結果は最高だね」
●レース終盤、ハミルトンの存在は気になりましたか?
「私はとにかくプッシュにプッシュを重ねていた。レース終盤はプライムタイヤを履いていたけど、硬い方のタイヤはやや厳しかった。オプションタイヤを履いた時の方がパフォーマンスが良かったんだ。私はとにかくあらゆる手を尽くしてがんばったし、最後まで戦い抜いた。多分あと2周くらいは耐えられたはずだ。ハミルトンは最後の周かその前の週に私に追いついていたが、ただし追い越すのはまた別の話だからね。素晴らしい仕事をし、クルマを適切な形で用意できれば、こういった結果も予測がつくものだ。今年は自分たちが上位で戦えるクルマを手にしていると信じているし、これはとても大きな励みになる。昨年のクルマではこんなことは無理だったからね」
●このクルマにはポイント圏内の上位でフィニッシュできる速さがある、と最初から自信を感じていたのでしょうか?
「そう、今回はとても満足のいく週末だった。我々は最初から常にトップ6~7のパフォーマンスを発揮できていたからね。金曜日のフリー走行では何度かいい感じでロングランができたし、予選に向けてかなり自信もあった。もちろん全車のタイムがかなり接近していて、どんなことでも起こり得る状況だったけどね。予選では10分の1秒が大きな違いに繋がることだってある。第3セッションではあと10分の1秒速かったら3番手になるところだったし、逆に10分の1秒遅かったら7番手だった。今のF1はそのくらい競争が激しいんだ。でもクルマはバランスがかなり良く、それに幾つかいいセットアップを見つけていたので、1回目のフリー走行と比べると大きく状況が改善していた。全体的に見て、我々は最後のバルセロナテストで予想していた通りの本来の位置に着けている。マクラーレンとフェラーリは明らかに我々より先行しているし、多分10分の2~3秒くらいBMWから遅れを取っているはずだが、でもそれ以外のチームとは十分戦うことができる」
●予報では雨の可能性がありましたが実際には降りませんでした。これはうれしかったですか?
「どんな状況になろうと我々はそれに対処しなければならないが、ただ自分としてはドライで安定した状況の方が良かった。マレーシアで雨が降るととにかく状況が悪くなるからね」
●ドライバーエイドがないことが不安材料の一つだったのでしょうか?
「より難しくなるのは明らかだ。注意してドライブしなければならないが、ただしそれが危険だと言うつもりはない。どんな状況になろうと我々はドライブしなければならないし、F1では十分な安全対策が講じられている。それにドライバーエイドがないのはいいことだ。もっと楽しくなるからね」
●今回のような状況でのレースは、身体的な面から見るといかがでしたか?
「それほどひどくはなかったけど、でも言うまでもなくレース終盤はあれだけ懸命にプッシュしたからとても暑かったよ。ただしレース中はハミルトンを自分の後ろに封じ込めておくべく全開でドライブするのに忙しかったから、それについて考えている余裕はなかった。我々が慣れているいつものマレーシアと比較すると今年は少し涼しかったけど、でもあの湿度はやはりかなり不快だった」
ティモによると、彼はクアラルンプールへ移動する際、何度か飛行機の遅延に遭遇したそうですが、あなたはオーストラリアとマレーシアの間、何をしていたのですか? あの湿度に対応するため、何か特別なトレーニングをするものなのでしょうか?
「通常、レースの間隔は2~3週間あるが、今年は1週間しかなかったため、何をするにせよ時間はほとんどなかった。ティモが乗る予定のシドニーからの乗り継ぎ便がキャンセルされたと聞いた時は、かわいそうだなと思った。クアラルンプールに到着するまで40時間もかかって、しかもその日は彼の誕生日だったなんてね。私はいくつか仕事があってブリスベンに向かったから何も問題なく全てが順調に進んだ。私はとにかく少しリラックスするよう努めたんだ。マレーシアに到着した時にエクササイズをしたけど、でも実際のところ、トレーニングは既に終わっていて、準備すべきものは身につけている状態だからね。到着した時に身体の調子が良くないとしても、それはもうちょっと手遅れだ。トヨタは栄養に関していいアドバイスを与えてくれるドクターを帯同させているし、当然、体内の水分レベルを十分に保つためのアドバイスももらっている」
冬の間、バーレーンでテストしましたよね。となると、次回のレースでもまた上位を狙えそうでしょうか?
「冬の間、バーレーンではいいテストができたし、自分たちのクルマがどんな風になるのか、予測もついている。トップチームに挑むのであれば常にクルマのパフォーマンスを向上させていかなければならないが、次回もまたトップ6を狙った戦いができると思う。トップの何台かは手の届かない位置にいるが、でもマレーシアでは、クルマのあらゆる部分を適切に準備し、チームが完璧な仕事をしてくれれば、相当にいい結果を手にするポテンシャルが自分たちにあることを実証できたからね」