F1第11戦ハンガリーGPプレビュー
2008年7月28日(月)
パナソニック・トヨタ・レーシングはF1恒例の夏休みに入る前に、最後のレースとなるハンガリーGPのため、今週末は東方に焦点を向ける。ハンガリーGPはブダペストにある曲がりくねったハンガロリンク・サーキットで1986年から開催されているが、ここでは、モナコで使用されたのと同様の、高ダウンフォースの空力パッケージに回帰する。4.381kmのコースが14のコーナー(その大部分がタイトコーナー)で構成されているハンガロリンクは、平均速度がモンツァより時速で50km遅い約195kmとなっており、カレンダー上で最も遅いコースの一つである。この為コース上の短いストレートでのドラッグを犠牲にしてダウンフォースを最大にする特有の空力パッケージを必要とする。そのため、ヤルノ・トゥルーリとティモ・グロックは空力の調整などを行うほか、今週末に高ダウンフォースのフロントウィングとリアウィングを使用することになる。難しいレースとなってしまったドイツGPの後で、明確な目標はハンガリーでポイントを再度獲得することだ。
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー11
「ハンガロリンクはチャレンジングでドライブするのが楽しいサーキットだから、ここでレースすることを楽しんでいる。短い走行の間にたくさんのコーナーがある狭いコースのため、追い越すのは簡単ではない。それはつまり、ここでは予選が重要であることを意味している。ここのコースは定期的には使用されていないので、我々は大抵埃だらけのコースを予想している。そのためラインから外れてしまうと多くの時間を失うことになってしまい、ドライバーにとってはかなりチャレンジングになるから、どんな小さなミスも避けるため本当に集中しなければならない。通常、ハンガリーGPは一年で最も暑いレースのうちの一つなので、レースの間中、気を抜かないためには、コンディションを整えておく必要がある。私はトレーニングを積んだので、問題はないだろう。たとえ今まで結果には恵まれていなかったとしても、ハンガリーでは大抵強いレースができているので、週末のレースには自信があるし、再びポイントを獲得できると思っている。ホッケンハイムの予選で、我々は先頭に近い位置で戦えることを証明したから、今回の目標は同じペースを再現して、ポイント争いに戻ることだ。」
ティモ・グロック : カーナンバー12
「ホッケンハイムでの事故はあったが、調子は良いし、レースをしたくてうずうずしているんだ。自宅で少しリラックスする機会があったから、今週末の準備は完全に整っているよ。また、ヘレスではハンガリーGPの準備をしながら一日をクルマの中で過ごし、テストはうまく行った。 私は、ブダペストを訪問するのを楽しんでいる。数年前に休暇でブダペストを訪れたけれど、とても面白い場所だったよ。また、2006年を筆頭にここでは何度かエキサイティングなレースをしたことがある。ハンガロリンクは曲がりくねったサーキットなため、我々はこのレースのために異なった空力パッケージを用意するつもりだ。ファクトリーで作業している皆が、本当に一生懸命頑張っていることを知っているから、我々が再び強く戦えることを確信している。ここはF1カーで追い抜くのが非常に難しいコースだから、今週末は予選が本当に重要になるだろう。ハンガリーで開催されたGP2では、多くの車をオーバーテイクしたけれど、F1は全く別物だからね。ホッケンハイムでの結果は望ましいものではなかったけれど、レースでは競争力があったし、6位以内に入るよう戦えていたから、今週末も前向きな気持ちでいるよ。」
パスカル・バセロン :
シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「ハンガリーでは、ベースラインになっているクルマとは異なりモナコ仕様により近い、効率の良い空力が必要になるため、我々は高ダウンフォース仕様のクルマを走らせることになる。また、コースのレイアウト上、平均速度は遅く、かなり多くのブレーキングが必要なため、ブレーキとエンジンを冷やすことにいつも注意していなければならないので、双方の冷却の点に関して配慮が必要になる。しかしながら、ブダペストでの重要なチャレンジはタイヤに関することだ。横方向の過酷度はかなり高いが、コース自体はかなり低いグリップになる。タイヤを壊すことなく適切な熱を確実に入れなければならないが、これは簡単なことではない。モナコGP以後、我々は高ダウンフォースパッケージの開発を更に進めており、結果にはかなり
満足しているので、このレースを楽しみにしている。昨年のハンガリーGPでは6位に入賞したので、今回のレースにも明るい見通しを持っている。これからシーズン終わりまでの間は厳しい戦いになるだろう。ドイツGPを終えて、レッドブルやルノーとは接戦しているが、コンストラクターズ・チャンピオンシップで4位を守りとおすのが我々の目標だ。チャレンジする準備は整っている。」