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Rd.11 Grand Prix of Hungary
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ハンガリーGPを振り返る ティモ・グロック Q+A

●ホッケンハイムでは担架に乗せられましたが、ハンガロリンクでは表彰台に上がりました。どんな気持ちですか?
「とにかく信じられない。残り3周でフェリペ・マッサのエンジンが煙を上げていたのを目にした時は、自分をつねって確かめなくちゃいけないほどだったけど、自分が2位なのは分かっていた。レース終盤はもう一台のフェラーリに乗るキミ・ライコネンからずっとプレッシャーをかけられていたし、最後のスティントは軟らかめのタイヤに幾分苦しんでいた。金曜日のフリー走行の結果から、軟らかめのタイヤは扱いがより難しいことは分かっていた。私はまずまずのペースで走っていて、キミの9秒前にいるというピットサインを見たんだけど、チームからはキミが1周につきコンマ5秒速いと無線が入った。私はとにかく集中しつつ、タイヤを痛めないようにしながら、もっとプッシュしようとがんばった。最終的に彼は私に追いついたものの、私は冷静さを保ち、ミスを一つもしないように気をつけた。GP2の経験から、ブダペストで追い越しをするのがどれほど難しいかは分かっていたし、F1ではそれが更に困難だからね」

●ハンガリーでは予選5番手となり自己最高グリッドを3つも更新しました。そして表彰台を獲得したわけです。この進歩はどうやったら説明がつくのでしょう?
「ホッケンハイムでもクラッシュまでのレースペースは良好だったんだ。そして我々はその速さを保ったままブダペスト入りした。TF108は金曜日からずっと感触が非常に良く、大きな変更は何も必要がなかった。クルマは軟らかめのタイヤを履いた最終スティントではちょっと危なっかしかったけど、それまではとにかく完璧だった。F1フル参戦の1年目なのにシーズン半分が終わった時点で表彰台に乗っているなんてね! 素晴らしい気持ちだ。今回は完璧な週末だった」

●スタートではBMWザウバーのロバート・クビサをかわして、1周目に4位になりました。これはどのくらい重要だったのでしょう?
「あの展開はかなり重要な意味を持っていた。ロバートが厳しいレースを送っただけにね。序盤の数戦ではスタートの反応時間が完璧ではなかったため、私はスタートを改善する必要があった。でも今回は最高のスタートを切ることができた。それに、確かに予選結果は良かったものの、実は自分としてはあと2つくらいグリッドが前だった可能性もあると感じていた。軽い燃料で走る予選第2セッションではマッサのフェラーリに次ぐ2番手だったけど、第3セッションではタイヤの温度の影響で少し苦しむことになった。実際の所、私の最速タイムはユーズドタイヤで記録したものだったんだ。というのも、最後の走行時の最初のタイムアタックでは、アウトラップのクビサが私の前を私より幾分ゆっくりめに走っていて、こちらもスピードを緩めざるを得なかったからね。アタックラップではややパフォーマンスが落ちてしまったものの、5番手という結果には満足だった。ロバートより速く走れたはずだとは思ったけどね」

●あなたのパフォーマンスアップを手助けするような何か根本的な変更はあったのでしょうか?
「私はアンダーステアのクルマが好きじゃないが、今シーズンはそれが時々問題になっていた。でもホッケンハイムとブダペストではクルマの感触がかなり自分好みの方向になってきて、私のドライビングスタイルにより適してきたんだ。コーナーでは自分の望み通りの場所にクルマを導くことができたし、予選とレースの両方でそんな感じだった」

●ホッケンハイムのクラッシュの影響は何か残っていますか?
「いや。メディカルセンターに運ばれるまで、ずっと私は自分が何かミスをしてしまい、燃料が重いクルマでカーブを幾分はみ出してしまったのだろうと確信していた。ちょっとボトミングする感じがしたから、きっと自分のミスなんじゃないかと思ったんだ。でもその後チームが、リアサスペンションの破損がクラッシュの原因だったと伝えてくれた。クラッシュの状況を初めて(ビデオで)見たときは、クルマの中で感じていたよりもっと激しいもののように見えたね。もちろん最初の衝撃の際は背中がちょっと痛かったし、やや動転していたため、呼吸のタイミングもおかしくなっていたはずだ。でもあの日の夜にはもう帰宅する準備ができていた。正式な手順として、経過観察のため一泊入院しなければならなかったけどね」

●2~3日の間、新聞のトップを飾るのはどんな気持ちでしたか?
「実際の所、クラッシュそのものよりも、同じ質問に全て答える方がもっとエネルギーが必要だったと思う。私はアクシデントではなくてレースの結果でニュースになりたいと思っているしね! 実はそれよりも悪かったのは、その次の週のヘレステストで見舞われた食あたりの方だった。ハンガリーでは暑さは問題にならなかったけど、レースの間かなりの量のドリンクを飲んだため、またちょっと胃に問題が生じた。レース後はいつも通りの気分ではなかったけど、でも暑さが一番の問題ではなかった」

●これでチームはコンストラクターズ選手権4位でシーズンを終えられる可能性が高まったと思いますか?
「現在のグリッドは競争がとても激しいし、サーキットや状況によってはレッドブルが強い場合もある。そして次のレースではこちらが強い、といった風にね。だからかなりアップダウンが激しく、予測は難しい。でもここまでTF108は暑い状況でいいパフォーマンスを発揮できてきたし、ブダペストでのレースに関してはずっと自信があった」

●次のレースの舞台となる新しいバレンシアサーキットについて、何か知っていることはありますか?
「コンピューターゲームで学習済みだし、実際のコースを歩いたこともある。最近あそこで開催されたF3レースの写真も何枚か見た。ストリートサーキットとしてかなり面白そうな感じだね」

●夏休みはどんな予定ですか?
「ロサンゼルスに行くよ。モントレーにね。あそこで盛大な昔のクルマのイベントが開催されることになっていて、そこで私はトヨタのスポーツカーをドライブする予定なんだ。その後はたぶんロサンゼルスで4~5日過ごして、ちょっと息抜きかな。間違いなくオリンピックは見るだろう。特に応援している選手はいないけど、でも絶対にサイクリングは頻繁にチェックすると思う」